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第182話「魔法剣士、究極の戦い」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

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皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

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 ディーノが止める間もなく、

 ヴィヴィはひらりと宙返りし、岩から軽々と飛び降りた。


 そして、憤怒のオークどもを、


『かも~ん! かかって来なさ~いっ』


 指を「くいくいっ」と曲げ、にこにこしながら挑発した。


 ディーノは考える。

 超近距離の転移魔法を使ったバトルスタイルとは……

 予想は付く。

 予想は付くが、言うは易く行うは難し。


 どちらにしてもヴィヴィが手本を見せるとまで告げている。

 必ず役に立ち、自分の為にもなる!

 そう、確信した。


『ダーリン、まずは私が通常バトルを見せる!』


『通常バトル、普通に戦うって事ですね?』


『いえーす! 通常といっても貴方は既に、ルイ・サレオンの魔法指輪、ペンタグラム、そして私の与えた地母神の祝福で常人を遥かに超えた魔人の能力を有している! 心身ともにねっ!』


『た、確かに!』


『まあ、百聞は一見に如かず! まずは見てなさいっ!』


『了解!』


 ディーノの返事が終わるか、終わらないというタイミングで、

 オークどもがヴィヴィへ襲いかかった。


 瞬間!


 ヴィヴィの姿が「ぶれた」ように揺れ、掻き消える。

 ……ように常人には見えただろう。


 しかし超絶的となった視力、魔力の追跡で、

 ディーノには、はっきりとヴィヴィの動きが見えた。

 否、見切る事さえも出来た。


 ディーノには分かる。

 多分……高速で移動するヴィヴィには、

 目の前のオークどもが「止まって見える」はずだと。


 ヴィヴィは腰から、魔法剣らしきショートソードを提げていた。

 しかしオークに立ち向かうヴィヴィは抜剣していない。


 一体、どのように戦うのだろう?


 ディーノが注視していると、

 至近距離で、拳、蹴りを繰り出し、オークどもの肉体を打ち砕いて行く。

 そして更に、岩弾らしき攻撃魔法も至近距離から連発し、またもオークどもを粉々に。

 肉弾戦と魔法を織り交ぜ、変幻自在に戦い続けた。


 確かにこの戦いは、参考になる!!

 と、ディーノは実感する。

 

 戦いに目覚めた本能が、ディーノの内なる声が、

 ぜひ試せ!

 かならず実践せよ!

 とささやいて来る。


 当然というか。やはりヴィヴィは強い!

 さすが、大地を統べる地界王の愛娘だ。


 少女の如き、華奢な身体から、まるで猛き戦女神のように、

 強力な攻撃を繰り出して行く。

 相手がオークのような雑魚?であっても、けして手を抜いたりはしない。


 ヴィヴィの心が伝わって来る。

 精霊は……

 一旦戦いに身を投じれば、情を交えず相手を倒すと。


 あっという間に……

 おびただしいオークの残骸が積み重なった。


『ダーリン! ここからが本番よ!』


 ヴィヴィが二ッと笑う。

 と、同時に!

 彼女の戦法がガラリと変わる。


 ヴィヴィはいきなり抜剣したのである。

 抜き放った魔法剣の刀身は妖しく紅く輝いていた。

 多分、オリハルコン製なのだろう。


 瞬間!

 ヴィヴィの姿が消えた。

 今度は本当に消えた。

 ディーノの卓越した肉眼でも捉えられない。


 魔力の放出で、ヴィヴィが転移魔法を使ったと分かる。

 そのヴィヴィが現れたのは元居た場所から10mほど離れた、オークの眼前である。


 何のためらいもない、ヴィヴィは無造作に剣を振るう。

 格闘や魔法だけではなく、ヴィヴィは剣技も見事だった。


 いきなり現れたヴィヴィに驚く間もなく、

 あっさりとオークは脳天から見事に断ち斬られた。

 当然、即死している。


 単なる肉塊となったオークを見て、ヴィヴィは再び「にいっ」と笑い、

 素早く納剣。

 「ピン!」と指を鳴らす。

 無詠唱の転移魔法が発動され、ヴィヴィは再び、巨石の上に、

 ディーノの傍らへ戻っていた。


『どう? 私の戦いは、ダーリンの参考になったでしょ?』


 屈託なく笑うヴィヴィ。


 ディーノは思う。

 間違いなく、彼女も師であると同時に『戦友』でもあると。 

 当然、質問にも肯定する。


『ええ! 大いに参考となりました!』


『うんうん! 私の戦い方に貴方の魔法剣、風と火を組み合わせれば、バリエーションが更に広がる』


『はい!』


『もしも! 貴方と同レベルの強敵と相対した時』


『はい! 俺と同レベルの強敵と相対した時……使うんですね!』


『いえ~す! 更に相手の上を行き、圧倒的な主導権を握る為に、超近距離の転移魔法を使うのよ』


『な、成る程!』


『最後にとどめはぁ、転移魔法プラス、貴方のいうゼロ迫撃をぶっ放し、魂砕いて、相手を無にし、ジ、エンド! ってワケ。カッコ良いでしょ?』


『確かに! それなら不死といわれる悪魔にも勝てますね?』


『まあ、大抵の悪魔なら楽勝! どう、魔人に相応しい戦い方でしょ?』


『です!』


『あ、そうそう! オリエンス様に怒られるから補足するけどぉ』


『え? オリエンス様に?』


『うん! 今の戦い方に飛翔魔法を織り交ぜれば、一分の隙もなく完璧って事! 覚えといて!』


『激しく同意! パーフェクトです!!』


『よっし! じゃあ……だいぶ倒しちゃったけど、とっときの親玉残しといたから、まとめて倒しちゃってくれる?』


 ヴィヴィはそう言うと、生き残った数十頭のオークに守られた、

 ひと際大きい一頭のオークを指さした。


 そのオークは……

 突如生まれた変異種、または上位種と呼ばれるオークであり、

 身体能力は勿論、知能も並のオークより遥かに優れていた。

 冒険者達には、オークジェネラルと呼ばれ、群れのリーダーを務める事も多いようだ。


『了解です!』


 ディーノはそう言うと、同時に転移魔法の言霊を詠唱。

 瞬時にオークジェネラル達の目前に現れた。


 ごあああああああああああっ!

 がおおおおおおおおおおおっ!

 ぐあああああああああああっ!


 いきなり現れたディーノを見たオークどもは……

 驚き戸惑いながらも、リーダーを守ろうとする。


 魔物ながら、健気だと思う。

 ディーノの心にわずかに迷いが生じる。


 しかし先ほどのヴィヴィの戦いぶり、

 一旦戦いに身を投じれば、情を交えず相手を倒すという意思。


 そして先日、ダヴィドに伝えた己の言葉が甦る。

 守るべき大事な人が……魔物に喰い殺される事を思い浮かべてみろ!と……


 ノエルとアニエスは、犠牲になる寸前だった……

 よそ者の自分に、温かく優しく接してくれたポミエ村の村民達の為、

 脅威となるオークどもを絶対殲滅しなくてはならない!


 咆哮するオーク達を冷たく見つめたディーノは、

 拳を固く握りしめると、


「うおおおおおおおおおおおおおおおお~~っ!!!」


 負けじと咆哮し、突っ込んだ。


 ビルドアップしたディーノの拳が、蹴りが飛ぶ。

 オークの首を掴み、振り回して投げ飛ばす。

 襲いかかるオークどもの身体は結構頑健ではある。

 だが、『本気』を出したディーノにとっては、

 まるで溶けたバターのように軟弱だ。


 よし!

 とディーノは剣を抜き放った

 計るようにオークジェネラルを見据えた。


 瞬間!

 

 ディーノの姿は掻き消えていた。

 ヴィヴィ直伝の超近距離転移魔法を使ったのだ。


『!!!』


 オークジェネラルは驚愕していた。

 いきなり人間が目の前に浮いていたからだ。

 距離は1mもない。


 ディーノが宙に浮かぶ様が、目を大きく見開くオークジェネラルが、

 この世で見た、最後の光景であった。


 ためらいなくディーノは、剣を鋭く水平に斬り、『標的の首』を、

 あっさり落としていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。

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