第215話「自警団結成!」
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ディーノ達とグスタフは表面上『前向きな打ち合わせ』の後……
ヴィオラ村の村民全員に集合をかけた。
ゴブリン討伐をきっかけにし、村に『自警団』を組織しようという呼びかけである。
長たるグスタフの呼びかけなので……
村の中央広場に、全村民約200人が集まって来た。
このようなケースでは仕方なくという「いやいや感」が出る事がままある。
だが、村民達は参加に前向きで気合が入っていた。
子供を含め村民が何人も殺されている事への怒り。
またディーノの入れ知恵……否!
アドバイスにより「自警団参加者には支度金を用意した」と、
声を大にして伝えてあった事も大きかった。
さてさて!
広場の真ん中には村長のグスタフが神妙な面持ちで立ち、
グスタフの傍らには、今回のゴブリン討伐請負担当としてディーノ、グレーヴ、エレオノーラとシグネが立っていた。
司会進行を任されたディーノが声を張り上げる。
「では! グスタフ村長のご提案で、ヴィオラ村自警団を結成したいと思います! 参加資格は健康な男女で16歳以上なら誰でもOK。但し各家庭から1名のみ。相談には柔軟に応じますが、基本宜しいですか?」
「OK!」
「異議なしだ!」
「俺は家族を守る為、戦うぞ!」
「お聞きになっているとは思いますが、念の為。参加者にはとりあえず支度金が、おひとり金貨3枚、村長から支給されます。いずれは正式な装備の無償支給、別途勤務手当も考えております。宜しいですね?」
「わお!」
「やったぞ!」
「村長! ふとっぱら!」
金貨が3枚あれば……
基本自給自足のヴィオラ村では、家族4人が1か月楽に生活可能だ。
更に勤務手当があれば今後の生活の補助にもなる。
それに現状では、ぼろぼろで防具の機能を果たさない革鎧、使い倒した刃こぼれだらけ、なまくらな武器や農具で戦わなくてはならない。
新たな装備が村から無償で提供されればありがたい。
村民達が大いに喜んだのは言うまでもない。
これらの気になる原資は……
ディーノ達へ支払うはずの褒賞金の一部でまかなっていた。
この金は、グスタフがこっそり横領していた金である。
「では村長、自警団結成の経緯、意義、今後の予定を」
「りょ、了解致しました」
盛り上がったところで、ディーノからバトンタッチ。
続いて話すのは、当然自警団団長に就任するグスタフである。
「コホン! 村民の皆さん! 今回ゴブリン退治に赴いて頂いた冒険者クランの方々からお話を頂き、このヴィオラ村長、私グスタフ・ビルトはきっぱりと決断致しました」
ディーノ達からのプレッシャーにより、覚悟を決めたらしく……
軽く息を吐き、グスタフは熱く語る。
「このままではいけない! 今迄のようにやられっぱなしではいけないのですっ! まずは私が先頭に立って外敵と戦い、貴方達村民と家族を守る! 村を絶対に守り抜く!」
「うおお! 村長、良いぞぉ!」
「頼もしいぞぉ! でもひとりで大丈夫かぁ!」
「よし! 俺達も加勢するんだ! 一緒に戦うんだ!」
「そうです! 皆さんがご心配される通り、仰る通り! わたしひとりでは無力だ。なので、皆さんにもぜひ、自警団にご参加頂きたい」
「了解!」
「当然だ!」
「村長ひとりに戦わせねぇ!」
「皆さん、ご協力ありがとうございます! 当然ご領主様、エーギル・アルヴェーン騎士爵閣下とも随時密に連絡を取り合います」
グスタフは言い切り、高く拳を突き上げる。
「今後は! 定期的に麾下の騎士様を村へ派遣して頂き、村の周囲をパトロールして頂くのは勿論、自警団への武技指導も実施致します。当然、有事の際は強靭な騎士団、もしくは有力冒険者クランが救援の為、速攻で派遣されます」
自ら戦うと宣言したグスタフが、領主にも掛け合う。
村の安全を守る為に。
これで感動しないわけがない。
村民達のボルテージは最高潮に達した。
「おおおおおっ!」
「最高っ!!」
「一生、村長やってくれぇ!」
村民達が若干クールダウンすると……
グスタフがこっそり囁いて来る。
卑屈な愛想笑いを浮かべていた。
「ディーノさん、こんなんで……宜しいですか?」
「こんなんで、ばっちりです。急ぎ、人数をとりまとめ、自警団を結成して下さい。当然支度金を即座に支給。数班に分け、今夜はゴブリンが村内へ侵入しないよう、俺達と一緒に交代で夜回りです」
「か、かしこまりました。いろいろ申しわけない。段取りはOKです」
ディーノの言葉を聞いたグスタフは気圧されたかのようになった。
散々脅されたとはいえ、グスタフの態度が劇的に軟化していた。
親身になって助力するディーノ達の姿を目の当たりにして……
良心の呵責に苛まれ、
心境の変化があったのかもしれない。
更にディーノは、グスタフに明日の戦いの予定を念押しする。
「お願いします! 明日は先ほどの打合せ通り奴らと戦います」
「う~ん。でも明日は俺、本当にゴブリンと戦えるかな? 正直怖いし、ガキの頃、遊びで木刀振ったくらいだから」
「大丈夫ですよ。一歩だけ進む勇気があれば」
「一歩だけ?」
「その場から逃げずに、一歩だけでも進む勇気があれば大丈夫です」
「一歩だけ進む勇気か……それなら、俺にも出来そうだ」
戦う際の己をイメージをしたのだろう。
「無理をしなくて良い」と理解し、グスタフは安堵した。
本当の意味は少し違うのだが……
しかし、ディーノの提案は終わらない。
「ええ大丈夫、必ず出来ます! それに明日、村長は他の村民の方々同様、見ているだけでも結構かもです」
「え? 俺も見ているだけなんですか?」
「はい、ウチの仲間と共に後方で控えていてください。敵が来なければ、戦うポーズだけで結構です」
「ポーズだけ……」
「はい! 明日は盾兼攻撃役で、俺と使い魔の戦友が最前線に突出して戦います」
巣穴攻略だけでなく、前哨戦までも……
あくまで矢面に立とうとするディーノ。
エレオノーラはつい彼の身を案じてしまう。
「な! ディーノ!」
「大丈夫! エレオノーラは後方で、公爵、シグネさんと共に俺が撃ち漏らしたゴブリンを確実に仕留めてくれますか。村長を守りながら」
「ディーノ……」
「大丈夫、ノープロブレム! 楓村で、この戦法は経験済みです。その時よりも、今回のゴブリンはずっと数が少ない。油断はしないが、けして負けない!」
言い切ったディーノの言葉に対し、グレーヴとシグネが反応する。
「よっし、分かった! 俺達に背中を任せろ!」
「ディーノちゃん! 何かあったらすぐ治癒回復してあげる!」
「お願いします!」
ふたりからのエールに、ディーノは晴れやかな表情で応えていたのである。
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