第312話「宝箱問答①」
東導 号 書籍化作品
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フォルミーカ迷宮94階層小ホール……
いつものように通路へゴレ吉ネオ軍団、戦友達を配置し……
ディーノ達一行は、95階層以降へ向けての打合せをしている。
誰もが、ひどく真剣な表情である。
先ほどレアなメタルゴーレムダイヤもゲットし、メタルゴーレム全種類を完全コンプリートした。
気分も盛り上がり、いつもなら冗談のひとつやふたつは出る。
それが全く出ない。
軽口を叩く者が皆無なのだ。
ディーノ達が今まで以上に真剣になるのも無理もない。
最強たるヴァンパイア、大悪魔メフィストフェレス、強力なふたりの王が巣食う最下層の100層が目前なのは勿論……
そこまでに至る4つの階層は気を抜いたらすぐに命を失うくらいハイリスクの場所なのだ。
迷宮上層では「そこそこ」見かけた冒険者達も、中層にさしかかる辺りでめっきり減り……
地下60階層を過ぎると、殆ど見かけなくなった。
そして……
さすがに、90階層以降の深層へ来る者は滅多に居ない。
ゆるぎない実力に裏打ちされた上級者でも、限られた実力者しか訪れる事が出来ないフロアなのである。
ウッラが勢い良く拳を振り上げる。
「おい! ここからは改めて気合を入れ直すぞ、ディーノ」
姉に続き、妹のパウラも「うんうん」と頷いている。
「ええ、混沌のフロアだから」
パウラから聞き慣れない言葉が出た。
ディーノは思わず聞き直した。
「え? 混沌のフロア?」
「ああ、そうだ」
「ええ、今までは階層ごとに出現する敵の種類がほぼ決まっていた。だけど95階層以降は敵出現のセオリーがないのよ」
「敵出現のセオリーがない……という事は、今まで敵の特徴、弱点を想定し、対策を立てて、作戦を立案していましたけど、それが出来なくなるって事ですね」
「ああ、そうだ。レベル上位の不死者が現れたかと思えば、巨大な竜、かと思えば、メタルゴーレム、超大型の人型魔物、同じく巨大魔獣など何でもござれ、それも皆、ボス級の強敵揃いだ」
「姉さんの言う通りよ、ディーノ君。私達姉妹は基本、危機回避。必ず勝てると思わなければ、戦いに身を投じない」
「了解っす。でも……おふたりが、95階層以降のフロアには命を懸けても来るというのは、もしかして、ゲット出来るお宝がずば抜けているからでしょうか?」
「当たりだ! さすがディーノは勘が鋭い。混沌のフロアの宝箱はどれも超が付くお宝、ハズレがない。加えて迷宮を探索し尽くした私の頭の中に宝箱の位置も完璧に入っている!」
「ええ、ディーノ君と姉さんの言う通り、ここから最下層のフロアまで、宝箱を見つけたら100%キープよ」
「成る程。中身はたっかいお宝ざっくざくなわけですね」
「うむ、混沌のフロアは私ウッラが最大限能力を発揮するエリアでもある。パウラは護衛役に撤するのだ」
「確かに、今回に関してだけは反論出来ない。このフロアから最下層に関しては、姉さんが敵をキャッチしたり、宝箱のわなを外し、開錠するのが殆どの作業だから」
最下層付近におけるウッラとパウラの戦法とポリシーがはっきりした。
よほど有利で勝つ事が見込める状況下以外、敢えて強敵とは戦わない。
宝箱の中身、超ㇾアイテムゲットに努め、稼ぐ。
それがフォルミーカ迷宮最下層付近における彼女達のやり方なのである。
「そうなんですか……」
ディーノは納得しながらも、はたと手を叩く。
「おっと、俺良い事を思い付きました」
「何だ? ディーノにグッドアイディアだと?」
「ディーノ君、ぜひ私達へ聞かせてくれない?」
「はい、喜んでぇ!」
ディーノの返事は砕けた調子であった。
一気に緊張が解け、場の雰囲気が和らぐ。
「おい、何だ、ディーノ、その返事は? どこかの居酒屋か!」
「姉さん、シャラップ。余計な事言わない。ディーノ君、説明プリーズ」
「了解です、簡単すよ。宝箱ごと、しれっと頂戴して、俺の収納の腕輪へほいっとイン。地上へ帰還後に、もしくは比較的安全な上層で取り出し、罠を外した上で、オープンするというのはどうでしょう?」
ディーノの提案は尤もである。
何も危険なエリアで宝箱を開ける必要はない。
お持ち帰りし、安全な場所で開ければ良いのだ。
しかし、ウッラとパウラの反応は?
「甘い! 砂糖のように甘いぞ、ディーノ」
「うふふ、確かに姉さんの言う通り、甘い考えね。フォルミーカ迷宮を全く知らない人のアイディアかも」
「え? この迷宮を全く知らない人のアイディア? 何故ですか? 宝箱が動かせないって事ですか?」
「その通り! 混沌のフロアにある宝箱の多くは床にがっつり固定されていて絶対に動かせないのだ」
「ええ、床にぴったり張り付いているわ。それも接着剤とかじゃなく、多分、魔法でしっかり処置されているのだと思う」
「う~ん。それでは確かに俺のアイディアは使えません。力づくで無理やりはがしたら、どうですか?」
「駄目だ、駄目だ、罠が発動したらどうなる?」
「ええ、罠を解除した上、ディーノ君の馬鹿力で無理やり宝箱を床からはがせたとしても、大事な中身が破損する可能性もあるわ」
「う~ん。駄目っすか」
「ああ、きっぱり却下だ! 大事な事だから、もう一度言うぞ、絶対に却下だ」
「何か、姉さん。日頃ディーノ君にいじられている恨みをここぞとばかりに晴らしているわね」
宝箱の話でモチベーションは大いに上がり、更にリラックスした。
ディーノ達は万全な状態で95階層に挑む事となったのである。
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