第333話「最下層へ②」
東導号の新連載です。
⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』
平凡な苦学生男子が就職活動に失敗。
騙され、弱みにつけこまれた上、パワハラ商会へ就職。
だが強くなった彼は「ざまあ」して、素敵な職場へ転職。素敵な出会いもあり、幸せになる話です。
一気に10話以上読めます。
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最下層攻略に向け、ディーノ達一行の作戦会議は続いている。
ディーノは己の判断で、ウッラ、パウラとの会話をケルベロス達戦友へも流している。
新たな戦友守護精霊ノブレスも、至宝ルイ・サレオンの魔法指輪の中で聞いているはずだ。
ウッラ、パウラから吸血鬼に関して説明がある。
ディーノはいろいろ本で学んだり、他の冒険者達から教えて貰ったりはしたが、まだ吸血鬼と戦った事がない。
ひと言も逃さずという趣きでウッラ、パウラへ思い切り身を乗り出した。
とりあえずは、ふたりの話が終わるまで、口をはさまないと決めた。
ディーノは真剣な表情なのを見て、満足そうに微笑むウッラとパウラ。
ふたりは話し始める
「吸血鬼は、大きく分け2種類が存在する」
「ええ、本当におおまかに分けてだけどね」
「………………」
「常識的な話だが、我々人間が活動する根源は心臓で作られ、血液とともに身体をめぐる魔力だ」
「ええ、だけど……吸血鬼は自ら魔力を生み出せない」
「………………」
「そこで奴らは、他者から魔力を強奪する」
「ええ、いろいろな方法でね」
「………………」
「ひとつめは、エレメント的な吸血鬼だ」
「この吸血鬼は魔法使いが呼び出したエレメンタルや精神体の使い魔などが、主から離れてもなお活動を続ける為、魔力を奪うケースが多いわ」
「………………」
「そして、もうひとつが最も知られている不死的な吸血鬼だ」
「ええ、吸血鬼において、私達が最も多く戦う相手であり、最も危険な敵だわ」
「………………」
「代表格はヴァンパイア。奴を始めとし、血に飢えた数多の人外どもだ」
「ええ、奴らは生と死の狭間に生き、自らの命を長らえる為、意識的に他者のエネルギー、つまり魔力を含んだ血を吸う」
「………………」
「不死的な吸血鬼も活動の根源は魔力、奴らも自ら魔力を生み出す事が出来ない」
「ええ、だから他者の血に含まれる魔力を強奪するの」
「………………」
「不死的な吸血鬼は血を奪う為、手段を選ばない。おぞましくみだらな行為も含め、簡単に人間の尊厳も破壊する」
「そして吸血するたびに『仲間』を増やして行く。だから私達姉妹は特に不死的な吸血鬼を許せないの」
他にも不死的な吸血鬼は様々な特徴を持つと姉妹は話す。
生者の血を吸う事で、仲間を増やす。
不老不死。
鏡に映らない。
常人を遥かに超えた膂力を持つ。
上位の吸血鬼は魔法が効きにくい。
そして戦う際の注意とは、
陽の光、創世神の紋章、祝福を受けた銀の武器、流水、そしてニンニクなど特定の食べ物を苦手とする。
とどめを刺す為には、肉体だけでなく魂を破壊する。
もしも肉体が塵となっても、上位の吸血鬼は魔力を与えれば復活するからだ。
「と、まあ、このようなところだろう」
「だから、私達姉妹は神銀の剣、そして水属性及び葬送魔法で、不死的な吸血鬼と戦うの」
ここで初めてディーノは反応、口を開く。
「ありがとうございます。……吸血鬼に関し、よっく、分かりました。ならば吸血鬼も悪魔も基本戦い方は変わらないです」
「変わらない?」
「これまでの戦い方と同じだと」
「はい、念の為、具体的に言えば、ファイ、ゴレ吉軍団を前面に押し立て、先んじてダメージを与えつつ、敵の攻撃をかわし、もしくは耐え、機を見て反撃する」
「ふむ、クラン戦闘に忠実な戦い方、王道的な戦い方だ」
「分かり切った戦い方だけど、相手の力量を測りつつ、弱点を見極め、効率よく的確にダメージを与えるというベストなやり方だわ」
「しかし最下層の敵、吸血鬼の王、そして迷宮の王、悪魔は別格です。特殊な攻撃またはクリティカルヒット、致命的な一撃を放って来る事が考えられます」
「うむ、その通りだ」
「ディーノ君の話は正論ね。不死的な吸血鬼は弱点を攻めるとして……迷宮の王、悪魔の方はどうなの?」
「はあ、こっちは多分、ウッラさん、パウラさんがお持ちの知識と大差ないと思いますが、対峙した際の特徴を含め、お話ししましょう」
「おお、頼む」
「じっくり聞きたいわ」
「はい、悪魔とはそのほとんどがかつて創世神様に仕えた者、使徒だと聞いています」
「………………」
「………………」
「奴らは基本不老不死です。そして底知れぬ魔力と無詠唱で発動可能な魔法を操る。とんでもないスキルを有する。強靭な肉体へいくらダメージを与えても無駄です。魂を破壊しないと、間をおかずに復活する。完全に倒す事は出来ない」
「………………」
「………………」
「だが……俺が対峙した奴は、魂を破壊する奥義を怖れ、戦いを回避した」
「………………」
「………………」
「奴らにも不死的な吸血鬼同様、何らかの弱点は必ずある。それを見極めながら、致命傷となる魂の破壊を行う。それしかありません」
「………………」
「………………」
「以上です」
ディーノは敢えて告げなかったが……
もうひとつ『淡い希望』がある。
所持するルイ・サレオンの至宝、魔法指輪とペンタグラム。
そのふたつが、ディーノを真の所有者として認めた時、解放される偉大なる力の発動だ。
初めての召喚対象として呼んだケルベロスが畏れ、告げたいくつかの言葉がディーノの心に記憶として、はっきりと残っている。
『……ルイ・サレオンの指輪とは……創世神へ仕える天使の長が古の魔法王ルイ・サレオンへ与えたものだ』
『分かった、改めて説明しよう……ルイ・サレオンの指輪とは数多の悪魔を、支払う代償などなしで支配する事が可能な魔道具なのだ』
『そうだ! 指輪の絶大な効力は悪魔のみでなく、俺のような魔族にも及ぶ。つまり、全ての魔族が指輪の所持者が発した指示に絶対服従するのだ』
『おい、待て! まだあるぞ! 悪魔や魔族どころか、指輪の効力は天の使徒にも及ぶのだ』
『指輪の力を使う時、天の使徒へは真鍮、魔族には鉄の部分に触れるのだ。もし望みがあるのなら、念話で存分に伝えれば良い』
『先ほども述べたが、我々魔族は指輪から完全に認められた所持者には、絶対の服従を誓わねばならない。もしも反抗すれば相当なダメージを喰らうからな』
『そうだ! ルイ・サレオンの指輪とは我等のように己の意思を持つ魔道具なのだ』
この偉大なる魔法指輪と、兄とも呼べる古の魔法使いロランが遺したペンタグラムは対の至宝。
ふたつの魔道具は、ディーノを真の所持者と認めてはいない。
しかし……ヴィヴィが告げた自分の覚醒と大いに関係がある!
そう、ディーノは確信していたのである。
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最後に、連載中である
⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》
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