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第336話「最下層へ⑤」

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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 ウッラとパウラから衝撃的なダブルプロポーズを受けたディーノであったが……

 これまでにステファニーとエレオノーラからから『心身ともに鍛えられた経験』が大いに役に立った。

 動揺した気持ちを(しず)めた上で「ぱっ」と切り替え、戦闘訓練を再開出来たのである。


 さてさて!

 現在の新フォーメーションは、ゴレ吉ネオ軍団2体、火蜥蜴と化したファイアドレイクのファイ、妖精猫ファザーガットのジャン、そしてディーノ、ウッラとパウラ。

 フェンリルのフェン、最後方にゴレ吉ネオ軍団2体である。

 ウッラだけが下がった形となっている。


 ディーノは、ゴレ吉達の先導に自分の意思を反映させていた。

 結果、混沌のフロアなのに、特定の敵とばかり遭遇する結果となったのである。


「おい、ディーノ」


「はあ、何でしょう? ウッラさん」


「何でしょう、じゃない! セオリーなど無くランダムに敵が出現する混沌(カオス)のフロアなのに、メタルゴーレムのシルバーとばかり出会っているじゃないか。それもお前が全部倒し、行動不能にした上で、しっかりと腕輪へ回収している」


「ですね」


 ウッラの疑問はもっともだ。

 ディーノは一層鋭くなった『索敵能力』で、メタルゴーレムのシルバーが居る位置ばかりへクラン一同を導き、戦っていたのである。


「おい、ディーノ、お前また何か(たくら)んでいるな?」


「いえいえ、企んでいるなんて人聞きが悪い。気のせいっすよ」


「しれっ」とウッラをいなしたディーノ。

しかし、パウラも突っ込んで来る。


「ディーノ君」


「何すか、パウラさん」


「高位の破邪魔法で徹底的に強化した究極の『インゴット銀』は数多(あまた)の毒や(よこしま)なる闇の気配を99%退けると言われているわ」


「はあ、そうみたいっすね。俺も古文書で読みました」


「うふふ、分かるわよ。ディーノ君が、シルバーのメタルゴーレムばかり集めているのは単に盾役として使うだけじゃないでしょ?」


「さすがですね。まあ、それは後のお楽しみって事で」


 ディーノとパウラの会話をじっと聞いていたウッラだが……

 しかめっ面をし、ディーノに突っ込む。


「おいおい、ディーノ。私に対しては気のせい、パウラへは何か含んだ言い方をするのか? 愛する妻には等しく愛を与えるものだぞ」


「はあ? ウッラさん、また何か凄い事言ってません?」


「言っとらん。私はな、決めるまでは石橋を叩いても渡らないくらい慎重だ。しかし、一旦これだと意思決定したら後は一直線なのだ」


「いやいや、ウッラさんはいっつもなりふり構わず一直線じゃないっすか」


「ディーノ、お前何か、言ったか?」


「言ってませ~ん」


「むうう……まあ、良い。私もパウラもディーノを信じ、指示には従うと決めたのだ。どうせお前にはいくつもの策があるのだろう?」


「はい、ありますよ、ウッラさん」


 きっぱりと言い切ったディーノの表情は……

 「やるべき事をやる!」「打てる事が可能な手は全て尽くす」という強い信念を示したものであった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 メタルゴーレムのシルバー、オーク、オーガの上位種、そしてノーライフキングなどと戦闘を重ねたディーノ達は、最下層手前のフロアに戻り、1泊。

 翌朝から、出陣前の集大成ともいえる訓練にとりかかった。


 そう、ディーノが打合せの最後に示した『想定外の提案』である。


 想定外の提案とは……

 何と『ディーノひとり対クラン全員』というとんでもない演習である。


 一見とんでもなく無謀ともいえるこの訓練は吸血鬼の王と眷属、上級悪魔メフィストフェレスという未知たる相手の俊敏な動きへの対抗策であり……

 ディーノ自身の強化鍛錬でもあり、各々へのレベルアップをもはかる画期的なものだ。


 しかし互いに屈指の実力を持つ者同士、もしも本気で戦ったら、大惨事が起きるのは間違いなかった。


 そこでディーノが更に提案したのは、演習の際は戦いに即した動きをしながら、相手の動きを見切るのみ。

 すなわち武道でいう『寸止め』を行う事なのだ。


 だからこの演習に置いては特殊攻撃、魔法も一切使わない。

 攻撃した、行使したと思うイメージのみだ。


 そしてクランのメンバーには伝えていないが……

 今やディーノは物理的な攻撃や守備だけではなく、五感、身体の動き、魔法の加減など、ほぼ全てにおいて制御可能となっている。


「よし、じゃあそろそろ開始しますよ」


「おう! 模擬線とはいえ、ディーノと戦えるとは胸が躍るっ!」

「うふふ、相手にとって不足はなし。ディーノ君の動き、見切ってやるわ!」


 ウッラとパウラだけではない。

 ケルベロス以下、戦友達も同じである。


 生粋のバトルマシン、戦いに生きる彼等はディーノとの模擬線を心待ちにしていた。


「俺は徐々に速度を上げて行きます。つまり攻略難度は段階的に上がりますよ」


「ははは、何言ってる。最初から全開で構わんぞ」

「駄目よ、姉さん。ディーノ君の『速さ』を舐めないで」


 ちなみに……

 邪魔が入らぬよう、演習中はゴレ吉ネオ軍団と守護精霊ノブレスが周囲を警護にあたる。


「カウントダウンするっす。5、4、3、2、1、スタート!」


 こうして……

 ディーノ達の『最終訓練』は「幕を開けた」のである。

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