第321話「混沌のフロア⑧」
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本日2/7は、主人公シモンの大逆転ざまあ展開を含む
『第9話、第10話、第11話、第12話の都合4話』を段階的に一気更新致します。
本日以降の更新は随時です。
毎日1話更新が目標ですが、力尽きたら申しわけありません。
出来うる限り頑張ります。
引き続き、追っかけてください。
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一旦は、ディーノに倒されたノーライフキングだが、ゆっくりと起き上がった。
殺気の波動は感じられない。
なのでディーノも構えを解き、少し離れた場所に無造作にあぐらをかき、座り込む。
死神の如き、幽鬼と真っ向から対峙する。
おぞましき姿に。常人ならまともに見る事が出来ず、正気でもいられないところだ。
しかし、ディーノに全く恐怖感はない。
まっすぐにノーライフキングを見つめていた。
対峙してから先に言葉を発したのは、ノーライフキングである。
『まずは名乗ろう……私はガルドルド魔法帝国公爵、創世神様に仕えるしもべたる枢機卿。アルフォンソ・バンディニという』
ノーライフキングの出自は、やはり人間であった。
公爵で枢機卿という高き身分の者であり、ディーノには無関係ではない相手だ。
楓村において、ディーノに剣技と奥義を授けたブレーズ・シャリエと『同郷』なので ある。
ディーノは敬語を使う事にした。
アルフォンソには、人外に堕ちたしかるべき理由があるはずだ。
「その理由をはっきりと聞くべきだ」という内なる心の声が囁いて来たのである。
『バンディニ公爵様と、お呼びすれば宜しいですか?』
『……アルフォンソで良い。国民からは枢機卿と呼ばれていたがな』
改めて感じる。
よりによって創世神に仕える枢機卿が、何故、不死者の頂点、不死王ノーライフキングになったのか?と……
ディーノは首を傾げたが、ここはまず話を聞くべき。
余計な質問は後にしよう。
疑問を持った事など、おくびにも出さず、ディーノは頷いた。
『了解です。じゃあ、俺も枢機卿様とお呼びします』
『うむ、良かろう。少年……お前の名も教えてくれないか』
『失礼しました、枢機卿様……俺は、ディーノ。ディーノ・ジェラルディです。枢機卿様はご存じない未来の国、ヴァレンタイン王国の冒険者です』
『ふむ、我が故国が滅び、気が遠くなるほど永き時が経った……私が知らぬ国の冒険者か……』
『はい』
『聞きたい事は山ほどある。まずは、私が一番知りたい事を聞こう』
アルフォンソがディーノに対し、最も聞きたい事。
それは、はっきりしている。
『分かります。俺が何故、ガルドルドの高名な騎士が会得した奥義を使いこなすのかという事ですね』
『そうだ!』
アルフォンソは即座に肯定した。
ディーノは迷わず、答えを戻す。
『俺に剣技を……そして奥義を授けてくれたのは……ブレーズ様という方です』
『ブレーズ様か。……フルネームを教えてくれるか? 心当たりがある!』
『はい、枢機卿様。ガルドルド帝国の騎士にして魔法剣士ブレーズ・シャリエ様です』
『や、やはり! そ、そうか!! 少年! いや、ディーノ! お前! い、いや君が使った技は確かに我が魔法帝国の騎士ブレーズの! ブレーズ・シャリエの技だ!』
ここで……
ディーノは、楓村での一件を話した。
アルフォンソは、何度か相槌を打った。
どうやらディーノとブレーズの経緯について理解し、納得したようだ。
『ふむ……それで、ディーノ。君は、ブレーズ・シャリエから話を聞き、未曽有の災厄たる大破壊の発生と我が故国が滅びた事情を知ったという事だな?』
『はい! ブレーズ様は奥義を尽くし最後まで戦いましたが、押し寄せる悪魔どもに対し、多勢に無勢。仕方なく大破壊が起こったガルドルド帝国帝都を脱出し、世界各地を放浪しました』
『ふむ……』
『そして旅路の果てに行き着いた楓村で邂逅した女性と結ばれ、村を守る為の戦いに身を投じ、そのまま生涯を全うしました』
『成る程……そう、だったのか……』
自分と同郷の騎士であった男の人生を聞き……
アルフォンソは想いを馳せたようだ。
『はい、ブレーズ様のご家族は悪魔どもに殺された上に、大破壊にみまわれた故国も守り切る事は出来なかった。だが、世界の一部である楓村と想い人を救う事は出来たのだ、悔いはないと……仰っていました』
『そうか……ブレーズは……奴は、騎士として……崇高な武人として生き抜いたのだな』
『はい、少なくとも俺にはそう思えました。そしてブレーズ様は、志と奥義を俺へ伝えた上で、遺言を残しました』
『遺言か……ディーノよ、教えてくれ』
『はい、申し上げます。……楓村に住まう子孫達を大事にしてくれ、そして自分の奥義を世の為に役立ててくれと仰いました』
『そうか……子孫を大事に……そして、奥義を世の為にか……ふむ』
ブレーズの遺言をディーノから聞き、アルフォンソは考え込んでいた。
何か、思うところがあるらしい。
『ディーノ』
『はい』
『もうひとつ聞きたい。……君が放つ波動には特別な強き気配が含まれておる。人の子ではない不可思議且つ気高い波動だ』
『気高い波動ですか……多分、枢機卿様が感じる波動は精霊の波動でしょう』
『せ、精霊の……波動!?』
『はい、……俺、精霊の加護を受けていますから』
しれっと言う、ディーノの言葉のとんでもない重み。
アルフォンソは驚愕する。
『な、何! ディーノ!! き、き、君は!? せ、せ、精霊の使徒なのかっ!?』
『はあ、何人かの精霊にそう言われました』
『ふ、複数の精霊にか!?』
『はい、そうです』
『ディ、ディ、ディーノっ!!』
『はい』
『そ、その上! き、君は! ブレーズ以外にも、亡き者の遺志と技を受け継いだと言ったな!』
『はい、受け継ぎましたよ』
『な、な、何と!! 何という事だ!! ディーノ!! き、君は!! 導き継ぐ者だったのかあっ!!』
『そうみたいっす。何人かの方からそう呼ばれました』
『そ、それに!! ……私には分かるぞっ!! き、君が身に着けている魔道具!! 指輪とペンタグラムは!! そ、そ、そ、それはっっ!! それはもしや!! 至宝!! ル、ル、ルイ! ルイ・サレオンの魔道具ではっ!!』
『はあ……枢機卿様には分かりますか? そうっす』
『な、な、ならばっ!!』
『はい?』
『ぜひっ!! わ、わ、私の遺志と技も受け継いで欲しいっ!!』
『枢機卿様の遺志と技?』
思わず聞き直したディーノに対し、
『そうだっ!!』
と、アルフォンソはきっぱりと言い切っていたのである。
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