第240話「ステファニーとエレオノーラ①」
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ここはロドニア王国王都ロフスキのガイダル邸エレオノーラの私室である。
シグネを同席させ、ディーノと話していたエレオノーラであったが……
何と!
いきなりヴィヴィとステファニーが一緒に現れた。
ヴィヴィは笑顔で、自分とステファニーを紹介をする。
「はじめまして、エレオノーラちゃん、シグネちゃん、ヴィヴィでっす。こちらはステファニーちゃんよ」
「……初めまして、エレオノーラ様、シグネ様。ヴァレンタイン王国クロード・オベール辺境伯の一子ステファニー・オベールと申します。ディーノ・ジェラルディの旧主です」
部屋に満ちたヴィヴィの巨大な魔力。
そして一瞬の沈黙。
しかし、その沈黙はすぐに破られた。
「わあああああああっ!」
「うわああああああっ!」
突如現れた不可思議且つ可憐な少女、
野性味あふれた、自分と同じくらいの年齢と思われる美しい少女……
ふたりは名乗った。
しかし、混乱したエレオノーラとシグネが、
落ち着いて受け止められるわけがない。
一体、このふたりは誰!? そもそもどうやって入って来た!!
驚愕し、絶叫するエレオノーラとシグネ。
ヴィヴィはにやっと笑い、「ぱちん」と指を鳴らした。
「沈黙!」
エレオノーラとシグネから言葉が、声が失われた。
「ぱくぱく」と虚しく口を動かすのみだ。
「ど、ど、どうしました? エレオノーラお嬢様!」
と、ここで扉の向こうから、侍女頭が声をかけて来た。
エレオノーラ達の絶叫を聞き、驚いてすっ飛んで来たらしい。
「いや、問題ない。少し気合を入れたくて、大声を出しただけだ」
「そ、そうですか? だ、大丈夫ですか?」
「ああ、全く大丈夫だ。しばらく放っておいてくれ。他の使用人にもそう伝えてくれないか」
「わ、分かりました、お嬢様」
「うむ! 宜しい」
何と、応えたのはヴィヴィであった。
エレオノーラそっくりの声色を擬態、落ち着いた声で、
「しれっ」と言葉を返したのである。
そして笑顔のまま、再び「ぱちん」と指を鳴らす。
「防音! これで会話は外に漏れない! よっし、沈黙解除!」
またも指が鳴らされ、ようやくエレオノーラとシグネの口に声と言葉が戻って来た。
強張っていた身体も柔らかくなった。
ふたりは立ち上がり、走り寄って、ヴィヴィとステファニーへ迫った。
「お、お、お前達はぁ! だ、だ、だ、誰だぁ~~っ!!」
「ななな、何者でっすかぁ~~!!」
しかし、ヴィヴィは全く動じない。
ステファニーも、無言で微笑んでいる。
「うふふ、その様子だと、簡単な自己紹介だけじゃ無理ね。ほいダーリン、補足説明してくれるぅ」
ディーノはいきなりヴィヴィ達が出現したショックは既に抜けていた。
先ほど聞いたエレオノーラの決意に既視感を覚えていた。
そしてヴィヴィがステファニーを連れ、現れたという事は……
考えていて、答えが出た。
なので落ち着きを取り戻している。
「はあ……ヴィヴィ様、了解です」
ディーノは頷き、エレオノーラとシグネとシグネへ向き直る。
「エレオノーラ、シグネさん。ふたりとも、落ち着いて聞いてください。深呼吸でもして」
「ぬうう~」
「ふうう~」
深呼吸をし、エレオノーラとシグネが落ち着くのを待ち、
ディーノはまずヴィヴィを紹介する。
「この方は、ヴィヴィ様です」
「ヴィヴィ?」
「ヴィヴィ様?」
「ええ、ヴィヴィ様は人間ではなく精霊です。転移魔法でこの部屋へ来たのです」
「せ、精霊ぇ!?」
「て、て、転移!? 魔法!?」
「はい、ヴィヴィ様は高貴なる地界王アマイモン様のご息女です。つまり地の最上級精霊なのです」
「ち、地の!?」
「さ、最上級!?」
ディーノがきちんと『最上級』と告げた事で、
ヴィヴィは満足そうに「うんうん」と笑顔で頷いていた。
苦笑したディーノは次にステファニーを紹介する。
「はい、そしてもうひとりは人間族で、以前俺が仕えていたヴァレンタイン王国貴族オベール家のご令嬢でステファニー様です」
昔の癖が出た。
ディーノは、ついステファニーへ尊称を付け、呼んでしまった。
当然、ステファニーからは教育的指導が発せられる。
「こら、ディーノ、様は不要よ」
「はい、ステファニー」
「じゃ、じゃあ! 貴女が! ディーノが以前仕えていたヴァレンタイン貴族家の!」
「はい、先ほどからディーノの旧主だと申し上げております。貴女がご存じかどうか、知りませんが、私ステファニーは12歳で初めて出会った時からディーノが好きでした」
「な、何! 貴女は出会った時から、ディーノが!?」
「はい!」
12歳で初めて出会った時からディーノが好き。
……いきなりのカミングアウト。
それも、ひとめぼれとは、何というロマンティックなお話。
しかし出会った時、貴族令嬢のステファニーは
平民のディーノを完全に無視していたはず。
これはフェイクニュースでは?
「いや、ステファニー。それは、違うんじゃ……あの時は、視線も合わさず、完全に無視していたと思うけど」
ディーノがストップをかけようとしたが……
無駄だった。
「シャラップ! 私はディーノとの出会いに運命を感じました。そして、彼とお互いに心身を鍛えました。ディーノの基礎を作ったのは私です」
「な!? ディーノの基礎を作ったのが?」
「はい、ディーノを一人前の男子にしたのは、私ステファニーだと断言します! そして見込んだ通り、ディーノは覚醒し、今や素晴らしい存在となりました。私は将来ディーノと結婚する為、私自身が女性辺境伯としてオベール家当主を継ぐべく、日々、修業中なのです」
「うぬぬぬぬ……わ、私だって! は、初めて出会った時に! う、運命を感じたのだぞっ!」
自分と同じくディーノとの結婚を希望する異国の貴族令嬢。
しかも女性当主を目指すのも全く同じ。
いきなり強力なライバルが現れ、立て板に水の通告。
完全にステファニーのペースである。
防戦一方のエレオノーラに対し、ヴィヴィの高笑いが響く。
「あはははははは! エレオノーラちゃん、分かったぁ? ステファニーちゃんと貴女は全く同じ立ち位置なの。ライバルとして燃えるでしょ?」
「う~……同じ立ち位置! 彼女が! わ、私のラ、ライバルだとぉ!!」
「ですね! エレオノーラ様とディーノの出会いから今迄の経緯は、ヴィヴィ様から全てお聞きし、存じ上げております。貴女とは、今後とも良きライバルとして、切磋琢磨して行きたいと考えております。どうぞお手柔らかにお願い致します」
「う~!」
「ばちばち」とぶつかり合う、ステファニーとエレオノーラの視線。
苦笑するシグネ。
ため息をつくディーノ。
ただひとりご機嫌なヴィヴィは、
「もう最高!」という満面の笑みを浮かべ、Vサインをしていたのである。
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