第217話「ディーノ荒ぶる!」
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ディーノは駆ける!
弾むように大地を駆ける!!
駆ける速度はぐんぐん増して行く。
まるで楓村の再現である。
と、その時。
ゴブリンどもの咆哮が響き渡った。
あぎゃあああああああああああ!
ぎゃひゃああああああああああ!
戦友達に追われ、
やや怯えたような咆哮である。
どうやら……
戦友達は勢子役を上手くやってくれたようだ。
ディーノが進む先に「わらわらわら」とゴブリンの群れが現れた。
細かく数えてはいられない。
だがざっと見て、40、いや50は居るだろう。
ふっ!
楽勝!
軽く息を吐いた、ディーノは剣を抜き放った。
速射砲の如く風の魔法剣を連射する。
どしゅ!
どしゅ!
どしゅ!
どしゅ!
向かって来るゴブリンの群れは、硬い風の塊でバタバタとなぎ倒された。
更にディーノは駆けながら、風の魔法剣を連射。
倒れ伏すゴブリンどもの中へ突っ込んだ。
がああああああああああああああ~~っ!!
ケルベロス顔負け!
荒ぶる野獣の如く咆哮したディーノは猛然と剣を振るい、
ゴブリンどもを殺戮して行く。
高貴なる地界王の愛娘、精霊ヴィヴィの奥義により、ビルドアップされたディーノの剣。
地の至宝オリハルコンの剣と融合したその破壊力は凄まじく、
刀身がほんの少し触れるだけで、柔いゴブリンの身体は単なる肉片と化して行く。
戦うディーノの速度が更に著しく上がった。
姿が「ぶれた」ように揺れ、掻き消える。
……ようにエレオノーラ達には見えただろう。
剣だけではない。
こちらもヴィヴィ直伝!
魔法剣士たる究極の戦法。
それもほんの一部。
ディーノは至近距離で鋭く、拳、蹴りを繰り出し、
ゴブリンどもの肉体を打ち砕いて行く。
そして更に、風の魔法剣も至近距離から連発し、
ゴブリンどもを粉々に破砕した。
そう!
ディーノはヴィヴィの教授通り、魔法剣と格闘術を織り交ぜ、
変幻自在に戦い続ける。
但し、まだまだ余裕。
ディーノは切り札を全く使っていなかった。
ゼロ迫撃どころか、転移魔法、飛翔魔法さえも。
また体力、魔力とも全く減ってはいない。
ふと、ディーノが見やれば、ゴブリンの群れは僅か残り数体となっていた。
多分、次の群れもすぐ来る!
とりあえず仕上げだ。
どしゅ!
どしゅ!
どしゅ!
どしゅ!
最後は再び風の魔法剣連射!
こうしてゴブリンの群れ第一陣は、殲滅されたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そんなディーノの戦いぶりを……
遥か後方で、エレオノーラ達4人は声が出ず、無言となって見つめていた。
全員驚愕と感嘆、そして畏れの感情が吹き上がっている。
やがて、何とか声を発したのが、グレーヴである。
「な、な、なんちゅう奴だ!」
「ち、ち、父上!」
「見ろ、エレオノーラ! あの身体能力、剣さばき、魔法、全てが凄すぎる! ウチでやった訓練や模擬試合なんかとは全く違うぜ!」
「う、うううう……父上」
「おいおい! 勇者なんてもんじゃないぞ、ありゃ怒れる鬼神だ!! それも全然本気出してねぇ!!」
父の大声を聞き、心身の縛めを解かれたかのように、エレオノーラも絶叫する。
「何だぁ! 何なんだぁ~~!! わ、わ、私との試合などっ! ほ、ほんのお遊び程度だったのかぁ~~!!」
「わぁおっ!! さ、さ、さいっこうぉ~!! やっぱディーノちゃん!! すっご~いいっ!!」
シグネも興奮で、震えが止まらない。
拳を握りしめ、目をギラギラさせ、ディーノの戦いぶりを見守っている。
彼女は今まで、父から散々見合いを強いられ、貴族の俺様男子に幻滅していた。
しかし普段はひょひょうとして誰にでも優しいのに、
一転、戦う時は容赦なく肉食獣のように荒ぶる。
こんなにギャップのある魅力的な男子は見た事がなかったのだ。
「おうわ……おおおおおおお……」
グスタフなど、感極まってまともな声すら出せない。
メンバーの盾となり、剣となり……
たったひとりで戦い続けるディーノを見て、胸がいっぱいになっていた。
一方、「ぶん!」と剣を振り、刀身に残った血のりを払ったディーノ。
念話で戦友達へ呼びかける。
先ほどの荒ぶる咆哮とは全く違う。
凄まじい戦いの後なのに、声は落着き淡々としている。
心に秘めた気合だけ高値安定と言って良いかもしれない。
『皆、ノープロブレム! こっちは来た奴全てを片付けた。残りはあとどれくらいだ?』
『おう、あともうちょっとだ。50少しってとこだな』と、ケルベロス。
『こっちも3人で100ばかし片付けた』と、オルトロス。
『ふん! 楓村同様、申告よりも数が多いぜ。巣穴にはまだ300ほど残ってるにゃ!』と、ジャン。
作戦は今のところ順調。
けして油断はしないが、さえぎるものはない。
ディーノは頷くと、てきぱきと指示を出す。
『よし! 状況は把握出来た。俺は一旦後退し、待機組4人と合流。全員でゴブリンと戦う。5分後に、残りのうち、20ほど追い立ててくれ。残りの30は殲滅して構わない。その後はお前達と合流し、ジャンが突き止めた巣穴へゴー、ジエンドだ!』
対して打てば響けと戦友達も応える。
『了解! 5分経った20追ってやる! さっさと片付けよう!』
『兄貴と猫、3人で各10体ずつ遊んで良いって事だな、ディーノ!』
『お前と同じで、俺様はまだまだ余裕! 今回は巣穴にゴブリンシャーマンは居ない! 裏で糸退く悪魔も居ないにゃ!』
『よっし! 3人とも頼むぞ!』
ディーノは念話を発したと同時に、飛翔魔法で飛び、後退した。
だが一気に数十m空を飛ぶと、更に驚かれてしまう。
なので、地面からあまり離れず、小刻みに5mずつ小ジャンプし、
跳んだように見せて行く。
それでもあっという間にエレオノーラ達の下へ戻る事が出来た。
「お、おい、ディーノ! すげぇぞ、お前!」
「ディーノ!」
「ディーノ!」
「ディーノさん!」
グレーヴを始めとして、感嘆の声をかけて来る4人。
対して、手を挙げ制し、ディーノは言う。
「話は後で。奴らの残りはわずかです。戦友が追い立て20来ますから、15は俺が殺ります。5は公爵とエレオノーラに任せます。シグネさんはグスタフさんを守ってください」
「よっしゃ、ディーノ。5と言わず10でも全部でも任せろ! 俺とエレオノーラで、ぶち殺してやる!」
さすが生粋の武人。
ずっと驚き、畏怖していたが……
グレーヴはディーノの凄まじい戦いを見て、己の闘争心に火が点いたらしい。
エレオノーラもグレーヴの子。
負けてはいない。
「ディーノ! お前の妻たる私が無様な戦いなど、見せられはしないぞぉ!」
更にシグネもエレオノーラに続いた。
「私もエレオノーラ様に負けてらんないっ! 治癒回復は任せてディーノちゃん!」
そしてグスタフまでが、決意を露わにする。
「ディーノさん! 俺だって戦います! 村長として、殺された村民の為、
一太刀たりと浴びせたい!」
一方……
村内からは、果断なく、大きな鬨の声が聞こえて来る。
物見やぐらで一部始終を見ていた自警団員数人が、他の村民達へ報せたようだ。
ゴブリンの大群に、
蹂躙されっ放しだったヴィオラ村ではあったが……
今こそ!
迫り来る敵を打ち倒し、全員で生き抜く。
これまで怯え、無抵抗だった村民は……
はっきりと気持ちをひとつにしていたのである。
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