第194話「似た者父娘」
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1時間後……
ディーノはガイダル家のゴスロリメイドから、大広間に来るように告げられた。
既に風呂から上がり、着替えていたディーノは、自分の荷物を確認したが、
紛失しているモノは全く無かった。
ヴィヴィから授かった特製の鎧も稼いだ金も無事である。
ちなみにルイ・サレオンの指輪とペンタグラムは入浴中も身に着けていたのでノープロブレムだ。
風呂場で話した後で、エレオノーラの父グレーヴ・ガイダル公爵からギルドの登録証も返却して貰っていた。
やはりグレーヴは、ディーノの冒険者ランクを確かめたかっただけらしい。
呼びに来たメイドに誘われ、長い廊下を歩き、
ディーノは大広間に到着した。
かつて仕えていたオベール家の屋敷の大広間より、遥かに広く豪華な部屋では、既にグレーヴとエレオノーラの父娘が、満面の笑みを浮かべ待っていた。
ディーノが見やれば……
夕食を載せた長く大きいテーブルの上には、たくさんの料理が並べられており、ヴァレンタインでは見た事がないものも多い。
多分、ロドニア特有の料理なのだろう。
肉が大量に使われており、若いディーノには食欲をそそる香りが漂っていた。
「おい、ディーノ、こっちだ、こっち!」
エレオノーラが「ぶんぶん!」手を打ち振った。
「おう、こっち来い、ディーノ」
続いてグレーヴもディーノを呼ぶ。
「ええっと、その席は……」
ディーノがためらったのも無理はない。
父娘が誘った席は、上座も上座、テーブルの先端にある『お誕生日席』と呼ばれる位置。
両隣には、それぞれ当主の父と愛娘が鎮座していたからだ。
そんなプレッシャーがかかる席なんてとんでもない!
ここは「さっさ」と一番下座へ座った方が得策である。
「俺、この席で……」
ディーノが「さっ」と座ったのは、お誕生日席の遥か対面、
ふたりから最も離れた席であった。
しかし、そんな遠慮が通る相手ではなかった。
「駄目だ駄目だ駄目だ!」
「おう! そんな遠くじゃ、声が聞こえん! じっくり話せん!」
当然父娘からは、即却下!
「ほら! こっち来いっ!」
猛ダッシュして来たエレオノーラに、がっし!と腕をつかまれ、
ディーノは無理やり『お誕生日席』に座らされたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「がっはははははははははは!!」
「は~ははははははははははは!!」
グレーヴとエレオノーラはやはり父娘、笑い方が良く似ている。
仕草も各所に類似点が見られる。
似た者父娘か……
「ディーノ! エレオノーラは繊細な俺には全く似ていない、がさつな娘だ!」
「繊細? 寝ぼけているのか父上は! そしてがさつとは失礼な! 父親に全く似ていないデリケートな娘に向かって何を言う!」
どっちもどっち……
ディーノがそう思った瞬間。
「ディーノ、お前何か余計な事を考えていなかったか?」
「そうだぞ! 俺達と話す事に集中しろや」
変に勘が鋭いところもそっくり……
これではエレオノーラのわがままや暴走を諫めて貰うなど、無理ゲ―だろう……
とりあえず、余計な事は何も言わず、聞き役に撤しよう。
ディーノはそう決めた。
するとグレーヴからいきなり、
「おい、ディーノ。さっきようやく思い出したが、お前の噂を聞いたぞ」
当然、すかさず反応したのはエレオノーラだ。
凄い喰い付き方である。
「噂!! どのような!! 父上、ディーノのいかなる噂を聞いたのですかっ!!」
……ステファニー様絡みのヤバイ噂じゃなきゃ良いがと、
ディーノは心配したが……とりあえずは杞憂だった。
「おい、ディーノ! お前、ヴァレンタイン王国の楓村で、一万頭のゴブリンを退治したらしいな」
しれっと言うグレーヴの言葉に、エレオノーラは絶句する。
「な!? い、い、い、い、一万頭ぉっ!?」
あまり話が大きくなっても面倒……
仕方なく、ディーノは手を横に振った。
「いや、俺ひとりで倒したわけじゃないですし……話が大袈裟になってますから」
「大袈裟? 話半分としても5千頭だ! 凄いな、父上!」
エレオノーラがうっとりすると、今度はグレーヴが首を横に振った。
「いや、話半分ではないぞ、エレオノーラ!」
「え? 話半分ではない? どういう事です、父上」
「おう! ウチの出入り商人が噂を聞いたが、ヴァレンタインのカルパンティエ公爵署名入りの公文書に、はっきりそう書いてあったらしい!」
「ヴァレンタイン王国の! カルパンティエ公爵の署名入り公文書に! では本当の話だ、凄い! 凄いぞディーノ!」
エレオノーラは目をうるうるさせ、有頂天に喜んだ。
一方、やっぱりステファニー様は無関係じゃなかったと、
ディーノはどっと疲れ、ため息をついた。
それから……
グレーヴとエレオノーラの話は盛り上がった。
ディーノは相変わらず基本、聞き役だった……
ただ黙々と食事をしていた。
遠慮するな!
ガンガン食べろ!
ふたりからそう言われたディーノは、開き直って、がっつり食べた。
食べてみると、ロドニアの料理はヴァレンタインとは味付けが違うが、
結構美味だった。
満腹になったディーノが、紅茶を飲んでいると……
エレオノーラが、突如拳を突き上げる。
「おい! ディーノ! 食後の運動だ。1時間休憩したら、当家の練武場へレッツラゴーだっ! 私が本気で相手をしてやるっ!」
当然似た者の父、グレーヴも追随する。
「おお! ナイスアイディア、さすがはエレオノーラだ!! どうせなら騎士達も呼んで盛大にやろう! ディーノよ、実力と根性を俺に見せてみろや!!」
父娘は揃って強引だった。
せっかく風呂に入ったし、また汗かくから、やめませんか……
ディーノはそう言いたかったが、断れる雰囲気は皆無だったのである。
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