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第267話「冒険者ギルド フォルミーカ支部①」

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 翌朝……

 ディーノと、ウッラ、パウラの双子姉妹の姿は、冒険者ギルドのフォルミーカ支部に在った。

 ちなみにジャンは「かったるい」と言い、留守番であった。


 さてさて!

 デザインは若干違えど、冒険者ギルドの1階はほぼ同じ仕様である。

 業務カウンターに居並ぶギルド職員、依頼の書面を大量にピン止めした大型掲示板、そして受け付けカウンター等である。


 この支部で顔を知られているウッラとパウラが足を踏み入れた瞬間。

 数多の視線が双子姉妹へ注がれた。

 そしてふたりと一緒に居るディーノにも不可解だという視線が無遠慮に向けられる。


 ウッラとパウラが男嫌いだというカイサの言葉が甦り、ディーノは苦笑する。

 『理想の男子に巡り会えないだけ!』というウッラの反論に既視感デジャヴュを覚える。

 確か……

 エレオノーラ、ステファニーも似たような事を言っていた。


 ……ふたりは今頃、どうしているのだろうか。

 ヴィヴィから貰った交信可能な魔道具はある。

 だが、出発してから、お互いに連絡を取り合っていない。


 便りのないのは元気な証拠。


 そう思いながら、ディーノは迷いなく受け付けカウンターへ向かった。

 フォルミーカ支部のギルドマスターとの面会手続きをする為である。


 冒険者に特別な資格は不要だ。

 誰でも就く事が可能な職業である。


 しかし多くの社会に格差があるように冒険者にも格差が存在する。

 それを本人に突きつけ、周囲に示すのがランクである。


 そう、冒険者も所詮は実力の社会。

 いかなる理屈も実践し、しかるべき成果を出さなければ机上の空論だ。

 この成果を出し、ギルドに認められ、ランクB以上となった者がランカーと呼ばれる上級冒険者なのである。


 ディーノ、ウッラ、パウラはランクA。

 数多居る冒険者の中でも抜きん出ており、一目どころか、二目三目、それ以上置かれる存在なのは間違いない。


 細かい説明は不要。

 そう考えたディーノは、ギルドマスター面会の希望を告げる。

 ノーアポの無礼を詫びた上、ランクAの登録証を提示した。


 すると受け付け担当の職員の表情が著しく変わった。

 ベタな愛想笑いが生まれる。


 しばらく待機するよう言われたので、ディーノはひと言断り、

 ウッラ、パウラを誘って掲示板前へ赴く。


 雑用から高難度な依頼までランク別に掲示されているのは、どこの支部でも変わらない。

 但し、支部によって依頼に特色は出る。

 ここフォルミーカ支部では、武器防具となる迷宮魔物の部位採取依頼が多く見られた。

 そうこうしているうちに、ディーノは名前を呼ばれた。

 受け付けカウンターへ戻る。


 職員は笑顔で、マスターが面会を了承したと返して来た。

 サブマスターが迎えに来ると言う。


 やがて現れたサブマスターは30歳を少し過ぎたくらいなイケメンの男だった。

 ディーノを見て驚き、更にウッラとパウラを見てもっと驚いた。


「おお、ウッラさん、パウラさん、何故このような少年と?」


 サブマスターのコメントで判明した。

 『このような少年』と呼んだディーノを単なる若輩者として見ている事。

 男子嫌い?の双子姉妹が、自分と一緒に居る事が不可解なのである。


 ……失礼な奴だと思った。

 ステファニーに仕えて来たディーノは、このような対応に慣れていた。

 しかし、ラディムの忠告も甦る。


 迷宮都市フォルミーカ……

 力なき正義は悪という街。


 遠慮したり、臆していると付け込まれる。

 イエスノーをはっきりしないと、ケツの毛までむしり取られる……と。


 答えは出た。

 最初が肝心。

 けして舐められてはいけない。


 ウッラとパウラの方を向くサブマスターへ話しかける。


「サブマスターさん、彼女達への質問は後にして、俺をさっさと案内して貰えますか?」


 丁寧な物言いのようでいて、「さっさと」という言葉にディーノの抗議が込められていた。


「な、何?」


「あと、念の為。俺は『このような少年』じゃありません。受付でちゃんと名乗りました。ランクAのディーノ・ジェラルディです。以後お見知りおきを」


 ディーノはそう言うと、殺気を込めた冷たい目でサブマスターを見つめた。


「う、く!」


 地の精霊ヴィヴィが「魔人だ」と言い切ったように、ディーノの気合は既に人間の域を超えている。


 周囲に冷たい空気が張り詰める。


 これは!

 高貴なる4界王のひとり、空気界王オリエンスの氷の刃のような微笑み。

 底知れぬ殺気に近い気配である。

 風の使徒でもあるディーノの『本性』が出たといえるのかもしれない。


「さあ……案内を願いましょうか?」


 ずいっと前に出たディーノの迫力に対し、サブマスターは臆し、後ずさる。


「ううわ!」


 背後に居たウッラとパウラも本気を出したディーノに気圧されたようになっていた。

 しかし、妹のパウラがハッと我に返り、ディーノに駆け寄った。


「デ、ディーノ君」


 呼ばれたディーノは振り返ってにっこり笑う。


「はい、何でしょう、パウラさん」


「そ、そ、そのへんで!」


「許してあげて!」という言葉が続くのであろう。


「はい、了解です」


 ディーノはOKし、殺気を引っ込めた。

 張り詰めていた空気が和らいでいく。


 ディーノは再び、サブマスターへ向き直る。

 サブマスターは、まだまだ怯えていた。


「じゃあ改めて、……案内をお願いします」


「は、はああっ……」


 先ほどまでの冷たさが完全に取れ、柔らかな笑顔となったディーノを見て……

 サブマスターは安堵し、大きく息を吐いていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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