第304話「すげぇ面白いっす!」
☆1月18日に、スクウェア・エニックス様の刊行雑誌
月刊「Gファンタジー」2月号が発売されます!
東導 号 書籍化作品
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』コミカライズ版《藤本桜先生作画》最新話が掲載されております。
ぜひ読んでみてください。
Gファンタジーコミックス
☆最新刊第4巻1/27発売予定!
※予約受付中です。ぜひご購入を!
第1巻~3巻大好評発売中!
※第1巻、第3巻は『重版』
◎小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》
第1巻~7巻大好評発売中。
☆書籍小説版、コミカライズ版ともども、書店様、通販サイト様でぜひお取り寄せください。
何卒宜しくお願い致します。
「ええ、おふたりの情報と魔物攻略法が、この迷宮初体験の俺と戦友達にはありがたいです。凄く役に立っていますから」
ディーノからそう言われ、ウッラとパウラは一気に機嫌が良くなった。
下層の説明を始める。
「うむ、地下70階層から80階層は、ゴブリン、オークの上位種だ」
「確か、ディーノ君はゴブリン、オークの上位種と戦った経験があるのよね」
「はい、ゴブリンシャーマン、ゴブリンオフィサー、そしてオークカーネルとは戦いました」
「うむ、その3種の他にいくつかの上位種が、更に普通種も混在し、出現する」
「まあ、殆どが脳筋。武器も多少使う場合もあるけど、ゴブリンシャーマンの魔法に注意すれば、特に難敵ではないわね」
「成る程……ちなみにゴブリンシャーマンは魔法障壁を使いませんか?」
「いや、ゴブリンシャーマンがそこまでの高位魔法を使うなど見た事も聞いた事もない」
「ええ、少なくとも私達の経験にはないわ」
「う~ん」
「おい、ディーノ。どうかしたのか?」
「何か気になるの? ディーノ君は」
「ええ、俺が以前倒したゴブリンシャーマンは、強力な魔法障壁を使いました。ゴーレムや魂を斬る必殺剣を駆使して、何とか倒しましたけど」
「何だと!」
「それ、凄い強敵じゃない!」
「ええ、そいつは出会った上級悪魔の配下でした。多分その悪魔により相当ビルドアップされていたと思います」
「むむむ……」
「慎重に慎重を期した方が賢明。蛮勇は禁物ね」
「はい、パウラさんの言う通りです。基本方針を言いますので、宜しいですか? 基本的には俺の指示に従ってください」
「うむ、頼む。とりあえず聞こう」
「言って頂戴!」
「まず敵の情報の早期察知。そして詳しい情報の確認、早めの対策実施が必要です。索敵機能を強化します。具体的には俺も加わります。……ウッラさん、了解してください」
「うむむ……」
「姉さん! OKして!」
「分かった!」
「ありがとうございます! 感謝します。隊列も変更します。ゴレ吉、ファイ、ケル、俺、ウッラさん、ジャン、パウラさん、オル、そしてオルの後に、万全を期して、ゴレ吉2号を配置します」
「うむ、何と言うか万全の態勢だな」
「うふふ、頼もしいわね。私達姉妹ふたりで攻略していた時は、ヒットアンドアウェイもしくはアヴァートゥアクラァィシィスだったから」
ウッラとパウラは気持ちに余裕が出て来たようだ。
パウラが告げたヒットアンドアウェイとは、一撃離脱。
アヴァートゥアクラァィシィスとは危機回避という意味である。
つまり姉妹は俊敏且つ必殺の間合いで敵を倒し、無益な戦いは避け、
迷宮の下層へ進んで行ったのであろう。
今や魔人と化し、頑健さが売りのひとつとなったディーノだが……
双子姉妹の戦法はそもそもの基本であり、大いに参考となる。
今回の探索は特別である。
自分の限界を試し、計っていた。
普段のディーノなら、わざとゴーレムに殴られたりしないからだ。
「ウッラさん、パウラさん。念の為、これから出て来る強敵どもも教えて頂いて宜しいですか?」
「うむ! 上位種どもの領域を過ぎた地下階層80階は、半人半獣の人喰い巨人どもの領域だ」
「ええ、山羊や馬、牛などの頭を持った巨人フォモール族よ」
「半人半獣の人喰い巨人フォモール族ですか」
「ああ、しかし大丈夫。奴らも基本は脳筋。その上、パワーはもの凄いが動きが鈍い」
「ええ、私達姉妹のスピードなら、奴らにはほぼ捉えられない。そして得るモノはあまりない。だから今まではアヴァートゥアクラァィシィスだったわ」
「了解。脳筋どもとは散々戦いました。あまり益がなさそうならスルーしても良いっすね」
「ああ、そして90階層は、ディーノが熱望のメタルゴーレムどもが居る領域だ」
「ええ、鉄、銅、銀、金、ミスリル銀、そしてダイヤモンド。いろいろなメタルゴーレムが存在するわ」
パウラの言葉を聞き、思わずディーノはのけぞった。
銀以上のメタルゴーレムを倒せば、大儲けだ。
「うっわ! ダイヤモンド!? それ下手なお宝より凄いじゃないっすか!」
「と、思うのが素人の浅はかさ。まあ、ディーノは素人ではないがな」
「最初は私達もディーノ君と同じ事を考えた。まるごとは無理でも、欠片でも持ち帰れば一獲千金だとね。ダイヤモンドとか、相当なお宝になるわ」
「確かにダイヤなら相当でしょうね」
「だが、すっぱり諦めた」
「ええ、結局アヴァートゥアクラァィシィスになった」
双子姉妹が簡単に諦めた?
何故?
ディーノは理由が知りたかった。
「え? どうしてです?」
「理由は簡単だ。私達の攻撃が通じないのだ」
「ええ、まず普通の金属よりとんでもなく硬い。防御の魔法がかかっているらしく、下手をすれば神銀の剣が刃こぼれするから物理攻撃が不可能。そして魔法も効かない。奴らには私の水属性魔法が殆ど通じないのよ」
「成る程……でも、俺燃えて来ました。奴らへ挑みます。ゴーレム一体倒して大儲け、一獲千金……冒険者らしいじゃないっすか」
「おお、気合が入ってるな」
「まあ、ほぼ魔人のディーノ君なら不思議ではないわね」
「となれば、後はいよいよ最下層ですね」
「うむ、95階層以降こそアヴァートアクラァィシィスだ」
「ええ、危険だと思ったら、すぐに撤退していた。実のところ私達は最下層100階には一回しか足を踏み入れた事はないわ」
「ウッラさん、パウラさんでも最下層へ行ったのは一回だけっすか」
「うむ、残念ながらそうだ」
「ええ、命あっての物種。安全が全てに優先する。生きて帰る事が第一だもの」
「そうですか……フォルミーカ迷宮の最下層。そこにエメラルドタブレットを守るヴァンパイアの王が居る。そしてこのフォルミーカ迷宮の王……悪魔も居るというわけですね」
「そうだ!」
「ええ、多分そうよ」
「すげぇ面白いっす! 燃えますよっ!」
「え?」
「ディーノ君……」
不敵に笑うディーノを……
ウッラとパウラは驚いたように見つめていたのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆第4巻発売決定! 2021年1月27日発売予定! ※予約受付中! 何卒宜しくお願い致します。
第1巻、第3巻重版!
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
1月18日発売の月刊Gファンタジー2月号に『最新話』が掲載されます。
一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開!》
「【改訂版】辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」
も宜しくお願い致します。




