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第327話「混沌のフロア⑭」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

特報!

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 再び、無言となってしまった……不死の幽鬼と化したアルフォンソを、ディーノは真っすぐに見据えていた。


 と、ここでいきなりディーノの心に声が響き渡る。


『こらっ! アルフォンソ! アルフォンソ・バンディニ! いいかげんにしろっ!』


 響き渡った声はディーノへ向けられたものではなかった。


 そして、ディーノには声の(ぬし)がはっきりと分かった。

 はっきりと聞き覚えがある。


『ヴィヴィ様!』


 ディーノが叫んだ声とともに、高貴なる4界王のひとり地界王の愛娘、地の最上級精霊ヴィヴィが、いきなり何もない空間から現れた。


 ヴィヴィは空中でくるりと一回転し、軽々と迷宮の床へ降り立った。

 ちょうど、ディーノとアルフォンソが対峙する真ん中である。


 ディーノはびっくりしたが、それ以上に驚いたのがアルフォンソである。


 身長は150㎝に遠く及ばない。

 130㎝前半。

 年齢は12,3歳。

 褐色の肌をしたブラウン髪のショートカット。

 複雑な刺繍ししゅうが施された、茶色の革鎧をまとう、

 愛くるしい顔立ちの少女。

 仮初の擬態であろうが、ディーノの見覚えが大いにあるヴィヴィに間違いはなかった。


 しかしアルフォンソとヴィヴィは、多分初対面。

 で、あればヴィヴィが何者なのか、アルフォンソには分かるはずもない。


『な、な、何者だっ!?』


『私はヴィヴィ』


 ヴィヴィはアルフォンソへ名乗ると、すぐディーノへ向き直る。


『ねぇ、ダーリン、めんどくさいから、コイツに説明してやってくれるぅ?』


『はあ、いいっすよ。』


『お、おいっ! ディーノ! し、知っているのか? この小娘を!』


『いやいや、小娘って……あんまり詳しく言うと、ぶっとばされるから言いませんけど、俺は勿論、枢機卿様よりも確実に先輩だと思いますよ』


 女子の年齢の表現には細心の注意を払う。

 ステファニー、エレオノーラ他、数多の女子との付き合いで、ディーノはそのヤバさを痛感していた。

 だからリスクの少ない『先輩』という表現を採用したのである。


『な、なに!? 私より先輩!?』


『はあ、そうです。そしてこの方は先ほど名乗られた通りヴィヴィ様。ええっと、枢機卿様は高貴なる4界王、その中で地界王アマイモン様をご存じでっすか?』


『無論だ! アマイモン様は、4界王のひとり、地の最上級精霊にして、大地を支配。地脈を使いこなし、植物の繁茂(はんも)まで自由に行使する偉大なる精霊王だ』


 さすがにアルフォンソは、アマイモンを知っていた。

 ならば、話は早い。

 ディーノは、ズバリ言い放つ。


『枢機卿様が仰る、偉大なる精霊王の娘さんが、このヴィヴィ様っすよ』


『へ!? この小娘? い、いや、このお嬢様が!?』


『ええ、そうっす。俺はヴィヴィ様の加護を受けている地の使徒ですから』


『むむむむ……』


 唸るアルフォンソに対し、腕組みをしたヴィヴィが怒鳴る。


『おい、じいさんっ!』


『はうっ!?』


『ねぼけてんじゃないわよ! あんただって、既に私ヴィヴィの地の加護を受けているのよっ!』


『わ、私が!? ヴィ、ヴィヴィ様の!? ち、地の加護をっ!?』


『そうよ! 変だと思わないのっ!』


『変?』


『あんたは、ウチのダーリンの奥義で魂を斬られたじゃないのっ!』


『ウチの? ダ、ダ、ダーリン!?』


『そうよっ! ディーノはダーリンよ! 私の愛する想い人なんだもんっ!』


『精霊が? 人間と?……………』


『寝ぼけてないで! 論点はそこじゃないっ! 耳の穴かっぽじって聞きなさいっ! 普通だったら、ノーライフキングとはいえ、魂を破壊されれば、すぐ消滅するのよっ! でもこうやってず~っと元気に話してる。どうしてなのかと、不思議に思わなかったのっ!』


『あ、ああ……そういえば。つい話すのに夢中になって忘れていた。でも何故、ヴィヴィ様に縁もゆかりもなきこの私が、さしたる理由も無くヴィヴィ様の加護を?』


『じいさん、あんた! ダーリンの話を良く聞いていなかったの?』


『い、いや……良く聞いてはいたが、私は罪なき者達をたくさん殺した罪深い男だから……もうこの世から消えた方が良いかと……』


 アルフォンソがディーノに告げた言葉を繰り返すと、ヴィヴィは思い切り鼻を鳴らす。


『ふんっ! ばっかじゃないの! だったら! 地獄(じごく)()ちて、業火(ごうか)に焼かれれば、あんたの罪はすっぱり消えるの?』


『…………』


『大破壊により、苦しみ抜いて亡くなったガルドルドの同胞達、その苦しさは(いや)されるの? 無くなるっていうのっ?』


『…………』


『全く! 違うでしょ!』


『…………』


『結論! ダーリンの言う通りっ! じいさんっ! あんたが、この世から消えるのは早すぎるっ!』


『…………』


難儀(なんぎ)する者達は、まだこの世に居るのよ! その中にはね、あんたの故国ガルドルドの末裔(まつえい)だって、い~っぱい居るのよっ!』


 速射砲のように語るヴィヴィから、一方的に言われ続けたアルフォンソだが……

 ここで、言葉を返した。


『は、話は、り、理解した……』


『ふん! ようやく分かったの!』


『ああ、な、ならば、私はどうすれば良いのでしょうか? 死ぬ前の司祭の姿ならともかく、今の私の幽鬼の姿では……難儀する人々を助ける事など出来ない。私の姿をひと目見れば、人々は恐れおののく。発するおぞましき波動により、常人ならば、心身が衰弱もするのですよ……』


『なっが~い、ごたくはそれだけ?』


『な、長い? ご、ごたく?』


『簡単よ、そんなの! 私とダーリンの合わせ技で、あんたを死せる戦士にしてあげる!』


『え、死せる戦士!?』


 ヴィヴィが言い放った『死せる戦士』という言葉に……

 アルフォンソは大いに驚いていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

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も何卒宜しくお願い致します。

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