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第314話「混沌のフロア①」

東導 号 書籍化作品

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 フォルミーカ迷宮地下95階層以降は、敵の出現パターンセオリーがない混沌カオスのフロア……

 出現する強敵と戦うのは勿論、このフロアからは、価値の高い中身が入った宝箱開放にも注力する。

 迷宮探索の醍醐味のひとつ、レアなお宝をゲットし、大いに稼ぐのだ。

 その為しばらく、ウッラを『シーフ役』に専念させる事となった。

 ディーノも含め、ウッラ以外のメンバーは警護、護衛に撤する。


 遠回しに自分が『主役』だと言われ……

 大層機嫌の良くなったウッラは、能力を最大限発揮していた。


「えっと……確かこの先に宝箱があるはずだが……」

「きゅう」


「おい、皆、敵だぞ! この気配は、魔獣フェンリル、単独の一体だ」

「きゅうっ!!」


 ウッラの索敵を火蜥蜴ファイがフォローするように鋭く哭いた。

 当然ディーノも接近する敵の気配を察知している。


 やがてウッラの言葉通り、ディーノ達との初戦に現れたのは魔獣フェンリルである。


 ここで、補足。

 フェンリルとは、狼に似た姿をした巨大な魔獣である。


 悪名高き北の邪神が巨人女子との間に為した子であり……

 神々に災いをもたらす存在だと予言され、世界の終末に最高神を呑み込んだと伝えられている。


 このフォルミーカ迷宮へ現れるフェンリルは、世界を呑み込むような巨躯ではない。


 現れた個体は、確かに大きくて堂々としている。

 だが体長は小型の竜くらい、10mほどにすぎない。

 またディーノが召喚したケルベロス、オルトロスと違いオリジナルではないと思われる。

 だから神をもしのぐ力を持つ事はないと、ディーノは判断していた。


 また、ディーノが学んだ知識によれば、オリジナルのフェンリルは魔法を使わない。

 とんでもない膂力りょりょくと耳まで裂ける巨大な口に生えた鋭い牙が武器である。


 ちなみにウッラ、パウラのリュリュ姉妹は、事前にフェンリルの存在をキャッチすると敢えて戦いを避けていた。

 北の魔物の一族フェンリルは、パウラの武器たる冷気に対し、強い耐性があり、不利だと想定していたからだ。


 それゆえ双子姉妹は、フェンリルの存在は認識していても、あまり戦った事はない。

 ディーノも当然初見である。

 

 だが、今後の事もある。

 敵のデータは多い方が良い。


「ウッラさん、とりあえず下がって。一撃離脱はペンディング。戦友達に戦わせるっす」


「何だ? もう方針変更か? 良いだろう。下がってやる」


 とりあえず、いつものセオリー通り……

 ディーノは、ファイに火炎弾を吐かせ、攪乱かくらんした後、一旦退かせ、ゴレ吉ネオ軍団のみを出撃させた。


 しかしディーノは、ゴレ吉ネオ1号に、敢えてフェンリルを攻撃せず単に押しとどめてみるよう指示を出した。


 理由は簡単だ。

 敢えて攻撃せず真っ向の力のみの勝負を挑ませる。

 ゴレ吉の波動を通じ、フェンリルの能力データを取得する為である。


 果たして……

 ゴレ吉ネオ1号は、フェンリルの勢いを止められず、力負け。

 あっさり押し返されてしまう。

  

 ディーノの心にゴレ吉の波動経由でフェンリルのパワー数値が感覚となり、伝わって来た。

 テストその1成功!

 

 迷宮のフェンリルは伝説の魔獣と謳われるオリジナルほどではないだろう。

 相当のパワーであるが、充分勝てる相手だ。

 さすがに楽勝とまではいかないが。

 

 テストその2。

 今度は自分のパワーがどこまで通用するか、試す!

 そう、素手で倒す!

 魔獣特有の俊敏な動きを見極めた上、牙による致命的な噛み砕き攻撃だけに気を付ければ良い。


「よし、俺が単独で行きます! 倒しますよ!」


 頷いたディーノは、迷宮の床を蹴った。

 神速でダッシュ。

 そして噛み付こうとするフェンリルの攻撃を軽々かわし、眉間に右拳でパンチを打ち込んだ。


 ゴーレムのように粉々にはならない。

 しかし重い音がし、フェンリルの眉間はわずかに陥没する。


 ディーノのパンチを受け、フェンリルは大きくふらついた。

 表面上は浅手だが、脳震とうを起こしたようだ。


 返す刀というわけではないが、すかさずディーノの左拳が唸る。

 今度はよろけ、隙だらけとなったフェンリルのあごをめがけ、すくい上げるようなアッパーカットだ。


「ほいっと!」

 

 ばぐう!

 ディーノの拳へ確かな手ごたえ。


 ぎゃう!


 意外にもフェンリルは可愛い悲鳴をあげ、ど~んと地響きを立て倒れてしまった。

 すかさず、ウッラが叫ぶ。


「よし、とどめだ! ディーノ!」


 しかしディーノは大きく息を吐き、攻撃態勢を解いた。

 整理体操のように肩を軽く回しほぐす。


「ど、どうした!? は、早くとどめを刺せ!」


「いや、ここまでっす」


「ここまでって!? ディーノ、お前何言ってる」


「いや、言葉通りっす。コイツはもう戦闘不能だし、しばらく寝たままっす。殺す事はないっすよ」


「おいおいおい! 何考えてるんだ、お前」


「議論している方が時間の無駄っす。それよりウッラさん、念の為、パウラさん及び戦友達と、俺がコイツを見張ってます。だから、安心してそこにある宝箱の罠を外し、開けちゃってください」


 ディーノの指し示した場所にこれまでとは全然違う黄金の宝箱が置いてある。

 しばらくすると中身が補充される謎めいたレアなお宝入りの宝箱だ。

 

 ウッラの記憶は正しかった。

 宝箱はあった。

 後は罠を外し、開錠&開放。

 中身のレアお宝をゲットするだけである。


 しかしウッラは難色を示す。


「はあ? そんなん無理だ。傍にでかいフェンリルが寝ているなんて、全然集中出来んわ」


「そうっすか。魔獣の傍らで罠を外すとか、シーフの良い実践訓練になると思ったすけど、仕方がないっす。じゃあこの宝箱は放棄、さっさと次行きましょ」


「はあ! 放棄!? せっかくのレアお宝なのに勿体ない! 放棄などするわけない! 倒したフェンリルにとどめを刺せば良い話だぞ」


「いや、だから殺す必要はないっす」


「ディーノ! お、お前は! さ、さっきから、な、何言ってるんだ!」


 フェンリルにとどめを刺さないディーノに苛立ち、責めるウッラであったが……

 ここでパウラが乱入する。


「うふふ、姉さんの負け~」


「何!? パ、パウラ! 何で私の負けなんだっ!」


「は~い、お答えしまぁす。姉さんはランクAの冒険者且つ凄腕のシーフ。プロ中のプロでしょ」


「そ、そうだ! 私はロドニア、いや世界でも屈指の凄腕シーフなのだ。当たり前の事を言うなっ!」


「うふふ、世界でも屈指の凄腕シーフともあろう御方が、びびっちゃダメでしょ? フェンリルを軽く素手でぶっ飛ばしたディーノ君が見張っているから安全なのにさ~」


「うう、くっそ~! やれば良いんだろ、やれば! 確かにディーノの言う通り、この状況なら気を抜かずに作業出来る! 良い訓練になる!」


 完全に開き直ったウッラは宝箱の前に座り込むと、しゅくしゅくと開放への作業を始めたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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