第179話「女傑! 真の愛に目覚める!②」
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ヴィヴィが腕組みをしていた。
平然とステファニーを見つめている。
先の言葉通り、嫉妬に燃える様子はない。
何故なのか、と考え、ディーノにはピンと来た。
ファーストキスをゲットしたのはヴィヴィだからかなと……
後難を避ける為、ステファニーには、必ず黙っておこうと固く誓う。
ここでヴィヴィがステファニーへ呼びかける。
「ステファニーちゃん!」
「はい!」
「どう? 満足した!」
「凄く凄く! 満足しましたっ! 超大満足です! ようやく愛を貫けましたっ! ありがとうございますっ! 全て! 全てがヴィヴィ様のお導きのお陰ですっ!!」
当初の態度はどこへやら……
ステファニーは、完全にヴィヴィへ感謝、否、心酔していた。
と、ここでディーノがストップをかける。
つい相手の力に、勢いに押し流されてしまった。
だが、キスされたからといって、
ステファニーに心底惚れたわけではない。
散々いじられたトラウマがある。
ただ……
少しだけ気持ちの変化はあったかもしれないが……
「ジャストモーメント! ステファニー様」
ディーノがつい長年の癖で『様』付けで呼ぶと、
「ディーノ!」
「はい?」
「頼むから、私を様付けて呼ばないで!」
と、ソフトに教育的指導が入った。
いつまで続く事なのかと疑いながら、ディーノは言い直す。
慣れないので、ひどくぎこちなく呼んでしまう。
「は、はあ……じゃあ、ステファニー」
「じゃあはナシよ!」
「了解!」
どうやら、ステファニーとの掛け合いはお馴染みのモノだ。
だが……
言葉が柔らかくなっている。
そして……
執拗に狙われるという、彼女から発する、どこまでも追いかけて来る、
『猟犬』的重圧が無くなったのは確かであった。
やはり……ステファニーは変わったのか?
と思い、ディーノは言う。
改めて、確かめる為に。
「聞いて欲しい話はふたつ……あります。まずはひとつ。残念ではありますが、ステファニーの愛はまだまだ貫けていません。単なる錯覚です」
「単なる錯覚? 何言ってるの? 今、私のキスで貴方のずっこんとハートを貫いたじゃない?」
何と!
『あんた』から『貴方』へ……
ディーノに対する呼び方が変わっていた。
「あの、ずっこんとハートを貫いたって……まあ確かに……少しだけは、ときめきましたが……そこまでです」
「ちぇっ! 惜しいっ!」
あれ?とディーノは思った。
悔しそうに舌打ちをした、ステファニーが笑顔なのである。
今迄にない余裕を感じさせるのだ。
従来であれば……
間違いなく渾身の『グ~パン』が飛んで来る流れだ。
しかし、そんな気配は全くない。
ステファニーは軽く受け流してしまった。
更にもうひとつの話も気になるようだ。
「ディーノ」
「はい」
「あと、もうひとつとは何よ」
「はい、結構時間が経ちましたので、そろそろステファニーを王都へ送ります」
「送る? どういう事?」
「転移魔法を使い、王都の屋敷へ送ります。早朝からステファニーが居なくなって、カルメンも大騒ぎしているでしょうから」
当たり前のように「しれっ」というディーノ。
さすがにステファニーもびっくりする。
無理もない。
転移魔法は、数多ある魔法の中でも超高難度な魔法であり、
世界でも、行使可能な者が極めて稀と言われているからである。
「はあ!? あ、あ、貴方も使えるのっ!? ヴィ、ヴィヴィ様みたいに転移魔法をっ!」
「はい……その代わり、俺とステファニー……だけの秘密にしてください」
「はいって! あっさり! でもびっくりしたぁ!」
「びっくりしましたか?」
と、ディーノが尋ねると、
ステファニーは「うんうん」と頷く。
「うん! びっくりした! でもさ、ディーノと私がふたりだけの秘密を持つ……何か、インモラル! っていうの? 背徳的で良いわ、嬉しいっ!」
何故か……
話が違う方向へ行きそうな気がする。
もう彼氏、彼女の前提で、会話をしているような気になって来る。
「いや、インモラルとか、背徳的とか、全く違うんですけど……転移魔法の事は、厳秘にして貰えます?」
「良いわよ、約束する! うんうん! 貴方と初めて結ばれる時も、秘密の〇〇とか、そういう会話をしましょうね」
初めて結ばれる時!?
秘密の〇〇!?
やはり……
話が変な方向へ行きつつある。
「何ちゅうことを」
呆れるディーノを見て、ステファニーは笑う。
「うふふふふっ」
「しょうがない人ですね」
さすがにディーノがひと言告げても、
やはり『グ~パン』は飛んで来なかった。
どうしてという疑問に、ステファニーは自ら答える。
「だって! 何か突き抜けちゃったのよ! 今迄やってた事がバカみたいっ!」
ステファニーの言葉に苦笑したディーノは、ヴィヴィに告げる。
「という事で、ヴィヴィ様、ステファニーを王都へ送って来ます」
「了解! ステファニーちゃんを、とっとと王都へ送って来て!」
手を振るヴィヴィ。
そしてステファニーは深く深く、ヴィヴィへ頭を下げる。
「ありがとうございました、ヴィヴィ様。私、王都に帰ります。そしていろいろな手続きを終えた後、エモシオンの城館へ戻って辺境伯になる修業をしながら、ディーノを待ちます」
やはりステファニーには愛に目覚めた女子の余裕が感じられる。
どっしり構えるという雰囲気が半端ない。
対して、何故か、ヴィヴィもノリノリだ。
「OK! 頑張ってね! だけどぉ、ディーノには大事な使命があるからぁ、ステファニーちゃんの下へ行くのは時間が相当かかるかもしれないよっ!」
「構いません! ひたすら、ず~っと、いえ、永遠に待ちますっ!」
永遠!?
再びディーノはびっくりした。
エモシオンで、ステファニーが永遠に待っている?
とんでもないプレッシャーが、ディーノの心へ襲って来る。
「な!? 永遠にって、凄~くズシンと重いんですけど……」
「あはははは、ディーノ。私が勝手に待つんだから、気にしない、気にしない」
笑い飛ばすステファニーは……
今までにない晴れやかな笑顔を、ディーノにしっかりと見せていたのである。
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