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第189話「いきなり決闘!?」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

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皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

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 ぱっかぽこ!

 ぱっかぽこ!


 がたがたがたがた……


 ぱっかぽこ!

 ぱっかぽこ!


 がたがたがたがた……


 街道と同じような……

 否、ずっと良い音だが、蹄と馬車の車輪が交錯する音が、

 相変わらず続いていた。


 周囲の光景も全く変わっており、

 ヴァレンタイン王国とは全く違う街並みが続いている。


「あの~」


「何だ? ディーノ」


「とっくにロフスキへ入ったんですけど……エレオノーラ様は、どこまで着いて来るつもりですか?」


 そう……

 ディーノが言う通り、既にここはロドニア王都ロフスキ市内である。

 エレオノーラはず~~っと、ディーノの真横に居るのである。


「どこまで着いて来るつもりだと? 馬鹿者! そんな事は決まってる!」


「はあ……決まってるって」


「私とサフィールの気が済むまでだ!」


「エレオノーラ様と馬の気が済むまでだって……もう勘弁してくださいよ」


「構わないじゃないか! 私がお前に勝手についていくだけだ!」


「いや、勝手にって……はっきり言って迷惑です。俺、今夜の宿探ししなくちゃいけないし、市内観光だってしたいし……」


 ディーノが抗議すると、エレオノーラは「にやっ」と笑う。


「ふっ、ならば、お前の目的は、両方が、即解決だ!」


「は? 両方が、即解決?」


「うむ! 宿なら我が屋敷へ泊るが良い! 観光なら、私自ら案内してやる! この王都ロフスキは我が生まれ故郷だ!」


 エレオノーラの『提案』を聞いたディーノは首を振った。 


「いえいえ、両方ともご遠慮します。貴族の屋敷なんて昔を思い出して嫌だし、観光も自分の好きな場所へ自由に行きたいので」


「駄目だ! 難儀した私に尽力してくれた礼もせず、お前とこのまま別れては、騎士の道に反する!」


「いや、何か、凄く立派な物言いですけど……俺の希望や都合を完全無視で、語るロジックが見事に破綻してますから」


「何だと!」


「それにお礼はもう頂きました、エレオノーラ様からは」


「私から? 礼は貰った? だと?」


「はい、エレオノーラ様が兜を脱いだ時に、素顔を見せて頂き、お礼の言葉と最高の笑顔も頂きましたから」


「な、な、なに~っ!!! さ、最高の笑顔~~っ!?」


 エレオノーラは虚を衝かれたように驚いた。

 ディーノをまじまじと見る。


 対して、ディーノは、そこまでエレオノーラが驚くのが意外であるようだ。


「ええ、素敵な笑顔でしたよって、……そんなびっくりするとこですか? 顔、紅いっすよ」


「ば、ば、馬鹿者ぉっ!! お前、普段は反応うっすい癖に、いきなりエスプリの効いた事を抜かすから! ど、どきどきして、顔も火照ってしまったではないかああっ!!」


 絶叫するエレオノーラだが…… 

 ディーノが周囲を見回し、


「あの、エレオノーラ様」


「何だ?」


「ただでさえ、目立ってるのに……エレオノーラ様が大声出すからこうなってます」


 気が付けば……

 ディーノの馬車とサフィールに騎乗したエレオノーラは、

 大勢の群衆に取り囲まれていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 大群衆に注目されるエレオノーラは、えっへんと胸を張っていた。

 注目されるのは大好きらしい。


「ふむ……私の美貌がここまで我が王国の民を惹き付けるのか?」


 完全に自分の世界に入り浸るエレオノーラへ、ディーノは言う。


「あの……自画自賛するのは自由ですけど……俺、そろそろ行って構わないっすか?」


 ディーノが去ると聞き、エレオノーラは現実世界へ引き戻される。

 当然、ディーノを引き留める。


「待てぃ!」


 と、その時。


「いやいや、エレオノーラ様。待てというのはこちらのセリフですよ」


 冷ややかな声が響き、群衆が割れた。


「どけどけ! 邪魔だ!」

「アウグスト様のお通りだ!」


 従者らしき少年ふたりが大袈裟に手を振り回しながら、人々を威嚇する。


 現れたのは、豪奢な服を着込んだ、がっちりした体格の青年である。

 この青年がアウグストなのだろう。


 アウグストは眉間にしわを寄せ、不機嫌そうな表情だ。

 何となく冷たい爬虫類を思わせるような顔つきでもあった。


 改めてディーノが見やれば……

 アウグストの年齢は20歳になるかならないかくらいだ。


「おやおや……大事な約束をすっぽかして今、お戻りですかな、エレオノーラ様」


 皮肉っぽい物言いで、アウグストはエレオノーラを責めた。

 対して、エレオノーラも動じず、しれっと返す。


「ふむ……アウグスト殿。体調不良だったから致し方ない。許されよ」


「体調不良? 平気で馬に乗るなど、全くそうは見えないが」


「ふっ、屋敷で少し休んだら、回復したから、気分転換で遠乗りに出かけた。ただそれだけの事だ。貴方にとやかく言われる事ではない!」


 きっぱりと言い切るエレオノーラ。

 と、ここでディーノが口をはさむ。


「あの~、エレオノーラ様。お取り込み中のようなので、俺はこれで失礼しまっす」


 ディーノの言葉を聞き、エレオノーラの口調に力が入る。

 熱が帯びる。


「何言ってる、ディーノ! お前は我が屋敷へ泊るのだ! 今夜は私と、夜通し話すのだぞ!」


 エレオノーラが発した衝撃の発言を聞き、ディーノは慌てた。

 大いに誤解され、とんでもなくややこしくなる予感がする!


「うわ! 泊まるとか、夜通し話すって、そんな事言ったら、絶対この人怒りますよ」


「聞こえたぞ! エレオノーラ! お前、私との約束をすっぽかし、このようなガキと乳繰り合っていたのかっ!」


 アウグストの叱責を聞いても、エレオノーラは動じず、逆に面白そうに笑う。


「ははは、アウグスト殿には、そう見えるか?」


「その上、夜通し話すだとっ! ふ、ふ、不埒ふらちなっ! ゆ、許さんぞっ!」


「な~にが許さんだっ! 父上の立場を考え、下手したでに出ていればいい気になりおって。格下侯爵家のバカ息子が、いい加減にしろ!」


「ば、ばか息子だと!」


「おう、アウグスト! 貴様が真性の馬鹿だからそう言った! それよりお前、格下の癖に、公爵家令嬢の私を呼び捨てにしたな、許さんぞ!」


「くっそ~~っっ! 侮辱しおって、公爵家でも、女でも許さ~~んっっ! け、決闘だあああっ!!」


「はは、構わないぞ、すぐに受けてやる!」


「おっし! 望むところだ、ならば、エレオノーラ! 剣を抜け!」


「たわけ! ここは市内のど真ん中、斬った張ったの戦場や闘技場ではないわっ! 勝負は剣ではない! すぐ決着がつく腕相撲だ」


「ぐぐぐ……腕相撲か! ……良いだろう! 勝負だぁ!!」


「それと……」


「な、何だっ! まだ何かあるのかっ!」


「うむ、決闘の相手は私ではなく、このディーノだ」


「よ~し、分かったぁ! 私が、このガキに勝てば良いんだなぁ!!」


「は? はいい~~っ!?」


 いつの間にか……

 激怒したアウグストの決闘の相手にさせられ……

 ディーノは絶句したのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


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