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第214話「悪徳村長ざまぁ!」

スクウェア・エニックスの月刊雑誌Gファンタジー10月号が大好評発売中です!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版、最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください!


⛤特報! 

『重版』決定!!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版コミックス第3巻

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》


皆様のご愛読と応援により

『重版』が決定致しました!

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既刊第1巻~2巻も大好評発売中!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※宜しければ原作の小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》

こちらも大好評発売中の第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

「すんませ~ん!」

「頼もう~!」

「すみまっせ~ん!」


 ヴィオラ村村長グスタフ宅前……

 少年がひとり、少女がふたり立っていた。


 冒険者の恰好をした3人は村長に大事な用があるらしく、大きな声を張り上げ、

 繰り返し呼びかけている。

 そう、3人はディーノ、エレオノーラ、シグネの3人であった。


 だが……

 いくら呼びかけても、グスタフ宅から反応はなかった。


 ディーノ達はめげずに何度も呼びかける。


 やがて……

 「これ以上居留守は使えない」と、覚悟を決めたのだろう。

 遂に「根負けした!」という表情で、ようやくグスタフが顔を出した。


 うるさく呼ばれていたから、当然グスタフは不機嫌である。

 ディーノ達3人を見て、ますます顔が怒りでゆがんだ。


「お、お前等ぁ! 一体何の用だっ!」


「はい、村長へ大事なお話を伝えるのを失念しておりまして」


 村長に無事会えた事で、作戦は無事発動した。

 しかしディーノ達は何か仕掛けるわけではない。

 普通に、にこにこしていた。


 しかしディーノ達の笑顔は、グスタフの怒りの炎に油を注ぐ事となる。


「大事な話? 失念? ふざけんじゃねぇっ! バカヤロ! クソガキ! ジャリアマ! さっさと失せろ! 目の前から消えろっ! すぐゴブリン倒しに行きやがれ~!! 全て倒すまで死んでも帰るなよ~っ!! 分かったかぁ!!!」


 グスタフは速射砲のように、超が付く猛毒を吐いた。

 でも、何故かディーノは怒らず、怪訝そうな顔つきで首を傾げる。


「あれ? ちょっと酷い言い方ですね? エレオノーラさん、今の聞きました?」


「リーダーよ、私は確かに聞いた。村長は私達の訪問を邪険にした上、だいぶ興奮されていたようだぞ」


「はい、ですよね。それとシグネさん、今の村長の発言内容をちゃんとメモしましたか? 万全を期すために日付けと時刻付きで」


「いえす! 抜かりありません、リーダー。グスタフ村長の、私達3人への罵倒、差別的な呼称、品のない攻撃的な物言い、及びパワハラを、日付け時刻は勿論、発言内容を万全に書き留め、パーフェクトに記録致しました」


 3人の少年少女は、やけに丁寧に、そして極めて慇懃いんぎんに対応した。

 作戦は順調に進んでいたといえよう。


 一方、ディーノ達の極端な低姿勢さが、却ってグスタフを不安にした。

 不気味に思う。

 怖くもなって来る。


「な、な、な、なんでぇ! おめ~らぁ!」


 対して、ディーノは、容赦なく作戦を進めていく。 


「いや、実は俺達頼まれまして」


「何を! 誰に! 頼まれた!」


「はい、ある方から、ヴィオラ村の領主、エーギル・アルヴェーン騎士爵様へご報告するようにと。ご報告するのは当然村長、貴方の行状ぎょうじょうについてです」


 遂に主砲が発射された。

 見事に命中!

 案の定、グスタフは大ダメージを受けた。


「な、なに~!? ある方からぁ! お、俺の行状ぉ! 領主様にぃ!!」


「は~い! 俺達、王都ロフスキへ戻ったら、エーギル様へすぐお会いし、先ほど行った打合せの内容も含め、村長の発言及び態度、全て詳細にご報告する事になってま~す」


 ディーノの言葉を聞いた、グスタフは何とか反撃を試みる。

 完全に動揺して、大いに噛んではいるが……


「ふ、ふざけるな! なな、何でっ! て、てめぇらみたいな冒険者の小僧と小娘が、りょ、領主様にお会いするんだよぉ!」


 ここで副砲2門が放たれた。

 エレオノーラとシグネである。

 

「うむ、ジャリアマで小娘の私はな、アルヴェーン殿の奥様ハンナ殿とこのシグネ3人で、親しくお茶を飲む間柄なのだ」

「ジャリアマで小娘の私なんてぇ、お茶を飲むのもそうですしぃ、ハンナ姉を師匠にし、花嫁修業の一環にぃ、メイクの仕方や礼儀作法を教えて頂く弟子なのですからぁ」


「な、なんだ、それぇ! ふざけるな! お前らが奥様と親しいなんて! 嘘だろ! ごまかしもいい加減にしろ!」


 しかし、グスタフの反撃をエレオノーラとシグネは華麗にスルー。

 副砲が容赦なく、ガンガンガンと乱れ撃ちされる。


「おおそうだ、シグネ。ハンナ殿からご領主のエーギル騎士爵殿へ、村長の言動を一切合切伝えて頂くというのは、どうだろう?」

「それはとっても良きお考えかと! ハンナ姉は礼儀作法に厳しくて面倒見の良い女子ですから、怒るでしょうねぇ! そんな下品で尊大な村長、即クビにしろと言うかもしれないですねぇ! 騎士爵殿はハンナ姉の言う事なら、なんでもOKと聞き入れてくれる優しいご夫君ですからねぇ」


「なななな、なんだって、おい、ちょっと!」


 こちらも見事に大命中!!


 侮っていたジャリアマで小娘のふたりは、領主の妻とたいへん懇意にしていた。

 想定外の砲撃を受け、グスタフは致命傷を受けてしまう。


 慌てふためくグスタフへ、今度はディーノが言う。


「あと、村長」


「な、な、な、なんだよぉ?」


「クソガキで小僧の俺も、村長がギルドへ依頼した報奨金の数字を、ついでにエーギル様へバッチリお伝えしておきますよ。我々が頂ける金額を具体的に、ね!」


 報奨金の横領が領主様へ発覚!?

 それはヤバイ!

 本当にマジヤバイ!

 

 見事にとどめの命中!

 またもディーノから轟音をたてて主砲が放たれ、グスタフは完全に沈み始めた。


 最後のあがきか……

 グスタフは震えながら、手を伸ばして来た。


「あわわわわっ!! ちょ、ちょっと待ってくれ! た、た、た、頼むからぁ!!」


 しかしディーノ達は素っ気ない。

 ダボハゼのようには喰いつかない。


「頼むと言われましても、俺達はホントの事を、領主様へお伝えするしかないですから」

「うむ、リーダーの言う通り! 嘘偽りに染まってしまうのは、人としていけないと思う今日この頃だ」

「うふ、領主様を騙せと言われても、シグネ困っちゃう!」 


「お、おい! ここは人目がある! な、中で話そう! 俺のウチでじっくり相談しよう! い、いや! お、お願い致します! ぜひご相談させてくださいっ!!」


 よっし、クロージング。

 後は詰めを万全に行う事!

 作戦は無事成功した。


「はい、では中で話しましょうか。あ、俺達が戻らなかったら、村長が言ってたデカい男から領主様へ通報が行きますんで!」

「うむ! 私は村長の相談とやらをぜひ聞きたいぞ! じっくりとな!」

「うふふふっ、こっちからも、い~っぱいお願いしちゃうよぉ!」


「分かったあ! 何でも言う事聞くからかぁ!」


 こうして……

 ディーノ達連邦軍とグスタフ公国軍の間には……

『一方的な、ざまあ!の休戦協定?』が締結されたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。

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書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


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「元ジャンク屋追放勇者のんびり辺境開拓記。怖い魔族と仲良くなって、いつのまにか賢者魔王と呼ばれてた?」

も宜しくお願い致します。

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