第189話「いきなり決闘!?」
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ぱっかぽこ!
ぱっかぽこ!
がたがたがたがた……
ぱっかぽこ!
ぱっかぽこ!
がたがたがたがた……
街道と同じような……
否、ずっと良い音だが、蹄と馬車の車輪が交錯する音が、
相変わらず続いていた。
周囲の光景も全く変わっており、
ヴァレンタイン王国とは全く違う街並みが続いている。
「あの~」
「何だ? ディーノ」
「とっくにロフスキへ入ったんですけど……エレオノーラ様は、どこまで着いて来るつもりですか?」
そう……
ディーノが言う通り、既にここはロドニア王都ロフスキ市内である。
エレオノーラはず~~っと、ディーノの真横に居るのである。
「どこまで着いて来るつもりだと? 馬鹿者! そんな事は決まってる!」
「はあ……決まってるって」
「私とサフィールの気が済むまでだ!」
「エレオノーラ様と馬の気が済むまでだって……もう勘弁してくださいよ」
「構わないじゃないか! 私がお前に勝手についていくだけだ!」
「いや、勝手にって……はっきり言って迷惑です。俺、今夜の宿探ししなくちゃいけないし、市内観光だってしたいし……」
ディーノが抗議すると、エレオノーラは「にやっ」と笑う。
「ふっ、ならば、お前の目的は、両方が、即解決だ!」
「は? 両方が、即解決?」
「うむ! 宿なら我が屋敷へ泊るが良い! 観光なら、私自ら案内してやる! この王都ロフスキは我が生まれ故郷だ!」
エレオノーラの『提案』を聞いたディーノは首を振った。
「いえいえ、両方ともご遠慮します。貴族の屋敷なんて昔を思い出して嫌だし、観光も自分の好きな場所へ自由に行きたいので」
「駄目だ! 難儀した私に尽力してくれた礼もせず、お前とこのまま別れては、騎士の道に反する!」
「いや、何か、凄く立派な物言いですけど……俺の希望や都合を完全無視で、語るロジックが見事に破綻してますから」
「何だと!」
「それにお礼はもう頂きました、エレオノーラ様からは」
「私から? 礼は貰った? だと?」
「はい、エレオノーラ様が兜を脱いだ時に、素顔を見せて頂き、お礼の言葉と最高の笑顔も頂きましたから」
「な、な、なに~っ!!! さ、最高の笑顔~~っ!?」
エレオノーラは虚を衝かれたように驚いた。
ディーノをまじまじと見る。
対して、ディーノは、そこまでエレオノーラが驚くのが意外であるようだ。
「ええ、素敵な笑顔でしたよって、……そんなびっくりするとこですか? 顔、紅いっすよ」
「ば、ば、馬鹿者ぉっ!! お前、普段は反応うっすい癖に、いきなりエスプリの効いた事を抜かすから! ど、どきどきして、顔も火照ってしまったではないかああっ!!」
絶叫するエレオノーラだが……
ディーノが周囲を見回し、
「あの、エレオノーラ様」
「何だ?」
「ただでさえ、目立ってるのに……エレオノーラ様が大声出すからこうなってます」
気が付けば……
ディーノの馬車とサフィールに騎乗したエレオノーラは、
大勢の群衆に取り囲まれていたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
大群衆に注目されるエレオノーラは、えっへんと胸を張っていた。
注目されるのは大好きらしい。
「ふむ……私の美貌がここまで我が王国の民を惹き付けるのか?」
完全に自分の世界に入り浸るエレオノーラへ、ディーノは言う。
「あの……自画自賛するのは自由ですけど……俺、そろそろ行って構わないっすか?」
ディーノが去ると聞き、エレオノーラは現実世界へ引き戻される。
当然、ディーノを引き留める。
「待てぃ!」
と、その時。
「いやいや、エレオノーラ様。待てというのはこちらのセリフですよ」
冷ややかな声が響き、群衆が割れた。
「どけどけ! 邪魔だ!」
「アウグスト様のお通りだ!」
従者らしき少年ふたりが大袈裟に手を振り回しながら、人々を威嚇する。
現れたのは、豪奢な服を着込んだ、がっちりした体格の青年である。
この青年がアウグストなのだろう。
アウグストは眉間にしわを寄せ、不機嫌そうな表情だ。
何となく冷たい爬虫類を思わせるような顔つきでもあった。
改めてディーノが見やれば……
アウグストの年齢は20歳になるかならないかくらいだ。
「おやおや……大事な約束をすっぽかして今、お戻りですかな、エレオノーラ様」
皮肉っぽい物言いで、アウグストはエレオノーラを責めた。
対して、エレオノーラも動じず、しれっと返す。
「ふむ……アウグスト殿。体調不良だったから致し方ない。許されよ」
「体調不良? 平気で馬に乗るなど、全くそうは見えないが」
「ふっ、屋敷で少し休んだら、回復したから、気分転換で遠乗りに出かけた。ただそれだけの事だ。貴方にとやかく言われる事ではない!」
きっぱりと言い切るエレオノーラ。
と、ここでディーノが口をはさむ。
「あの~、エレオノーラ様。お取り込み中のようなので、俺はこれで失礼しまっす」
ディーノの言葉を聞き、エレオノーラの口調に力が入る。
熱が帯びる。
「何言ってる、ディーノ! お前は我が屋敷へ泊るのだ! 今夜は私と、夜通し話すのだぞ!」
エレオノーラが発した衝撃の発言を聞き、ディーノは慌てた。
大いに誤解され、とんでもなくややこしくなる予感がする!
「うわ! 泊まるとか、夜通し話すって、そんな事言ったら、絶対この人怒りますよ」
「聞こえたぞ! エレオノーラ! お前、私との約束をすっぽかし、このようなガキと乳繰り合っていたのかっ!」
アウグストの叱責を聞いても、エレオノーラは動じず、逆に面白そうに笑う。
「ははは、アウグスト殿には、そう見えるか?」
「その上、夜通し話すだとっ! ふ、ふ、不埒なっ! ゆ、許さんぞっ!」
「な~にが許さんだっ! 父上の立場を考え、下手に出ていればいい気になりおって。格下侯爵家のバカ息子が、いい加減にしろ!」
「ば、ばか息子だと!」
「おう、アウグスト! 貴様が真性の馬鹿だからそう言った! それよりお前、格下の癖に、公爵家令嬢の私を呼び捨てにしたな、許さんぞ!」
「くっそ~~っっ! 侮辱しおって、公爵家でも、女でも許さ~~んっっ! け、決闘だあああっ!!」
「はは、構わないぞ、すぐに受けてやる!」
「おっし! 望むところだ、ならば、エレオノーラ! 剣を抜け!」
「たわけ! ここは市内のど真ん中、斬った張ったの戦場や闘技場ではないわっ! 勝負は剣ではない! すぐ決着がつく腕相撲だ」
「ぐぐぐ……腕相撲か! ……良いだろう! 勝負だぁ!!」
「それと……」
「な、何だっ! まだ何かあるのかっ!」
「うむ、決闘の相手は私ではなく、このディーノだ」
「よ~し、分かったぁ! 私が、このガキに勝てば良いんだなぁ!!」
「は? はいい~~っ!?」
いつの間にか……
激怒したアウグストの決闘の相手にさせられ……
ディーノは絶句したのであった。
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