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第302話「またも駄目出し!」

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 引き続き、ディーノ達はフォルミーカ迷宮地下60階層を進んでいた。

 目指すは、地下70階層への魔導昇降機。

 以降は徒歩で、本階段を最下層まで降りる事となる。

 最下層には迷宮の王となったメフィストフェレスが待ち受けている。

 ディーノはそう確信していた。


 しかし最下層まではまだまだ遠い。

 行く手には数多の難関が待ち受けている。


 しかし……

 ディーノは生者、死者を問わず様々な人々と出会い、そのこころざしわざを受け継ぎ……

 厳しい冒険の旅を、生と死の狭間の中で懸命に生き抜いて来たのである。


 そしてひょんな事で知り合い、親しくなった美貌の腕利き双子姉妹ウッラとパウラ。

 彼女達を救う事で、ディーノは完全に覚醒し、メフィストフェレスにも勝つ事が出来る。

 地の精霊ヴィヴィはそう告げた。

 ディーノはヴィヴィの言葉を信じ、最下層を目指す事を決めたのである。


 アスプの群れが何回か出て倒した後……

 新たな敵の反応があった。


「おい、ディーノ! とうとう真打ち登場だっ! 10体出たぞっ!」

「がうん!」


 詳しい説明がなくとも分かる。

 ウッラとファイの元気な声が告げていた。

 遂にバジリスクが現れたのだ!


 バジリスクは、けして難敵ではない。

 今のディーノの実力ならば、確実に勝てるだろう。

 

 ただ……

 対バジリスク戦の内容を明言しなかったディーノが、どのような戦法を取るのか、彼以外の全員には、興味津々(きょうみしんしん)なのだ。


 果たして……


「ウッラさん、ファイ下がって」


 まずはアスプと同じ指示である。

 ディーノは先頭に立った。

 そして収納の腕輪に魔力を込め、言霊を唱える。

 ディーノは腕輪から『何か』を取り出すつもりだ。


「搬出!」


 そして……

 出したモノは巨大な人型であった……


「うお! そ、それは!」

「えええっ? ディーノ君が上層で倒したゴーレムじゃない! それをどうするつもり?」


 そう、ディーノが腕輪から取り出したのは……

 先ほど地下40階層で倒した岩石製の動かないゴーレムであった。

 

 魔法文字を削っただけで完全に破壊せず、ほぼ無傷の個体を、

 腕輪へこっそりと収納しておいたのである。


「おお! 確かにそのゴーレムなら石化など関係ないな!」

「ええ、姉さんの言う通り! 最初から石だから。それに毒も効かないわ。で、でも、破壊したのよね? どうやって動かすの?」


 ウッラとパウラの声を背に受け……

 二ッと笑い、ディーノは心の中で、アルドワン直伝の言霊を唱える。


『地界王アマイモンよ! 母なる大地を統括し、全ての鉱物と繁茂を支配する高貴なる界王よ! なんじわれまことことわりとする大いなる力を与えよ!』


 ここまで詠唱し、ディーノは上級魔法のあかしである決めの言霊で締める。


真理エメット!』


 瞬間!

 動かないはずのゴーレムが眩く発光した。

 ディーノの魔力で、再び額に真理の文字が刻まれたのである。


 そして、ウッラとパウラには想定外の事が起こった。

 けして言葉を発する事のないゴーレムが、雄叫びをあげたのだ。

 以前、楓村でブレーズの石像が発したように。


「まっ!!!!」


「うわ!」

「ゴ、ゴーレムがほ、吠えた?」


 人間ではない、力強く短い叫び声が!

 周囲に雄々しく轟いたのだ。

 そしてゴーレムは一歩、二歩と進み始めたのである。


「えええええっ!」

「そんな! ディーノ君が? まさかゴーレムまで!?」


 驚愕する双子姉妹の声が心地良い。

 ディーノはじっくり温めていたゴーレムの『名前』を呼ぶ。


「よし! 行けぃ! ゴレ吉!」


「まっ!」


「は?」

「ゴ、ゴレ吉?」 


 例によってディーノのネーミングセンスは壊滅的……

 背後で、双子姉妹と戦友達の周辺に冷え冷えとした空気が流れた。

 あの世でも魔法を授けたアルドワンが泣いている……かもしれない?


 だが、ゴーレムの起動に集中しているディーノは全く気付かず、

 『ゴレ吉』へ進軍を命じたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ウッラの言った通り、バジリスク10体が現れ……

 ディーノが可動させたゴレ吉へ襲いかかって来た。


 バジリスクどもは人間を即死させる猛毒を大量に吐き散らし……

 何者をも石化させる鋭い眼差しをガンガン放って来たが……


 岩石製且つ疑似生命体のゴレ吉には全く効果がなかった。


「まっ!!!」


 逆にゴレ吉は、「遊びは終わりだ」と言わんばかりに逆襲の鉄拳……

 否、岩拳を振るう。

 それも容赦なく、何発も何発も……


 ごしゃ!

 ぐしゃ!

 ごっ!

 どが!

 がん!


 持てる攻撃方法が全く通用せず……

 バジリスクどもはあっさりと全滅した。


 ゴレ吉が敵を全て倒したのを確かめると……

 ディーノは「くるり」と振り返り、得意そうに胸を張った。


「よっしゃ! どうです? ウッラさん、パウラさん、俺のゴレ吉は強いでしょう? 作戦は大成功です」


「……………」

「……………」


 しかし……

 ウッラとパウラは無言。

 反応がない。


 ディーノは構わず言葉を続ける。


「ちなみに! ゴレ吉は10号まであります。下層の戦いに向けてバッチリ役に立ちますよっ!」


「……………」

「……………」


「下層でメタルゴーレムをゲットしたら、ゴレ吉軍団は更に更に強化されますねっ!」


「……………」

「……………」


 やはりウッラとパウラは反応しない。


「あの~……何か感想を言ってくださいよ」


 困惑したディーノがお伺いを立てるが……


「駄目だ! ゴレ吉却下! ダサい! ディーノのネーミングセンスゼロ!」

「カッコ悪! さっきの料理同様、断固としてゴーレムの改名を求めます!」


「え~!!」


 というわけで……

 ゴーレムを呼び出した驚きよりも……

 またもベタなネーミングセンスが原因で、ディーノは思い切り駄目出しされたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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