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第295話「迷宮キャンプ」

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 地下50階層小ホール……


 ディーノ達一行は、ここでキャンプを張る。

 迷宮で冒険者が行うキャンプの意味とは……

 言葉通り、野営、露営、宿営という意味である。


 生と死の狭間に在る迷宮の探索は、体力と魔力を著しく消耗する。

 コンディションキープの為には疲労回復、魔力回復の為、自宅や宿屋等、リラックス出来る場所において体力と魔力の回復に努める事が必要である。


 いろいろな制約上、迷宮外へ出る事が叶わぬ場合がある。

 だが、コンディションキープだけはしなければならない。


 その為、冒険者は迷宮内で休息を取り、宿泊もする。

 宿泊の場合には生活リズムを崩さないよう、夜になったら身体を休める事が多いのである。


 さてさて!

 フォルミーカ迷宮内では、休息及び宿泊には、『小ホール』が良く使用される。

 先に滞在して居る者に優先権があるが、フォルミーカでは譲り合う事を推奨している。

 迷宮内の小ホールに当然、炊事設備等はない。

 それゆえ冒険者が自前で用意しなければならない。


 また安全面の注意も充分にしなければならない。

 敵襲に備えて交代の見張りも欠かせない。


 しかし、ディーノ達には頼もしい戦友達が居る。


 小ホールの出入り口は4つである。

 その4つに戦友全員が陣取り、自ら徹夜での見張りを宣言したのだ。


『ケルベロス、オルトロス、ジャン、ファイ、ありがとう! 助かるよ!』


 念話で礼を言い、戦友達をねぎらいつつ配置したディーノは……

 次にキャンプの支度をするべく、『搬出』と魔法の言霊ことだまを唱え、

 まずテントを取り出した。

 自分は毛布にごろ寝をするつもりだが、ウッラとパウラにはテントを使って貰おうと考えている。


 そして何と!

 大きめの円形テーブルに椅子3つも取り出して並べた。 


 更に飲み水がたっぷり入った樽をひとつ。

 様々な調理用具、そして多くの食材も取り出した。


「お、おい! ディーノ!」

「ディーノ君!」


「はい、なんすか? ウッラさん、パウラさん」


「なんすか、じゃない!」

「そうよ! 何? その腕輪」


「ははは、デザインが渋くてカッコいいでしょ? この収納の腕輪」


「バカモノ! 論点はそこではない!」

「ディーノ君の強さや迷宮の攻略に頭がいっぱいで、ついスルーしていたけど……その腕輪、凄すぎる魔道具だわ! どれだけモノが入るの?」


「えっと。元の持ち主からは町がひとつ入るくらいの容量だって聞きました。中は時間も経過しないから、なまものの保存もばっちりです」


「はあ!? ま、町が入るぅ!? な、な、何じゃそりゃぁ!」

「全てのモノが永久保存? 呆れたぁ! ちなみに……出所は、内緒よね?」


「はい、パウラさん。詳しくは言えませんが、ある人から譲って貰いました。勿論盗品ではありません……あ、おふたりとも、一応、この腕輪の正体は内密でお願いします」


「むうう……」

「そんな凄い魔道具を所持しているのなら、エメラルドタブレットを要らないって言うはずだわ」


 双子姉妹があぜんとしている間に……

 ディーノは手早く食事の支度を始めた。


「じゃあ行くっすよぉ! 料理のリクエストがないから、今回は俺のお任せで行かせて頂きまっす!」


 腕まくりをしたディーノ。

 狐亭の厨房同様、オベール家、英雄亭で鍛えに鍛えた、ディーノの技が冴えわたる。


 とんとんとんとん!

 じゃじゃじゃっ!

 じゅ~ううう!

 じゅわわわぁ!


「………………」

「………………」


 地下深き迷宮に包丁の音、食材を炒める音、揚げる音、焼く音が響き渡った。


 見事な手際で食材を巧みに調理するディーノを……

 ウッラとパウラは呆れたように見つめていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 15分ほどして……

 料理は完成した。

 少し大きめの平皿がふたつ、ウッラとパウラが座るテーブル席の前に並べられた。


「おいおいおい!」

「これは……狐亭で食べた料理と違う……」


 肉料理が少し大きめの皿にいろいろな手法の料理が少しずつ盛り付けられていた。

 ソーセージ各種、串焼き肉、揚げ肉、茹で肉、ミートパイが全て一緒に皿に載っている。

 肉の種類も鶏、豚がバランス良く使用されている。


 そして野菜料理も同様に多くの野菜が載せられていた。

 カブ、キャベツ、ニンジン、豆類などが、焼き、揚げ、茹で、サラダの4手法を使い、見栄え良く調理されていたのである。


「これは俺がヴァレンタイン王国王都の居酒屋ビストロで作っていた自信の料理です。結構な人気だったんですよ! 今回はお任せという事だったんで」


 ディーノはそう言うと、嬉しそうに胸を張った。


 ウッラとパウラの反応も上々である。


「むむむ……すっごく美味そうだ! 見た目が綺麗で香りも良い!」

「うん、姉さん! 迷宮の中なのにこの料理……まるでレストランみたいよ! ねぇ! それで、ディーノ君、この素敵な料理の名前は?」


「はい! 肉セットと野菜セットです」


「……………」

「……………」


 ディーノが自信たっぷりに言うと……

 双子姉妹は黙り込んだ。

 ぷるぷる身体を震わせている。


「あれ? どうしたんすか?」


 思わずディーノが聞けば、ウッラとパウラは思い切り笑いだす。 


「ははははははははは、だっさぁ~!」

「ぷぷぷっ、ディーノ君、貴方、ネーミングセンス、壊滅的よ!」


「え~! 何でですか? 分かり易くていいでしょ!」


 と、いじりいじられながら……

 ディーノ達は迷宮の底で、美味い料理を楽しんだのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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