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第195話「相変わらず超マイペース!」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

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 ガイダル公爵家の練武場は、広大な屋敷の敷地内にある。


 500人の観客を収容できる屋外闘技場と、100人の騎士が一度に練習可能な屋内の板張り道場ふたつの施設で構成されている。


 なんやかんや……

 ガイダル父娘の強引な話の進め方の結果……

 ディーノは夕食後、屋外闘技場に居るはめとなった。


 とっくに陽が落ち、夜になったから屋敷の周囲は暗かったが……

 魔法による灯り、強力な魔導灯の効果で、闘技場は昼間のように明るかった。


 ディーノは煌々(こうこう)と照らされた、だだっ広い闘技場を見回している。


「凄いっすね、この闘技場は……」


 思わず感嘆したディーノが言えば、

 エレオノーラは、即座にきっぱりと否定する。


「いや! 大した事はない!」


「そうっすか」


「うむ! 王国の闘技場、武道場は桁違いに広い! 観客も1万人以上入る本格的なものが別にある。ここは我がガイダル家の私的な訓練場にすぎない」


 確かに20倍以上の収容人数なら、エレオノーラの言う通りかもしれない。

 しかし目の前に広がる闘技場は国家ではなく『個人所有』のもの。

 それはそれで凄いと、ディーノは思う。


「はあ、成る程……」


「うむ! それに、この時間に武道の訓練を行うのはメリットも大きい!」


「そんなもんですか」


「うむ! 夏場の訓練は夜間の方が涼しくてはかどる! 灯りをもっと暗くすれば夜襲の経験値にもなるぞ!」


 エレオノーラは熱く『うんちく』を語った。

 しかしディーノは感じた懸念を伝えてみる。


「成る程……そういう情報や知識は大変勉強になりますが……よそ者で部外者の俺へ、そんなに大事なことを教えて良いのですか?」


「何! よそ者で部外者だとぉ!」


「はい、俺、ロドニア王国じゃなく、ヴァレンタイン王国の人間ですし、ガイダル家とは何の関係もないし……」


 だが、エレオノーラは反論する。


「いや、関係はある!」


「いえ、全然ないと思いますが……」


 重ねてディーノがかかわりを否定すれば、

 エレオノーラの瞳がきらめいた。

 恋する乙女の目と化していた。


「ディーノ……」


「はい?」


「関係はある! 大いにある!! 何故なら! お前は私の想い人なのだあ~っ!!」


 絶叫するエレオノーラ。

 対して、あくまでもディーノは冷静である。 


「想い人なのだあ~って……エレオノーラ様みたいな超美人女子からそう言って貰えるのは嬉しいのですが」


「嬉しいのですが、何だ? 素直に喜べ! 私とお前は宿命の出会いをし、愛を交歓したのだぞ!」


 何か……

 ステファニーの時同様、話は超ヤバイ方向へ進んでいた。


「いえ、宿命の出会いではないし、愛も全く交歓していません。単なる錯覚ですよ」


「い~や、錯覚ではないっ! 予感を超えた確信だ! 絶対に宿命の出会いだ! もう私とお前は二度と離れる事は出来ないのだっ! 死さえ、愛するふたりを分かつ事は出来ないのだぁ~~っ!!」


 熱に浮かされたように熱く語るエレオノーラ。

 ここで、ついディーノは口が滑った。


「それって、エレオノーラ様。……ロマンス小説の読み過ぎだと思いますが……」


「何だと! ロマンス小説!! そ、そ、それを!? だ、だ、誰から聞いたっ!」


 やっべ!

 父親のグレーヴから、口止めされていたのを忘れていた。


 慌てたディーノは、


「い、いえ! お、俺もロマンス小説……嫌いじゃないんで!」


 と切り返した。

 すると、エレオノーラはまたも激しく喰い付いて来る。


「な、何~!!」


 全くの嘘ではなかった。

 ディーノは、心が癒されるロマンス小説は嫌いではないから。

 

 小説は架空の話ではある。

 だが……

 世にはステファニーと全く違う心優しき清らかな女子も居る!

 

 かもしれない……と夢見て、ならば理想の女子を、

「素敵な想い人を探そう!」という、きっかけのひとつにもなったのだ。


 ディーノはエレオノーラほどのロマンス小説のオタク……

 否! マニアではない。

 でも、この場を上手くクリアする為には、そう言うしかない。


 ステファニーに何度も何度も何度も……

 あらゆる書物を読み聞かせしたディーノは、

 ロマンス小説も結構な数のタイトルと内容を、鮮明に記憶していた。

 

 だからロマンス小説が好きなあかしとして……

 ディーノが実際に数作品を説明し、感想を述べると、

 エレオノーラは「うんうん」と頷き、満足そうな顔で、にっこり笑った。


「おお! 素晴らしいぞっ!! お前の魅力は強さや魔法だけではないな、ディーノ!」


「は、はあ……」


「そこまで文学にも造詣ぞうけいが深く、存分に語り合えるとは、ますます気に入った!! よし! 後は武道で私に勝ち、心をとりこにしてくれれば完璧だ!」


「いや……心を虜にって……」


 と、その時、グレーヴが手を打ち振りながらやって来た。


「お~い! まだ準備は出来ていないかぁ!」


「おう、父上、すぐに始めよう! だが、ディーノと対戦するのは私だぞ! 彼等はどうする?」


 エレオノーラの言う『彼等』とは……

 グレーヴが引き連れている数十名の騎士達である。

 先ほど正門脇の守衛所で会った者も含まれており、全員が20歳くらいの若い騎士だ。


 全員がディーノに注目し、好奇の眼差しで見つめていた。

 よそ者の自分が反感を買っていない事を感じ、ディーノは安堵した。


 そんなディーノを他所に、グレーヴは話し続ける。


「おう! ディーノのゴブリン退治を話したら、ぜひ手合わせしたいと望んでな! 剣の試合じゃ、時間がかかり過ぎるから、アウグストとやったように腕相撲が良いだろう!」


「それは良い! 妙案だな、父上!! ディーノには良いウォーミングアップとなるだろう!!」


「…………」


 相変わらず超マイペースで話を進める父娘に……

 ディーノは、苦笑するしかなかったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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