第180話「優しき精霊」
⛤特報! 『重版』決定!!
『魔法女子学園の助っ人教師』
◎コミカライズ版コミックス
《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》
☆最新刊『第3巻』大好評発売中!
皆様のご愛読と応援により
コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!
ありがとうございます。
書店様で、ぜひお手にお取りください。
※宜しければ小説版《ホビージャパン様HJノベルス刊》第1巻~7巻もあわせてお読み下さい。
ここはポミエ村から少し離れた森の中……
オークの巣であった《過去形》洞窟前……
転移魔法を発動。
一瞬で姿を消したディーノは、10分ほど経ってから戻って来た。
『お待たせしました、ヴィヴィ様。ステファニー様をヴァレンタイン王国の王都セントヘレナへ送って来ました』
『お疲れぃ!』
とヴィヴィはディーノを労わるが……
何故か、ディーノの表情はさえない。
『はあ……でも』
『でもって、どうしたの?』
気になったヴィヴィが尋ねれば……
ディーノは「失敗した!」というように頭を掻いた。
『いやあ、参りました。飛翔魔法の着地同様、転移魔法の制御が今いちで……』
『へぇ、《今いち》だったんだ? だったら、もっともっと練習しなくちゃね!』
ディーノが再びやらかしても……
ヴィヴィは怒らなかった。
否、怒るどころか、優しく労わってくれた。
だが優しくされ、逆にディーノは闘志が湧いて来る。
拳をぎゅっと握りしめる。
『はい! 俺ホントに不器用ですから、死ぬ気で頑張らないとヴィヴィ様に申しわけない。恥ずかしくて地の使徒を名乗れません』
『うふふ、貴方は相変わらず謙虚、そして諦めず挫けずの努力家ね。ありがとう、ダーリン』
恥ずかしくて、地の使徒を名乗れません……
ヴィヴィは……
ディーノの言葉がとても嬉しかったようだ。
更に、ディーノの話は続いている。
『ありがとうなんて、そんな! 全然ダメダメでした。……転移先予定は、目立たない庭のすみっこのはずなのが、何とステファニー様の部下カルメンの、部屋の中でしたから』
ディーノは先日同様、ステファニーの屋敷の庭の端っこをイメージし、
転移魔法を発動した。
だが、上手く行かなかったようなのだ。
先日の記憶が甦ったのか、ヴィヴィがいかにも面白そうに笑う。
『あははははっ、最高、それ! カルメンって、あの時の悪鬼のもうひとりね。ガタイのでっかい、たくましい子よね?』
『はあ、そうです』
『うふふ、今度は、てめぇが主君を拉致したのか~!! って殺されなかった?』
『はあ……お察しの通りっす。やっぱステファニー様が行方不明だと、大騒ぎになってまして、カルメンの奴、この前以上に悪鬼の形相で大剣抜いて襲いかかって来ました! ぶっ殺すぞ~って』
『それでそれで! それからどうしたの?』
『はあ……さすがに、ステファニー様が間に入って止めました』
その時のシーンを思い出したのか、ディーノは大きく息を吐いた。
対して、ヴィヴィは満足そうに頷いている。
『お~、良かったね~。やっぱ、あの子、愛の目覚めは本当だったんだ』
『ステファニー様が? 愛の目覚めですか?』
『うふふ、そうよ! わがままなお子ちゃまから、大人の女への第一歩って感じかしら。で、その先はどうなったの?』
『ステファニー様は大丈夫、大丈夫って、俺に向かって大声で叫びながら、グーパンでカルメンをぶっ飛ばしてました』
『あは! カルメンちゃんをぶっ飛ばしたの?』
『ええ、一応手加減はしてました。カルメンは一発で気絶してましたけど……』
『あは、さっすが、凶暴なメスライオン! でもでも! 本当に良かったじゃん! あの子、ダーリンをかばってくれたんだよ!』
『はい、少し嬉しかったです』
『うふふ、だけどぉ、転移魔法の事はさ、そのカルメンちゃんにもバレちゃったわね?』
『ええ、見事にバレました。しかし、ステファニー様が口止めしとくわ~って、叫んでたんで……多分、大丈夫、秘密は守られると思います』
『よっし! OK!』
とヴィヴィが叫んだ瞬間。
ごあああああああああああっ!
がおおおおおおおおおおおっ!
ぐあああああああああああっ!
凄まじい咆哮が、ふたりを包んだ。
だがふたりは、ちらっと見ただけで、動じたところが全く無い。
倒したはずのオークが100頭を超える大群で取り囲んでいる。
しかし、ヴィヴィは勿論、ディーノも臆さない。
「ふう」と息を吐き、ぽつりと、
『ところで、ヴィヴィ様は何故、この岩の上にいらっしゃるのですかね?』
そう……
ディーノとヴィヴィは巨大な岩の上に居た。
ヴィヴィが、地の魔法で異界から呼び出し、オークどもを押しつぶした、
高さが10mもあろう大岩の上である。
『うん! ここでダーリンを待ってたのよ~ん』
『え? 俺を待ってたんですか? こっちに着いたら、ヴィヴィ様が岩の上に居たんで飛んで来たのですが』
そう、ディーノが転移魔法で戻った時、別部隊らしき、
このオークどもは居なかった。
少し離れた場所に居て、オークどもの気配はつかんではいたが……
ヴィヴィも同様だったらしい。
『うん! 巣に戻るこいつらが近寄って来るのが分かったから、この岩の上で、ダーリンを待ってたのよ~ん』
『成る程……じゃあオルトロスを残しておけば良かったですね』
ディーノはさりげなくオルトロスの件を聞いてみた。
どうして異界へ帰還させたのか?
味方は多い方が、絶対有利なのにと不思議に思っていたからだ。
しかし、ヴィヴィはしっかり計算をしていた。
彼女の『深謀遠慮』と言い換えても良かったのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』大好評発売中!!
書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。
第1巻~2巻も大好評発売中!
特報!
皆様のご愛読と応援により
コミックス第3巻の『重版』が決定致しました!
ありがとうございます。
書店様で、ぜひお手にお取りください。
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
☆『8月18日発売』の月刊Gファンタジー9月号に最新話が掲載されております。
一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」
「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」
も宜しくお願い致します。




