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第196話「歴史は何度も繰り返される?」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

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 どむ!


「ぐあ!」


 どむ!


「ぐあ!」


 どむ!


「ぐあ!」


 やはり……

 歴史は繰り返される。


 どむ!


「ぐあ!」


 どむ!


「ぐあ!」


 一度ある事は二度あり、三度ある……という。

 そして同じような事が繰り返され、歴史は積み重ねられて来た。


 ポミエ村で門番の少年ダヴィド相手にディーノは腕相撲勝負をした。

 そしてこのロドニア王国王都ロフスキの街中でも、

 衆人環視の中で、騎士アウグストを相手にまたも腕相撲をした。

 

 今回、勝負が行われている場所、相手、シチュエーションもまるで違う。

 ここは、ガイダル公爵家の私設闘技場であり、

 対戦相手は、グレーヴ麾下の数十人ものぼる若手騎士達なのである。


 好奇に満ちた眼差しで騎士達はディーノを眺めていた。


 目前に居並ぶ、血気盛んな貴族の青年達、少年達を見て、

 思わずディーノが尋ねる。

 

「公爵、何故、この屋敷にこんなに大勢騎士達が?」

 

「いやぁ、実は俺、この国の騎士団長もやっててよ。若手騎士や修業中の騎士候補の面倒もみてるんだわ」


 笑顔で答えたグレーヴの言葉に、納得したディーノは、

 黙々と腕相撲勝負を受け続けた。

 

 そして結果は当然……

 ディーノの圧勝そして連勝だった。


 完敗した騎士達は大いに悔しがったが、仕方がないという、

 苦笑に近い笑顔だった。

 平民の冒険者に勝てなかったのに、雰囲気は結構明るい。

 

 彼等は事前にグレーヴから『ゴブリン一万頭退治』の話を聞いていた。

 だから、己自身で確かめたディーノの底知れぬ膂力に、

 完全に「納得した」という面持ちであった。


 更に……

 エレオノーラが放馬して難儀していたのを、助けた顛末。

 絡んで来た『嫌われ者』のアウグストにも圧勝したのを聞いていたから、

 『騎士』として、そして『男』としても、自分達と同じく若輩なのに、

 好ましい奴だと感じているようなのだ。


 そんなこんなで、ディーノが騎士達全員に圧勝すると……

 「もう待ちきれない!」という雰囲気で、

 愛用の革鎧に身をかためたエレオノーラが叫ぶ。

 

「おい! もう良いだろう! 今度は私が試合う番だ!」


 ディーノには経験則がある。

 このような貴族との試合では、ひと言断りを入れる必要があると。

 後々のトラブルを避ける為でもある。


 だからディーノは事前に告げておく。


「公爵、エレオノーラ様」


「おう、何だ、ディーノ」

「おい、まさか! 女子の私に臆してはいないだろうな?」


 『期待』に目をきらきらさせている似た者父娘。


 僅かに苦笑したディーノは、念の為という感じで尋ねる。

 事前の確認と言っても良い。


「敢えて言いますが、俺の剣は師匠なしの我流だし、併せて体術も使いますが……構いませんか?」


「問題ない! ウチの娘と思いっきりやってくれ!」

「手加減は無用! ディーノよ! 持てる力を出し切り、私にかかって来い!」


 と、いう事で……

 グレーヴや若手騎士達が見守る中……

 ディーノとエレオノーラの模擬試合が開始されたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 初めて出会った時……

 馬車に乗った身のこなしから……

 エレオノーラは相当の『遣い手』だと、ディーノは見ていたが……


 さすがに……

 ブレ―ズ直伝『至高の風と火の魔法剣』まで使うつもりはない。

 ヴィヴィ直伝、超近距離の転移魔法を駆使して戦うつもりもない。

 

 手加減して戦う事にはなるが、その『さじかげん』が難しい。

 

 ちなみに、使用する武器は、ギルドの認定試験でミンミと戦った時のモノと同じ。

 双方の条件を等しくする為、軽度の雷撃を付呪エンチャントし、刃を潰した練習用の模擬魔法剣である。


 ディーノとエレオノーラ。

 ふたりは試合前の礼をし、抜剣して構えた。


 先に仕掛けたのは、待ちくたびれていたエレオノーラの方である。

 

 凄まじいダッシュ力。

 跳ぶような走り。

 そして躊躇しない思い切った踏み込みで、ディーノへ斬りかかった。


 ディーノは、エレオノーラの剣を躱した。

 それも余裕を持ってではない。

 ぎりぎりとまでは行かないタイミングで。


 更にエレオノーラと打ち合う。

 金属音と雷撃の音が交錯。

 攻防は一進一退という感じだった。


 更にディーノは蹴りも繰り出し、空いた手で拳も攻撃に加えた。

 対して、エレオノーラはぎりぎりで避けた……ように見えた。


 頃合いと見たのか、ディーノが軽く息を吐き、気合を入れる。


「はっ!」


 がいいいいいいいいいいいん!

 ばちばちばちっ!


 ひと際大きい金属音と雷撃音が交錯し、

 エレオノーラの剣は、ディーノの剣に巻きあげられ、

 天高く、「くるくる」と舞っていた。


 しかしエレオノーラの闘志は衰えなかった。

 並の剣士なら、ここで「降参」するところである。


 だが、エレオノーラは勝負を投げなかったのだ。


「うおおおおおおおおおおおっ!」


 轟くような雄叫びを上げ、ディーノへ対し、拳と蹴りを鋭く繰り出して来たのである。


 しかしディーノは驚かず、繰り出される攻撃を楽々躱し、

 エレオノーラの鎧をつかむと、軽々投げ飛ばしていたのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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