第184話「次の地へ……」
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翌朝……
ポミエ村の正門前にはすでに村民達がいっぱいだった。
旅立つディーノを見送ろうと集まって来たのである。
やはり……
一昨日のバーベキューパーティーが大きかった。
ディーノが村民達と直接やりとりした事が、心の距離を縮めていた。
そもそも楓村やポミエ村のような小村は安全上『よそ者』を嫌う。
街道から村道を設け、少し離れたところ土地を開いてに住むのは、
耕作地が狭くなるからという理由だけではないのだ。
村民は基本、排他的であり、最初から喧嘩腰だったダヴィドの反応は、
至極真っ当なものと言えよう。
さてさて!
旅支度が終わり、戦友3人も馬車へ乗り込んでいる。
御者台に座ったディ―ノへ次々に声がかかる。
「オークどもを倒してくれてありがとなぁ!」
「坊主! また来てくれよぉ!」
「今度は俺っちが、いっぱいご馳走してやる。焼き立て鹿のステーキなんかどうだ?」
村民達の傍らで、村長のマチューも満足そうに頷いていた。
マチューのへそくり……
秘蔵の金貨は、だいぶ減ってしまった。
だが、脅威となるオークは殲滅され、村民達はとても前向きに、
そして気持ちがひとつになった。
だから、金貨20枚など安いもの。
いざとなれば、必要経費として領主様に請求するか、
納める税金から引いて貰えば構わない。
そう、ちゃっかりと計算していた。
一方……
出発するディーノの姿を寂しそうに見守るのは、やはり助けて貰ったノエルとアニエスの母子である。
昨夜3人は夕食をともにした。
あまりにもディーノが美味そうに食べるので……
腕によりをかけて料理を作ったノエルはとても嬉しくなった。
傍について、かいがいしく給仕をするアニエスもず~っと笑顔だった。
しかし食事の後、ディーノはふたりへ、旅立つ事を告げたのである。
別れを告げられてから、ず~っとアニエスの表情はさえない。
ノエルも同様である。
「うう、お兄ちゃわん、やっぱり行っちゃうんだ……」
「ええ、アニエス。来てすぐに行っちゃうなんて、せっかく仲良くなったのに、とても寂しくなるわよね」
「うん……ママも、お兄ちゃわんの事が好きでしょ? アニエスは、お兄ちゃわん、大大大好きなんだもん……」
そんなふたりに対し、アルバンが笑いながら言う。
普段から母子とは仲が良いらしい。
「おい、ノエル」
「何?」
「お前、いっそのこと、逆ナンしてディーノの嫁になっちまえ。確か、年下でもOKとか言ってたよな」
「はあ? 何言ってんのあんたは」
「そうだよ! お兄ちゃわんのお嫁さんは、私がなるんだからあ!」
アニエスが不満そうに頬を膨らませると、アルバンは手をひらひらと振った。
否定の意思表示である。
「駄目駄目。アニエスはあと8年経って16歳にならないと結婚は無理だ。あいつは15歳だと言っていたから、8年後ならばお似合いかもしれんな」
「う~! い~っだ! アルバンの馬鹿ぁ!」
思いっきり舌を出したアニエスを、ノエルはたしなめる。
「ほらほら、アニエス。ディーノさんが出発するわよ」
母に言われ、アニエスの顔はくしゃくしゃ。
目には大粒の涙が浮かんでいた。
「あああっ! お兄ちゃわんが行っちゃう! ううう~」
「泣かないの、アニエス」
「ママぁ……」
「世の中にはね、私達みたいにディーノさんの助けを、今か今かと待っている人がきっと居るわ」
「ママ……」
「アニエス、聞いて。確かに別れは辛い。けれど、ママはね。そんな人がひとりでも多く助かって欲しい! ディーノさんと出会って欲しい! そう思うの」
「……う、うん! 分かった! アニエスはね! 元気良く見送る!」
「ええ、そうしましょ! それにまた、ディーノさんにはきっと会える。そんな気がするわ」
愛娘を慰めながら、ノエルも瞼の裏がじんと熱くなる。
実はノエルにも、ジェトレ銀河商会の会頭クロティルド同様に、
幼い頃、死に別れた弟が居た。
姉思いの弟で、いつも自分をかばってくれたという思い出がある。
今更ながら思う。
ディーノの姿に……
彼の優しい微笑みに、亡き弟を重ねていたやもしれない。
いや……亡き弟が創世神様へお願いして、ディーノを遣わしてくれた。
そして、危機に陥った自分と娘を守り、命を救ってくれた。
きっとそうに違いない。
絶対!!
つらつらと考えるノエルの思いは、ディーノが告げる別れの声で破られる。
「では、皆さぁん! さようならぁ! また来ますよぉ!」
慌てたノエルはアニエスを促し、他の村民達と一緒に声を張り上げる。
「さようならぁ! ディーノさぁん!!」
「お兄っちゃわ~ん!! ばいば~い!!」
別れを惜しむ声の中……
ダヴィドにより、村の門が大きく開け放たれる。
ゆっくりと出て行く馬車を、見送りながら……
「ディーノさん、また会いましょ! 必ずね!」
ノエルは愛娘と共に、大きく手を打ち振っていたのである。
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