第173話「発見!」
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『ええっと……確か、この辺りだよな? どうだいオルトロス』
『ああ、兄貴からはそう聞いてる』
現在……
ディーノとオルトロスが居るのは、ポミエ村から村道を通り、北へ向かうロドニア行きの街道沿い、少し南下し、奥へ入った森の中……である。
昨日、王都から村へ戻る途中、襲われたノエルが気を失い、オークどもに拉致され……巣らしき場所へ運ばれる途中……と思われる地点なのだ。
ディーノが他のオークどもに喰われそうになったアニエスを助けている間……
別行動のケルベロスが追いつき、間一髪というタイミングで、オークどもを追い払ったという次第……
ここからオークどもの本拠地『巣』へはそう遠くないとディーノは判断、
オルトロスも同意したのである。
ディーノとオルトロスは改めて、作戦会議を行う。
『ええっと……オルトロスは、ここから奴らの行方を追えるのかな?』
『当然! 楽勝!』
きっぱりと言い切ったオルトロス。
頼もしい、さすが『一騎当千の戦友』だと、ディーノは思う。
『どうするんだ? 魔獣とはいえ、一応お前は犬だから……匂いをたどるとか? 鋭い嗅覚を使うのか?』
『嗅覚? うむ、それは出来る! 楽勝! 確かに犬なら極めて有効な方法だな』
速攻で、肯定の答えが返って来る。
当然、ディーノは意気込んだ。
『よし! やるか!』
しかし!
更に返された答えは、ディーノにとって意外だった。
『だが断る!』
あっさりと、オルトロスは拒否した。
『え~~? だが断るって何故?』
と、聞くディーノに対し、オルトロスの答えは明快である。
『理由その一、生まれてから一度も身体を洗った事の無い、オークの最悪な臭いなど嗅ぎたくない! 理由その二、他にもっと有効な方法がある!』
『第一の理由』はディーノには充分理解出来る。
アニエスを助けた際、オークの酷い体臭には辟易したからだ。
『オルトロス……その一はどうでも良い理由だからすっ飛ばして削除、二の方が、前向きで正当な理由だと思うけど……』
『シャラップ! 俺は仮にも犬の魔獣。匂いにはこだわるのだ!』
『そうかい……』
『話を戻すとだな、ここに残った奴らの僅かな魔力と、思念の残滓……つまり残留思念をキャッチし、追跡する』
匂いを追う以外に、素敵な提案が出た。
それなら、ノープロブレムだろう。
『へぇ、オルトロスはそんな事が出来るんだ』
『楽勝! 俺と兄貴は元やってた仕事柄、冥界から脱走した亡者の気配を捉え、追跡し、確保する事が可能だ。いわば亡者とは思念の残滓、魔力の塊でもあるからな』
詳しく解説するオルトロス。
ここは褒めるが得策である。
『さっすがあ!』
『ふん、それほどでもねぇや! 早速取りかかるぜ』
『了解!』
という事で……
オルトロスは早速気配を探り始め、鼻を「ひくひく」させている。
どうやら残された『気配』を探っているらしい。
おいおい、鼻を使うって……
匂いを嗅ぐのと全然変わらないじゃん!
と余計なひと言を告げ、突っ込むのは愚の骨頂で野暮。
沈黙は金!
名言である。
間を置かず、オルトロスは気配をキャッチしたようだ。
『よっしゃ、バッチリ! ここから東へ約500m、奴らの気配が続いている!』
『上出来だ! 行こう!』
『うむ、奴らに気付かれないよう、充分注意しながら接近しよう』
『了解!』
こうして……
ディーノとオルトロスは、オークどもの追跡を開始したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ディーノとオルトロスは素晴らしい速度で、森を駆ける。
気配を探り、索敵しながら進むのは言うまでもない。
それにしても……
と、ディーノは思い、感じる。
身体がとんでもなく軽く、いくら走っても疲れない。
装着したルイ・サレオンの魔法指輪効果に加え、
ヴィヴィが施した『地母神の祝福』が作用しているに違いない。
ディーノ達は500m一気に走った。
だが息は切れず、全く疲れない。
まだまだ余裕である。
まもなく1㎞を過ぎるというところで……
遂にディーノは、数多あるオークの気配を察知した。
オルトロスも同じく、集団たるオークの気配を捉えたようだ。
ディーノは改めて気配を探る……
オークどもとはもう、100mくらいしか離れていない。
続いて、そっと深呼吸をした。
身体の状態は……ノープロブレム。
全然疲れていない。
やはり全く変わらないのだ。
『ディーノよ。ここからは慎重に巣へ接近しよう。奴らの数がどれくらいか分からんが、先日戦ったゴブリンよりはずっと少ないだろうよ』
『ああ、同意だ。気配からすれば、せいぜい数百かな』
『だな! 幸い周囲に人間の気配はない……様子を見て、一気に攻撃、殲滅だ』
『ああ、遠慮なしでやっつけてやる。魔法剣や格闘の修行も兼ねているしな』
『よっし、行くか、ディーノ』
『OK! 行こう!』
遂に敵の本拠地、オークの巣を発見。
ディーノとオルトロスは更に慎重に……
オークどもの巣へ、「そ~っ」と近付いて行ったのである。
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