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第315話「混沌のフロア②」

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 フォルミーカ迷宮地下95階層混沌のフロア……


 しんと静まり返る中、時折わずかな音が空間に響く。


 ディーノ達一行にてシーフ役を務めるウッラが、魔導ロックピックを宝箱の鍵穴へ差し込み、開錠すべく慎重且つ小刻みに動かしていた。


 既に罠は解除していた。

 リュリュ姉妹の姉ウッラの宝箱開放の技法は、類稀たる器用な手先の技は勿論であるが、他のシーフとは異なり、索敵同様、独特の魔法を行使する。


 まず罠の解除だが、魔法で罠の有無を検知し、加えて種類を特定する。

 そして更に別の魔法で罠の効力を最大限弱めた上、罠の種類によって更に異なる魔法を使うのだ。


 この宝箱には、探索者の身体的な自由を奪う麻痺の罠が仕掛けられていたようだ。

 二重に罠が仕掛けられている可能性もあるという。

 だが、今回は大丈夫だと、ウッラは断言していた。


 罠解除後の宝箱開錠に関しても、魔法を使う。

 鍵の効果を弱めた上で、以前に入手した魔導ロックピックを使用するのである。


 やがて「かちゃり」と、今までとは異なる音が聞こえた。


「よし!」


 ウッラが小さく叫んだ。

 更に全員へ宝箱の開放を告げる。


「開けるぞ」


「お願いします」

「姉さん、お疲れ様」


 ウッラが宝箱の突起を押した。

 開放をする為のボタンであろう。


 パカンと乾いた音がし、宝箱は開いた。

 果たして中身は……一本の杖であった。


 ウッラは「じいっ」と『杖』をしばし凝視した上で、にっこり笑った。


「よし、呪われていない! そしてこれは、魔法杖マジックバトンだ。うむむ、何か強力な回復系の魔法が付呪エンチャントされている。魔力を使い切っても再び魔力を充填すれば繰り返し、使えるようだ。間違いなく高い値で売れるぞ!」


 宝箱から、魔法杖を取り出したウッラは、得意満面の顔付きで高々と掲げた。


 対してディーノ。

 クランリーダーして、ここはフォローしておくのが懸命である。


「おお、さすが、ウッラさん。視認のみで魔道具の鑑定も出来るんですね?」


「当たり前だ、ディーノ。このように私が苦労し発見したレアなお宝を鑑定し、金に換える。そうして、くそ生意気なわがまま妹を食わせてやっているのだぞ」


 いきなりの口撃に、パウラは呆れ顔だ。


「うわ! 優しく労をねぎらった妹に対し、何て言い草。それに私と姉さんは適材適所で協力しながら持ち味を生かして来たじゃない」


「うっさい、パウラ! 長幼の序だ! 妹は姉に従え!」


「はあ? もう、ウチの極道姉さんがとんでもない事言ってるよ、ディーノ君」


「どうどうどう、ウッラさん、さすがです。この調子でお願いします。パウラさん、俺はいろいろと分かっていますから」


「こら、ディーノ。何がパウラの事を分かっているだ! どっちつかずめ。お前は私の味方だろが!」


「はあ、俺はおふたりの味方ですから」


「やれやれ……大変ね、ディーノ君も」


 そんなこんなで……

 ディーノ達の初戦は無事に終了。

 レアなお宝もゲットしたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 30分後……

 ディーノ達一行は96階層への階段を目指し、歩いていた。

 ゲットした魔法杖はディーノの収納の腕輪に放り込んである。


「おい、ディーノ」


「はあ」


「はあ、じゃない。あいつずっと私達にくっついて来るじゃないか」


「迷宮の底で、寂しいボッチだったんですかね」


 ウッラとディーノの会話の通り、くっついて来ていた。

 そう、先ほどディーノが倒したフェンリルが、である。


 ディーノのパンチで結構なダメージを受けたフェンリルであったが……

 殺す事はないというディーノの意見にパウラが賛同。

 慈悲の回復魔法をかけてやったのである。


 魔法をかけてから15分ほどで目覚めるようにして、ディーノ達はその場を離れたのだが……

 目覚めたフェンリルは猛ダッシュし、追って来た。


 一瞬身構えた一行であったが、すぐに警戒を解いた。

 フェンリルはある程度まで近付いた後は襲いかかるとかでなく、一定の距離を保ちながら、ずっとついて来ているのである。


 敢えてディーノが討伐行動をしない、また戦友達が防衛行動に移らないのにははっきりした理由があった。


 ついて来るフェンリルから、全く殺気を感じないのである。

 威嚇とかも一切なく、とことこ着いて来るだけだ。


 しばらくして、さすがにウッラがれて来た。


「おい、ディーノ」


「はあ」


「もう限界だ。フェンリルの処遇をいい加減はっきりさせたい」


「何をっすか? 放っとけばいいじゃないすか。全然殺気がないし、俺は気にしないっす」

「うん、ディーノ君の言う通り、私も気にしないわ、姉さん」


 ディーノとパウラがまたも同調し、ウッラの怒りが頂点に達した。


「やだやだやだ! 私は気にする! ず~っとストーカーされて気持ち悪い! あいつが送り狼かどうか、私ははっきりさせたいんだぁ!」


「送り狼って……仕方ないっすね。じゃあちょっち行って来ます」


「おお、遂にあいつを倒してくれるのか?」


「倒しませんよ。あっちから攻撃して来たら反撃しますけど」


 ディーノはそう言うと、フェンリルが居る方へひとりで歩き出そうとした。


「待て! ひとりで行くんじゃない!」


 ウッラが引き留めるが、ディーノの歩みは止まらない。

 振り返らず、ウッラへ言葉を戻す。


「大丈夫っすよ、ウッラさん」


「バカ! 大丈夫じゃない!」


「じゃあ、折衷案せっちゅうあんっす。ゴレ吉を護衛役にして、フェンリルと意思疎通をしてみますね」


「ゴ、ゴレ吉が護衛役? フェンリルと意思疎通?」


 ウッラに背を向けたまま……

 ディーノは「搬出」と心で詠唱し、収納の腕輪から機能停止させた石製のゴレ吉を取り出した。

 続いて再起動させる為、『真理エメット』も唱える。


「ま!」


 ゴレ吉へ魔力が満ち、吠えた。

 「どんどん」と準備運動のようにその場で足踏みをした後、動き出した。


「という事で、行ってきま~す」


 まるで子供がどこかへ遊びに行くように、ディーノはフェンリルへ近付いて行ったのである。

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