第181話「ハイジャンプのレベルあ~っぷ!!」
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ディーノはさりげなくオルトロスの件を聞いてみた。
どうして異界へ帰還させたのか?
味方は多い方が、絶対有利なのにと不思議に思っていたからだ。
しかし、ヴィヴィはしっかり計算をしていた。
彼女の『深謀遠慮』と言い換えても良かった。
『ダメダメ、《犬弟》が居れば、ついダーリンを助けちゃうでしょ。ダーリンも頼っちゃうし。それじゃあ修行にならないもの』
『そうか、それで、オルトロスを戻したんですね』
『いえーす!』
『な、成る程。またまた話は変わりますが、もうひとつ聞いても良いですか?』
『なあに?』
『ヴィヴィ様は、結局ステファニー様を助ける形になりましたけど……良いんですか?』
『全然OK! 構いませ~ん!! ノープロブレムですぅ!』
『ノープロブレムですぅって……』
『ほらぁ! 言ったでしょ? 私ヴィヴィは寛容力の化身だって。それに同じ女子として、恋に一途なステファニーちゃんには、ラストチャンスをあげたくなったの』
『ラストチャンスですか』
『うん、恋のラストチャンス! 私は真摯な女子の味方。不器用過ぎるけど、まっすぐなステファニーちゃんに加護をあげたくなったのよ』
『成る程……同性だからって事ですね』
『いえ~す! あと、もうひとつ! ダーリンが強くなったのは、けして魔法の指輪や力を継いだだけじゃない。私やオリエンス様が与えた加護も、イレギュラーなボーナスポイントみたいなものよ』
『……何となく、ヴィヴィ様が言いたい事が分かります』
『でしょ?』
『はい……俺が心身ともに強くなったのは、皮肉な事ですが、ステファニー様に、ガンガン鍛えられたお陰ですもの』
『その通り! 分かってるじゃな~い! だぁって! ダーリンは来る日も、来る日も、来る日も、来る日も、来る日も……も~数え切れないくらい、ず~っとあの子のわがままを聞いて、高難度の要望を、たく~さんクリアしていたよね?』
『はい……掃除、洗濯、裁縫、料理などの家事一般。散髪、肩もみに、お使い、買い物の付き合い&荷物運び、本の読み聞かせ、手紙の代筆。剣技と格闘術の練習台。乗馬、水泳に狩りの勢子、それ以外に基礎トレーニングとして、ダッシュ&ランニングが1日1時間から3時間、腕立て伏せ、腹筋運動各100回以上。あと縛りっことか変態チックなものも含め……24時間びっしり、それが4年間ず~っと毎日休みなし……まるで無間地獄のようでした』
『でも! 禍を転じて福と為す! 怪我の功名! 雨降って地固まる! 結果オーライ! 知らない間にぃ、鍛えに鍛えられたダーリンはぁ! 経験値をず~っとず~っとい~っぱい、積んでいたのよ』
『ええ、そうですね……結果的には。まあ、ステファニー様に仕えていた4年の間には何度も何度も死にかけましたが……』
『でもでも! 死にかける度に強くなるって、なんか凄いじゃない!』
『まあ、どこかで聞いたような設定ですけどね……』
『結果、溜めていた莫大な経験値に、いろんなボーナスポイントが加わって、ハイジャンプのレベルあ~っぷ!! いわば、レベル1からレベル10、20、30、40、50、そしてぇ! 限界値の100も一気に超えたって感じかしらね』
『そして、魔人が一丁出来上がり! ってオチですね?』
『いえ~す! ちょい悪の優しい魔人がひとり、出来上がりよ~!!』
『はあ、ちょい悪魔人になったのは、構いませんが……少し気になります』
『少し気になるって何が?』
『言ってましたよね、ステファニー様が……俺の事を永遠に待つって、さすがに、ズシンと重いっす……』
『いいじゃない! あの子はあんなに前向きになったし、ダーリンの言う冷却期間をあげたと思えば』
『冷却期間……ですか?』
『ええ、冷却期間よ。あれほど、ダーリンへ熱い想いを持つステファニーちゃんが心変わりする可能性は極めて低い。けれど、全くのゼロじゃない。人間というのは時に気持ちをガラリと変える生き物だから……』
『な、成る程……達観してますね』
『ダーリンもねっ!』
『同意します、そうかもしれません』
『ははははは!』
『あはははっ!』
ふたりが笑い合った、その時。
ごあああああああああああっ!
がおおおおおおおおおおおっ!
ぐあああああああああああっ!
再び、オークどもが咆哮した。
仲間を殺された上、ディーノとヴィヴィの態度と物言いを見て、聞いて、
バカにされたと思ったのか……
どうやら怒りの頂点を遥かに超えているらしく、
全てのオークが憤怒の表情である。
しかし、相変わらずふたりの反応は変わらない。
『で、ヴィヴィ様。こいつらどうします?』
『当然、やっつける。修行の続きよ』
『成る程、修行の続きですか?』
『そう、新しい戦い方を教えてあげるっ!』
『新しい戦い方?』
またもヴィヴィによる授業の再開らしい。
ありがたい話だが……一体……
つらつら考えるディーノへ、ヴィヴィの話は続く。
『ダーリンは身体機能全てがビルドアップされてるけどぉ、魔力量も普通の人間魔法使いの100万倍はあるわ』
『ま、魔力量が!? ひゃ、100万倍ぃぃ!? なんすか? それぇぇ!!!』
『だからあ! ダーリンは魔人だって言ったでしょ? それに魔力を使い切っても倒れないし、ほんの数分で満タンに復活するから、魔法が使い放題っ!』
『いや……それって凄く、ありがたいんですけど……もう完全に人間じゃないですよね、俺……』
『だからかぁ! 本当に魔人なんだって、それもちょい悪の優しい魔人ねっ!』
ヴィヴィの言葉にディーノは後押しされ、開き直った。
『了解! もうやけくそ! 俺ディーノ・ジェラルディは、ちょい悪の優しい魔人を目指しまっす!』
『宜しい! じゃあディーノに役立つ、新たな戦いの見本を見せまっす!』
『新たな戦いの見本?』
『そうよ、超近距離の転移魔法を使ったバトルスタイルよ』
『え? 超近距離の転移魔法を使ったバトルスタイル?』
『そうよっ! 良~く見てなさいっ! 手本を見せるからっ!』
『あ! ヴィヴィ様っ!』
ディーノが止める間もなく、
ヴィヴィはひらりと宙返りし、岩から軽々と飛び降りた。
そして、憤怒のオークどもを、
『かも~ん! かかって来なさ~いっ』
指を「くいくいっ」と曲げ、にこにこしながら挑発したのである。
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