表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

181/337

第181話「ハイジャンプのレベルあ~っぷ!!」

⛤特報! 『重版』決定!!


『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!


皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。

※宜しければ小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。

 ディーノはさりげなくオルトロスの件を聞いてみた。

 どうして異界へ帰還させたのか?

 味方は多い方が、絶対有利なのにと不思議に思っていたからだ。


 しかし、ヴィヴィはしっかり計算をしていた。

 彼女の『深謀遠慮』と言い換えても良かった。


『ダメダメ、《犬弟》が居れば、ついダーリンを助けちゃうでしょ。ダーリンも頼っちゃうし。それじゃあ修行にならないもの』


『そうか、それで、オルトロスを戻したんですね』


『いえーす!』


『な、成る程。またまた話は変わりますが、もうひとつ聞いても良いですか?』


『なあに?』


『ヴィヴィ様は、結局ステファニー様を助ける形になりましたけど……良いんですか?』


『全然OK! 構いませ~ん!! ノープロブレムですぅ!』


『ノープロブレムですぅって……』


『ほらぁ! 言ったでしょ? 私ヴィヴィは寛容力の化身だって。それに同じ女子として、恋に一途なステファニーちゃんには、ラストチャンスをあげたくなったの』


『ラストチャンスですか』


『うん、恋のラストチャンス! 私は真摯しんしな女子の味方。不器用過ぎるけど、まっすぐなステファニーちゃんに加護をあげたくなったのよ』


『成る程……同性だからって事ですね』


『いえ~す! あと、もうひとつ! ダーリンが強くなったのは、けして魔法の指輪や力を継いだだけじゃない。私やオリエンス様が与えた加護も、イレギュラーなボーナスポイントみたいなものよ』


『……何となく、ヴィヴィ様が言いたい事が分かります』


『でしょ?』


『はい……俺が心身ともに強くなったのは、皮肉な事ですが、ステファニー様に、ガンガン鍛えられたお陰ですもの』


『その通り! 分かってるじゃな~い! だぁって! ダーリンは来る日も、来る日も、来る日も、来る日も、来る日も……も~数え切れないくらい、ず~っとあの子のわがままを聞いて、高難度の要望を、たく~さんクリアしていたよね?』


『はい……掃除、洗濯、裁縫、料理などの家事一般。散髪、肩もみに、お使い、買い物の付き合い&荷物運び、本の読み聞かせ、手紙の代筆。剣技と格闘術の練習台。乗馬、水泳に狩りの勢子、それ以外に基礎トレーニングとして、ダッシュ&ランニングが1日1時間から3時間、腕立て伏せ、腹筋運動各100回以上。あと縛りっことか変態チックなものも含め……24時間びっしり、それが4年間ず~っと毎日休みなし……まるで無間地獄のようでした』


『でも! 禍を転じて福と為す! 怪我の功名! 雨降って地固まる! 結果オーライ! 知らない間にぃ、鍛えに鍛えられたダーリンはぁ! 経験値をず~っとず~っとい~っぱい、積んでいたのよ』


『ええ、そうですね……結果的には。まあ、ステファニー様に仕えていた4年の間には何度も何度も死にかけましたが……』


『でもでも! 死にかける度に強くなるって、なんか凄いじゃない!』


『まあ、どこかで聞いたような設定ですけどね……』


『結果、溜めていた莫大な経験値に、いろんなボーナスポイントが加わって、ハイジャンプのレベルあ~っぷ!! いわば、レベル1からレベル10、20、30、40、50、そしてぇ! 限界値の100も一気に超えたって感じかしらね』


『そして、魔人が一丁出来上がり! ってオチですね?』


『いえ~す! ちょい悪の優しい魔人がひとり、出来上がりよ~!!』


『はあ、ちょい悪魔人になったのは、構いませんが……少し気になります』


『少し気になるって何が?』


『言ってましたよね、ステファニー様が……俺の事を永遠に待つって、さすがに、ズシンと重いっす……』


『いいじゃない! あの子はあんなに前向きになったし、ダーリンの言う冷却期間をあげたと思えば』


『冷却期間……ですか?』


『ええ、冷却期間よ。あれほど、ダーリンへ熱い想いを持つステファニーちゃんが心変わりする可能性は極めて低い。けれど、全くのゼロじゃない。人間というのは時に気持ちをガラリと変える生き物だから……』


『な、成る程……達観してますね』


『ダーリンもねっ!』


『同意します、そうかもしれません』


『ははははは!』

『あはははっ!』


 ふたりが笑い合った、その時。


 ごあああああああああああっ!

 がおおおおおおおおおおおっ!

 ぐあああああああああああっ!


 再び、オークどもが咆哮した。

 仲間を殺された上、ディーノとヴィヴィの態度と物言いを見て、聞いて、

 バカにされたと思ったのか……


 どうやら怒りの頂点を遥かに超えているらしく、

 全てのオークが憤怒の表情である。


 しかし、相変わらずふたりの反応は変わらない。


『で、ヴィヴィ様。こいつらどうします?』


『当然、やっつける。修行の続きよ』


『成る程、修行の続きですか?』


『そう、新しい戦い方を教えてあげるっ!』


『新しい戦い方?』


 またもヴィヴィによる授業の再開らしい。

 ありがたい話だが……一体……

 

 つらつら考えるディーノへ、ヴィヴィの話は続く。


『ダーリンは身体機能全てがビルドアップされてるけどぉ、魔力量も普通の人間魔法使いの100万倍はあるわ』


『ま、魔力量が!? ひゃ、100万倍ぃぃ!? なんすか? それぇぇ!!!』


『だからあ! ダーリンは魔人だって言ったでしょ? それに魔力を使い切っても倒れないし、ほんの数分で満タンに復活するから、魔法が使い放題っ!』


『いや……それって凄く、ありがたいんですけど……もう完全に人間じゃないですよね、俺……』


『だからかぁ! 本当に魔人なんだって、それもちょい悪の優しい魔人ねっ!』


 ヴィヴィの言葉にディーノは後押しされ、開き直った。


『了解! もうやけくそ! 俺ディーノ・ジェラルディは、ちょい悪の優しい魔人を目指しまっす!』


『宜しい! じゃあディーノに役立つ、新たな戦いの見本を見せまっす!』


『新たな戦いの見本?』


『そうよ、超近距離の転移魔法を使ったバトルスタイルよ』


『え? 超近距離の転移魔法を使ったバトルスタイル?』


『そうよっ! 良~く見てなさいっ! 手本を見せるからっ!』


『あ! ヴィヴィ様っ!』


 ディーノが止める間もなく、

 ヴィヴィはひらりと宙返りし、岩から軽々と飛び降りた。


 そして、憤怒のオークどもを、


『かも~ん! かかって来なさ~いっ』


 指を「くいくいっ」と曲げ、にこにこしながら挑発したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』大好評発売中!!

書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

第1巻~2巻も大好評発売中!


特報!

皆様のご愛読と応援により

コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!

ありがとうございます。

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆『8月18日発売』の月刊Gファンタジー9月号に最新話が掲載されております。

一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」

も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ