表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

222/337

第222話「最後に勝てばOK!」

スクウェア・エニックスの月刊雑誌Gファンタジー10月号が大好評発売中です!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版、最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください!


⛤特報! 

『重版』決定!!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版コミックス第3巻

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》


皆様のご愛読と応援により

『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

既刊第1巻~2巻も大好評発売中!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※宜しければ原作の小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

こちらも大好評発売中の第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

「もう! ズルイじゃないか、父上! 最後に出張でばって、美味しい部分だけ持ってくなんて!」

「そうです! 完全にいいとこどりでっすよ、ガイダルパパぁ!」


 猛獣女子?と小悪魔女子が逞しき戦士へ、ずいっと迫る。

 対して、戦士は……防戦一方である。


「スマン、スマン、ホントにスマン」


 一体、何が起こっているのかといえば……

 

 ディーノとグレーヴがグスタフ宅へ来てから、きっちり1時間後……

 グレーヴの指示通り、戦友達のケアを終えた、

 エレオノーラ、シグネ、女子ふたりもやって来た。


 ふたりはノックに応え、扉を開けたグスタフの表情を見た途端、

 大いにびっくりしてしまった。

 グスタフは快晴の空のように、明るく笑っていたからだ。


 驚いたまま部屋へ入った女子ふたりへ、


「実は……」


 と、グスタフから改めて、『懺悔に近い告白』という語りで、

 全ての顛末が話された。

 ところどころを、グレーヴが補足する形で……


 確かにとても良い話だ。

 素直に喜びたい。

 

 グスタフの話を聞き、エレオノーラとシグネはそう受け止める。

 反面、残念な気持ちでいっぱいにもなる。

 何故ならば、グスタフの人生の転機ともいえる『名シーン』に立ち会えなかったからだ。


 その上、


「俺が領主のエーギルに言っとく」


 「しれっ」と、グレーヴが最終クロージングしたとも伝えられた。

 

 これで、

 残念感に満ちあふれていただけではなく、

 女子ふたりの怒りに火が「ぼおおっ」と点いた。


 いや、点火したという生易しいものではない。

 激しく燃え上がったのである。


 だってだって!

 散々苦労して、居丈高だったグスタフを説得したのに!


 戦場へ無理やり引っ張り出したのに!

 その上、一生懸命戦ったのに!!


 悔しい!

 悔しいっ!!


 女子ふたりの怒りは収まらない。

 それで冒頭の抗議となったのである。


 まだディーノは許せる。

 というか最大の功労者だ。


 しょっぱな単身でゴブリンと戦った上……

 最後も巣穴の掃討で、見事に依頼を完結させたのだから。


 だが……

 最後の最後に出た、グレーヴの大人の対応は『漁夫の利』感が否めなかった。

 まあ立場上、仕方がないのではあるが……


 と、言う事で、女子ふたりの抗議は、

 グレーヴのみに対し、熱く執拗に続いた。


 だがグレーヴは百戦錬磨。

 けして逆切れしたりはしない。

 怒った女子への対応も慣れていた。


 イケメンで強く、器が大きい。

 その上、とても優しい。

 若い頃のグレーヴは、否! 現在も、女子には相当モテるに違いない。

 まあ、実際のグレーヴは亡き妻ひと筋の一途な男ではあるのだが……


「本当にスマン! だがこうなる可能性を、俺は心配していたからな」


「こうなる可能性? 心配していた?」


 一体、この父は何を言っているのだろうか?


 怪訝そうな表情で、尋ねるエレオノーラ。

 対して、グレーヴはにっこり笑う。


「おう! もしもこうやってグスタフが、お前等にガンガン糾弾されたら」


「私とシグネに糾弾されたら?」


「ずうずうしい俺と違ってよ、コイツはこう見えて結構デリケート。青菜に塩の如く、萎えちまう。更生するってせっかくの決意が鈍るんじゃねぇのか」


 おっと!

 的を射た、グレーヴの指摘。

 まさに深謀遠慮である。


 やはりエレオノーラは、尊敬する父には敵わない。


「う、そ、それは」


「男抜きの女子会じょしかいって、同性同士で話しやすいだろ? 良くお前達がやるじゃねぇか。それの男子版だ、男子版! 男のみの話合いだ! がはははははっ!」


 思わずエレオノーラが口ごもる。

 豪快に笑う父の言葉にも一理あるからだ。


 と、ここでグレーヴに同意したのが『盟友』であったはずのシグネである。


「あはは、確かにそうかも! さっすがガイダルパパ」


 背後から撃たれるような激しい衝撃。

 火に油を注ぐが如く、怒りでエレオノーラの美しい眉が吊り上がる。


「ああっ、シグネ! 貴様、裏切ったなぁ!」


 だが、シグネは全く動じない。

 しれっと言い訳する。


「だってだって、ガイダルパパの深謀遠慮、さすがって思ったんだも~ん!」


 ここで、いさかいの張本人? グスタフが深く頭を下げ、

 エレオノーラと、シグネを執り成す。


「申しわけありません。おふたりにもご迷惑をおかけしました」


「おお、村長、潔いな」

「あは、自分が悪かったらぁ、ちゃんと謝る事が出来る男子はカッコい~。まあ、ディーノちゃんとガイダルパパには負けるけどぉ!」


「ええ、俺も公爵様やディーノさんを目指して、頑張ります」


 機嫌の直ったエレオノーラとシグネを見て、笑顔となったグスタフ。

 彼は何かを思いついたらしい。

 ポンと手を叩く。


「そうだ! 明日の晩は、村をあげて祝勝の宴を催しましょう! ぜひ主役のあなた方には参加して頂きたいです」


 グスタフはグレーヴではなく、エレオノーラとシグネへ告げた。

 ここが肝心である。

 つまり、女子ふたりに対して、クラン全員参加の可否を求めたのである。


「うむ、私達は参加してやっても良い! 当然、父上もディーノも参加させる!」

「はいはい~、全員参加オッケ~で~す!」


 最後に勝利した!!

 

 遂に「仕切る」事が叶い……

 女子ふたりは、満足そうに笑顔で頷いたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!!

※第1巻に続き、第3巻も『重版』致しました!

書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

既刊第1巻~2巻も大好評発売中!


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆『9月18日発売』の月刊Gファンタジー10月号に最新話が掲載されました。

一見超ドライでも、本当は優しい主人公の魔法使いルウ、

可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《完結!》

「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」

「元ジャンク屋追放勇者のんびり辺境開拓記。怖い魔族と仲良くなって、いつのまにか賢者魔王と呼ばれてた?」

も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ