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第192話「未来の妻?」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

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 美少女騎士エレオノーラ・ガイダルの自宅は、とんでもなく広大な屋敷だった。

 それもロフスキの一等地と思われる貴族達の邸宅が建ち並ぶ中でも威容を誇る建物だった。


 高さ10mはある石造りの武骨な外壁がぐるりと敷地を囲み、

 どこまで続いているのか分からなかった。

 頑丈な正門には、護衛の騎士らしき青年が10名ほど居り、

 剣を腰からぶら下げた、ものものしい武装姿で迫って来た。


「お嬢様! お帰りですか!」

「ご無事で何よりです!」

「団長が、話があると仰り、ずっとお待ちかねです!」


 護衛の騎士達は普段から鍛えているらしく、全員ががっちりした体格。

 鎧から見せる腕はごつい丸太のようであった。

 発する威圧感は半端ない。


 しかしエレオノーラは全く意に介さず、軽く手を挙げ、平然と答えを戻す。


「うむ、了解した!」


 次に騎士達の注目は、ディーノに集まる。


「で、この平民の少年は!」

「何者です?」

「いかがされたのです?」


 中のひとりが聞く。


「新規の従者ですか?」


 対して、エレオノーラはしれっと。


「まあ、そのようなものだ」


 慌てたディーノは小声で言う。


「いや、エレオノーラ様。俺、従者じゃないですから」


 エレオノーラはディーノの抗議をスルーし、唇に指をあてた。


「し~! 便宜上だ」


「あの……便宜上って……俺、ホント困るんですけど……」


 だが!

 エレオノーラはまたも華麗にスルー。


 何か思いついたらしく、再び悪戯っぽく笑い、

 「はた!」と手を叩く。


 瞬間!

 ディーノは嫌な予感がした。


 案の定、エレオノーラは、とんでもない事を騎士達に告げる。


「おい! お前達、こいつの名はディーノ。実は従者ではなく、私の大事な客だ!」


「へ? 大事な客?」

「お嬢様の?」

「なにゆえ?」

「どうして!」


「サフィールが放馬し、難儀していたら、偶然出会ったディーノに捕まえて貰ったのだ! それに先ほど、街中でアウグストに絡まれてな! 成り行き上、私の代理で、コイツが奴と腕相撲したら、何と軽く51連勝した! 私が証人だ。街の者も大勢見ていた」


 得意げに、それも一気に言い放ったエレオノーラ。

 騎士達も大いに喜ぶ。


「おおおお! やったあ!!」

「そいつは凄い! いい気味だ」

「ざまあ! ですねっ!」

「後で、俺達とも勝負だ、ディーノ!」


 アウグストは……

 相当嫌われているらしい。


 歓び、気合の入った騎士達の声を背に受け、

 ディーノは「はあ」とため息を吐いたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 そんなこんなで、何とか、正門を通ると……

 長い一本道が続いていた。

 多分楽に100m以上はあるだろう。

 

 正面にはこれまた左右100m以上はある、巨大な5階建ての本館が建っていた。


 ディーノが、改めて周囲を見やれば、闘技場がまるまるひとつ入るくらい、

 一面緑一色の芝生が広がっている。

 別棟や倉庫らしき建物もたくさんある。


 奥には勢い良く噴き上げる噴水と大きな池。


 周囲にはいくつか小道も延び、白いベンチも数多置かれていた。

 まるで公園である。


 ふたりが本館へ近付くと、今度は使用人達の『襲撃』を受ける。

 

「お嬢様!」

「今までどうしていたのですか!」

「こんなにお洋服が汚れて!」

「使用人全員が心配していたのですよ!」


「ノープロブレム! 大丈夫だ! 私は自室へ戻り、入浴してから父上に会う!」


 エレオノーラはそう言うと、先ほど騎士達に告げた内容を繰り返し、

 使用人達へ、ディーノを紹介した。


「と、いうわけでコイツはディーノ! 私の大事な大事な客だ! 一番上等なVIP室へ通した上、丁重にもてなしてやってくれ! そうだ、ディーノの馬車は駐機場へ留めておけ! 曳いている馬はガイダル家専用の厩舎へ運び、サフィールと共に労わってやってくれ! 猫の世話もしっかりとな! 頼んだぞ!!」


 使用人達への命令を終わり、エレオノーラは「ふん」と得意げに鼻を鳴らした。


 一方、ディーノは……

 出口のない定置網へ追い込まれる魚のような……

 重い気持ちに……なって来る。


「あの……俺、一番上等なVIP室なんて……物置か、倉庫かなんかで少し休めれば……」


「ははははは! ディーノよ! 遠慮するな! VIP室には私の部屋同様、専用の岩風呂もある! 遠慮なく使って、旅の疲れを癒してくれ!」


「は、はあ……」


 エレオノーラの勢いに圧倒されたディーノ。

 更に、エレオノーラは「ポン!」と手を叩く。


「おお、そうだ!」


「な、何でしょう?」


 またとんでもない事を思いついたのか、言われるのか、命じられるのかと、

 ディーノは身構えるが……


 ビンゴ!!

 大当たりだった。


 何と!

 とんでもない『提案』だった……


「丁度良い、ディーノ! 私と一緒に風呂へ入るか!」


「は!? はい~~!!??」


「私と共に入浴! 未来の妻となる女の身体を念入りに隅々までチェックし、来たるべき愛の行為に備える! これこそ! 有意義な時間の使い方だ!」


「お、お嬢様ぁ!!」

「ななな、何を仰います!!」

「じょ、冗談はおやめくださ~いっ!!」

「ノーカウント!! ノーカウント!! ご主人様に怒られま~す!!」


 ……さすがに慌てふためいた使用人達が、

 エレオノーラとディーノの『混浴』を、身体を張って阻止したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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