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第291話「ディーノの目的」

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 フォルミーカ迷宮の地下40階層小ホール……

 この少し先に……

 地下50階層直行の魔導昇降機がある。


 ディーノとウッラ、パウラの双子姉妹は中央で車座に座っていつもの通り、打合せを兼ねた小休息をしていた。


 そしてディーノの戦友達は各所で見張りに立っていた。

 ケルベロスとオルトロスの魔獣兄弟、妖精猫の王、ファザーガットのジャン、そしてファイアドレイクが擬態した火蜥蜴のファイが鋭く視線を投げかけ、魔力索敵を行っていた。


「……………」

「……………」


 先ほどから、双子姉妹は無言である。

 10分以上、沈黙を続けていた。

 ひどく真剣な表情で考え込んでいる。

 何か、思うところがあるようだ。


 一方のディーノは、懐中型の小型魔導時計を取り出した。

 現在の時刻を確認する。


「おおっと、もう夕方の5時を過ぎてます。ウッラさん、パウラさん、きりのいい、地下50階層でキャンプを張りますか?」


 フォルミーカのような広大な迷宮では、探索及び踏破は1日では終わらない。

 最低1週間。

 またはそれ以上かけて行うのが通常である。

 もしくは、まめに地上へ戻り出直すのだが、時間はひどくかかってしまう。


「……………」

「……………」


 ウッラとパウラは黙り込んだまま、反応しない。

 話題を変えて方が良いかもしれない。


 ディーノは考えた末、衣食住の『食』で攻める事にした。


「そうだ! めし、何にしましょうか? 俺が作りますよ」


「……………」

「……………」


「何か、食べたいものがあったら、言ってください。肉、野菜、調味料等々、街で一式たっぷり買い込んで、収納の腕輪に入ってます……おふたりの好物は何ですか?」


「……………」

「……………」


「あ、飲み水も大型樽入りのが10個以上ありますから、遠慮なく飲んで下さいね。残念ながらお酒はないですけど」


「……………」

「……………」


 ディーノが一生懸命話題を振っても、ウッラとパウラはず~っと、むっつりしていた。

 大袈裟に肩をすくめて、ディーノは肝心な事を聞いてみた。


「それと、恒例というかお約束の質問ですが、地下50階層の強敵は何ですか?」


 ここでようやくウッラとパウラは口を開いた。

 しかし、ディーノの問いには答えない。

 ふたりとも、相変わらず真剣な顔付きである。


「そんな話は後だ! おい! ディーノ、お前の目的が分かったぞ」

「ええ、完全にね」


「俺の目的?」


「そうだ! はたから見ていれば、お前の行動は正気の沙汰ではない!」

「ええ、完全に常識外れね、凄く規格外よ!」


 双子姉妹の厳しい指摘。

 対して、ディーノは首を傾げる。


「う~ん、そうっすか?」


「そうっすかじゃない! 悩むな! バカモノ!」

「そうよ、そうよ! ゴーレムを素手で倒したと思ったら、今度は逆に一方的に殴られるなんて!」


「ええ、ちょっち思うところがあって、ですね」


「はあ? 何がちょっちだ!」

「ちょっちで、ゴーレムに思い切り殴られるなんてないわ。それにぶっ飛ばされてもゾンビみたいに、むくって起き上がり、全然けろっとしているんだもの」


 ウッラとパウラの言う通りであった。

 拳でゴーレムを粉砕した後……

 ディーノは新たに現れたゴーレム3体に無抵抗で一方的に殴られたのだ。


 しかし……

 殴り飛ばされ、迷宮の床に転がったディーノは、何事もなかったかのように、笑顔で起き上がったのである。


「ウッラさん、パウラさん。ほら、痛みを知る者は相手に優しくなれるって言いませんか?」


「ふざけるな、バカモノ! 全然違うたとえだろ! 魔物どもに、いいようにボコボコ殴られても笑顔で起き上がる奴など、絶対におらん!」


 ウッラは、きっぱりと言い切った。

 しかしパウラは手を挙げ、姉を制止する。


「姉さん、待って! ディーノ君の今の言葉の意味も分かったわ」


 勘の鋭いパウラは、「ピン!」と来たらしい。

 

 対して、ディーノは変わらず笑顔である。


「うわ、パウラさん鋭い。見抜かれましたか」


「パウラ、言え! 私にも教えろ!」

「ええ、姉さん。ディーノ君は自分の身体の耐久性がどこまでなのか、目安を試したのよ。そのテストにゴーレムのパンチはうってつけだったってわけ」


「ぴんぽん! さすが、パウラさん、当たりです!」


「ぬぬぬ、ではもうひとつ分かった事は、私から言おう」

「お願い、姉さん」


「ぜひお願いします、ウッラさん」


「うむ! ディーノ、お前はこれまでに習得した技、経験した戦法を試そうとしている。地下深い迷宮の強き魔物なら、ひと目を気にせず、遠慮なく能力を解放出来る! 結果を見れば、物差しにもなる!」

「ええ、姉さんの言う通りよ。ディーノ君の能力はおおっぴらにすれば、仰天するものばかりだもの」


「ええ、おふたりの言う通りです。そんなところですよ」


 ディーノはそう言うと、優しく笑った。


「そんなところって、お前!」

「ディーノ君!」


 身を乗り出し迫るウッラとパウラ……


 ディーノの雰囲気が、ここで一変した。

 ひどく真剣な表情となる。


「このフォルミーカ迷宮へ潜ったのは……俺の目標……己の限界を見極め、更に突破する為です。おふたりに付き合わせてしまって……申しわけありません」


 ディーノはそう言うと、深く頭を下げたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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