第198話「父の思い」
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「婚約だ! ディーノと婚約だ!」
浮かれまくるエレオノーラ。
「やれやれ」と苦笑したディーノ。
そして同じく苦笑したグレーヴが、
「さっ」と手を挙げた。
「皆、お疲れ! 今夜は解散だ!」
「は! 閣下!」
「団長! 了解です!」
「腕相撲とはいえ、他国の冒険者と対外試合をして励みになりましたっ!」
「お嬢様と奴の試合、見応えがありました!」
「また明日の訓練、宜しくお願い致しますっ!」
闘技場へ集まっていた騎士達は、皆、満足したらしく笑顔で引き揚げて行く。
自宅へ戻る者以外は、ガイダル邸内にある騎士宿舎で寝泊まりしているようだ。
エレオノーラから、ディーノはそう聞いていた。
そのエレオノーラは鼻を鳴らし、頬を染め、
甘えまくって、ディーノにぴたりとくっついている。
子供のような愛娘を見て、グレーヴがにこにこしながら、近付いて来た。
「おう、ディーノ。娘を始め、ウチの奴らに付き合ってくれてありがとな! さすが実戦で鍛えたランクA冒険者だ」
「どうも……」
ディーノがぺこりと頭を下げると、グレーヴはぐいっと身を乗り出した。
「で、だ! ぜひ話したい事がある。男同士の話だ!」
「これからですか?」
もう結構な時間が経った。
あと、数時間で日付けが変わる。
しかしグレーヴは問題なしという顔付きだ。
「ああ、そうだ。じっくりとな!」
「……分かりました」
ディーノがOKすると、エレオノーラがグレーヴを呼ぶ。
「父上!」
「何だ? エレオノーラ」
「大事な話なら私も同席する! わ、私は! ディーノとの将来を父上と相談したいのだ!」
「ふむ、分かった。その話は改めてしよう。……だが、今夜は別の話だ。俺は、ディーノと、ふたりだけで語り合いたい」
きっぱりと言い切るグレーヴ。
だが、エレオノーラは諦めきれない。
「で、でも……」
「エレオノーラ! 父の言う事が聞けないのか?」
ガイダル家では父の言う事は絶対である。
エレオノーラは力なく項垂れた。
「は、はい……エレオノーラは、父上に従います」
「うむ! 良い子だ。自分の部屋へ戻れ、そしてぐっすり寝ろ、明日も早い」
「はいっ!」
エレオノーラが元気を取り戻し、返事を戻すと、
グレーヴはディーノへ向き直る。
「じゃあ、ディーノ。お前は俺の書斎へ来い」
「了解です」
こうして……
ディーノはエレオノーラの父グレーヴ・ガイダル公爵と、
『サシ』で話す事となったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
書斎に入って、ふたりきりになると、
グレーヴは申しわけなさそうに、深々と頭を下げた。
「すまんな、ディーノ」
グレーヴが謝ったのは、エレオノーラの『押しかけ』に違いない。
悪意からではないので、ディーノは首を振った。
「いえ……」
「前にも言ったが、あいつは男に免疫がない。思い切り突っ走ってしまったな」
……何か、グレーヴから大事な話がある。
「ピン!」と来たディーノは、しばらく聞き役に撤する事にした。
「…………」
「エレオノーラはな、母親にそっくりなんだ」
グレーヴはそう言うと目を遠くした。
旧い記憶を手繰っているようだ。
「…………」
「俺はな、あいつの母親と、親同士の義理で見合いをした」
「…………」
「結果……俺が、惚れたんではなく、彼女に惚れられちまってな。今のエレオノーラと同じで一直線だった」
「…………」
「これまたディーノ、今のお前みたいに、俺が何となく曖昧にしていたら、一気に寄り切られちまったよ。最終的には俺の方もベタぼれしたが」
「…………」
「結婚した彼女、俺の妻、つまりエレオノーラの母親の名はアレクサンドラといってな、美しくて可愛い……笑顔が素敵な女だった」
「…………」
「だが……エレオノーラが幼い頃、流行病で呆気なく逝っちまった……数多の名医に、様々な回復魔法、夥しい高価な薬、散々手を尽くしたが、結局駄目だった」
「…………」
「最後に……俺を愛してる……エレオノーラを頼むと言い残してな……アレクサンドラは逝っちまった……」
「…………」
「俺はな! エレオノーラが可愛い! 可愛くて仕方がない! 亡き妻そっくりの忘れ形見という事もある!」
「…………」
「エレオノーラの幸せの為に……無理やりお前と結婚させるよう、公爵の地位を使う事も出来る!」
「…………」
「しかし俺はやらん!」
「…………」
「すまん……まあ、いざとなったら、やるかもしれん。100%は約束出来ない」
「…………」
「だが、ディーノ。お前の気持ちも大事にしたい。お互いに好き合って惚れ合って、結ばれるのが一番だと思うからだ」
「…………」
「……ディーノ。実際、お前はどうなんだ? エレオノーラをどう思う?」
グレーヴに聞かれ、ディーノは言葉を選びながら答える。
「はあ……ちょっと強引なところはありますが……エレオノーラ様は、真っすぐで素敵なお方だと思います」
ディーノの言葉を聞いて、思わずグレーヴは笑ってしまう。
「ははは……エレオノーラ様は強引だが、真っすぐで素敵なお方、か。確かにそうだ!」
「はい、申しわけありません。言葉が過ぎました」
「いや、構わん。俺もそう思ってる。それより、様とか、お方とか……ディーノは身分の差を気にしているのか」
「はい。それは確かにあります。やはり公爵家令嬢と平民の冒険者では、いろいろと支障が出ると思います」
「ふむ……お前なら、俺の息子に……つまり養子にしても構わないと思うが……もしや、貴族にとか、そういう話が以前にもあったのか?」
やはりグレーヴは勘が鋭い。
キャルヴィン・ライアン伯爵からの『提案』を全て話す事は出来ないが……
ディーノは正直に答える事にした。
「はい……実はお誘いがありました。しかし全てお断りさせて頂きました」
「やっぱりか! 貴族家の養子話とか、普通の平民なら喰い付いて来るところだが……お前は全然反応が薄いからな」
「はあ……」
ディーノが曖昧に返すと、グレーヴは再び勘の良さを発揮する。
「うん! お前は欲が無いというか……やりたい事がある、とか。いや! やらねばならぬ事があるんだな?」
「はい! あります! 詳しくは言えませんが……俺は何人もの遺志を受け継ぎました。世の為に役立てて欲しいと託されました」
「ふむ! お前は自分の生き方をしっかり持っているんだな。ますます気に入った!」
「ええ、べたで、青臭いのですが……聞いて下さい」
ディーノはそう断ってから、グレーヴへ告げる。
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自分が何者なのか、何を成し得るのか?
そして限界を突破出来るのか?
いろいろ知りたいと!
ディーノの志を聞き、グレーヴは嬉しそうに笑う。
「ははははは! 素晴らしいな、お前は! エレオノーラが惚れるのも分かるぞ」
「…………」
「ディーノ! お前といろいろ話せて良かった! しかしやはり、愛する娘の父として、お前に頼みがある!」
「頼み……ですか?」
「おう! お前はしばらくロフスキに滞在するのだろう? その間だけでも、エレオノーラと付き合ってやってくれ」
エレオノーラと付き合う……
とても微妙な言い回しである。
一瞬考えたが、ディーノは了解する。
「…………分かりました」
「助かる!」
ディーノがOKしたのを聞き……
グレーヴは再び、深く頭を下げたのである。
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