第208話「俺も行こう!」
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グレーヴとシグネはいろいろ他愛のない話もして盛り上がっていた。
愛娘エレオノーラ同様、グレーヴはシグネにも気安い。
ディーノが、エレオノーラに聞けば……
シグネの父、カールレ・ヨエンスー伯爵は外務大臣を務めているらしい。
カーレルは、グレーヴとは旧知の間柄で、
エレオノーラとシグネはひとつ違いの幼馴染みだという。
シグネに聞こえないよう、エレオノーラは「腐れ縁だ」と呟いた。
しばらくして……
グレーヴは大仰に両手を挙げた。
「雑談はもう終わり!」
という意味らしい。
「まあ、お遊びはこれくらいにして……お前達、冒険者ギルドはどうだった? マスターには会えたのか?」
グレーヴの言葉尻を捉え、シグネがむくれた。
ほおを「ぷくっ」とふくらませ、口をとがらせる。
「お遊びって、違いますよぉ、ガイダルパパ。シグネは本気の本気で、ディーノちゃんと結婚しますからぁ」
「分かった、分かった。で、どうだった、ディーノ」
まだシグネの結婚宣言にわだかまりがあり、
複雑な顔付きのエレオノーラも見て、グレーヴは苦笑。
仕方なくディーノへ矛先を向けた。
ディーノはテーブル上に散らばっていた依頼書を取りまとめ、
グレーヴへと渡す。
「おかげさまでマスターには、無事に会う事が出来ました。えっと、これが依頼書です。案件を精査し、検討する為に持ち帰りました」
「どれどれ……うっわ! えぐいの貰って来たなあ、ファイアドレイクに吸血鬼にコカトリスかよ。お前等3人だけじゃ、きつすぎるだろ、この3つはよ」
グレーヴも、シグネと同意見である。
ディーノの真の実力を知らないから、そう判断するのは常識だし妥当である。
しかしディーノの答えは変わらなかった。
「ええ、それらは機会があれば、俺が戦友……使い魔達と受けますのでオミットします。今回はゴブリン、オークが妥当でしょう」
「機会があればって、ディーノ、お前しれっと言うなあ……」
「はあ、どれもいつかは戦いたい相手です。それよりどう思いますか、公爵。ゴブリンとオークの討伐は?」
「……おいおい、農村を襲うゴブリン300頭とか、同じくオーク100頭? これだって結構きついだろよ。まあ……竜や吸血鬼よりはマシだがな」
ディーノのコメントを聞き、グレーヴは呆れ顔だ。
と、ここでシグネも割って入った。
うんうんと、頷いている。
「そうでしょ! シグネもそう思いま~っす。でもディーノちゃんは、ゴブリンやオークをトレーニング代わりに、軽くぶっ飛ばすって言うんですよぉ」
「何だよ、ディーノ。トレーニングって?」
「言葉通りっす、公爵。俺の使い魔も参戦させますから、何とかなるでしょう」
「使い魔って? あの黒猫か?」
「ええ、あと犬二頭もでっす」
「う~む……」
ディーノが使い魔を参戦させる。
グレーヴは唸り、思わず腕組みした。
使い魔ではかく乱役くらいにしかならないと考えたからだ。
そもそも使い魔とは、下級の魔族で、
簡単なお運びやメッセンジャー役を務めさせる存在であり、
戦闘用の使い魔など、あまり居ない。
もしも戦闘までこなせるのなら、そこまでの魔族は、中級以上で従士である。
ディーノが戦いを共にする3人は、超が付く上級の魔族なのだが、
グレーヴには知る由もない。
「まあエレオノーラとシグネさんの能力を改めて取材、確認した上で、適切な作戦を立てる事が前提ですけど。あと現場となる農村の状況、条件も戦い方を大きく左右します」
ディーノは相変わらず冷静沈着である。
というか、オンオフがはっきりしていて好ましい。
グレーヴから見て、リーダーの資質は充分過ぎるほどある。
逸材たるディーノが愛娘の婿……
そう思えば、グレーヴは一層嬉しくなる。
まだ発展中の愛娘の恋愛を全面的に応援してやろうと思う。
「おお、成る程な!」
「はい、そんな感じです」
「…………うん! 決めた! じゃあ今回は俺も参戦する。公爵や騎士団長じゃなく、ランクAの冒険者としてな!」
グレーヴが参加する理由はふたつ。
ディーノの実力、人となりを見極めたいのと、
まだまだ未熟なランクC、女子ふたりの安全の為である。
グレーヴが冒険者として、依頼に参加すると聞き、エレオノーラは驚いた。
「え? 父上が?」
ここ数日は、比較的余裕だが……
普段のグレーヴは、スケジュールがぎっしり。
とても多忙であるからだ。
一方、シグネは素直に喜んだ。
「やった! ガイダルパパが居れば、百人力!」
「一騎当千だろ? シグネちゃん」
「あはは、訂正! 一騎当千ですねっ! 了解でっす!」
ここで再びエレオノーラが尋ねる。
「良いのか、父上」
「ああ、大丈夫。王宮から緊急招集がかかれば、別だけどな。……というわけでクランリーダー、ディーノ。俺を入れた前提での作戦立案を頼んだぞ」
「えっ? 俺がクランリーダー? 公爵が適任だと思いますが?」
ディーノは固辞したが、
グレーヴは手をひらひらと振って、ディーノの申し入れをはねのける。
「いや! それじゃあ意味がねぇ」
「はあ? 意味がないって?」
「いやはは、こっちの話だ! まあ今後の事もあるしな! 今回の案件に関しては、俺達3人、お前の指示に従う。じゃあ、頼むぞ!!」
「はあ……了解です」
グレーヴの意に沿う形で……
ディーノはエレオノーラ、シグネにグレーヴを加えた、
クランのリーダーとなったのである。
こうなると役目上……
ディーノは早速各自に取材、戦力分析を行った。
まずはゴブリン案件に対応する事に決め、
現場の村に関してグレーヴに尋ねてみた。
マスターから受け取った依頼書には、
村の簡単な紹介しか記されていなかったからだ。
聞いたところ、現場の村は楓村、ポミエ村に酷似している事も分かった。
オーク案件も聞いてみたが、こちらもほぼ同じような村との事……
過信は禁物だし、全てが同じではないだろう。
だが、ディーノがこれまでに積んで来た戦いの経験が、
少しは役に立ちそうだ。
続いて……
ディーノは各自が持てる力に関し、尋ねてみた。
結果、グレーヴ、エレオノーラのふたりは魔法は使えず、武技に長けた攻撃役、
シグネは意外にも高レベルの回復治癒魔法、葬送魔法も使える事が判明する。
まあ……
とっておきの技や魔法などを伏せる傾向もある。
だから、3人が持つ実力の全てを把握したとはいえない。
当のディーノだって、転移と飛翔の魔法、ゴーレム生成の魔法、
必殺剣『ゼロ迫撃』は、とりあえず伏せたから。
この4人に、ケルベロスとオルトロスの犬兄弟、妖精猫のジャンを加え、
ディーノは作戦を想定、立案した。
グレーヴが動けるのが最大4日間、各村への所要時間は王都から、
それぞれ馬車で各2時間だとも分かった。
巧く依頼を処理出来れば、位置的に2村を連チャンで回る事も出来そうだ。
ここまで聞いたディーノは、ロフスキの街中に急ぎ買い物へ出かけた。
ガイダル家にあるモノは、拝借するとして、
作戦に使う資材の不足分を購入するのだ。
冒険者ギルドのロフスキ支部の購買所にも顔を出す事にする。
当然みたいな雰囲気で、エレオノーラとシグネも同行し……
まるで『3人デート』のような形となった。
そんなこんなで……
明日の早朝、クランとなった4人は出発する事となったのである。
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