第165話「悔しいぜっ!」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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助けたノエル、アニエス母子と彼女達の住むポミエ村に到着したディーノ達一行。
ノエルの指示により、固く閉ざされていた正門がようやく開けられた。
ディーノは馬を促し、馬車を進めた。
「ごめんね~、ディーノさん。さっきのオークみたいな魔物とか人間の賊とかが結構襲って来るから、村の警備も厳重なの」
「ごめ~ん、お兄ちゃわん!」
「いやいや全然ノープロブレム。楓村も同じだったし、気にしてないですよ」
という会話が交わされていたその時。
先ほど物見やぐらに陣取っていた、ダヴィドと呼ばれた少年がすっ飛んで来た。
両手を左右に広げ、馬車の前に立ちふさがる。
ディーノが急ぎ馬車を停めると、ダヴィドは声を張り上げる。
「おい! そこのお前! 村のルールだ。一旦武器を預かる! 寄越せ!」
ダヴィドの物言いを聞き、声を荒げたのがノエルである。
「ちょっと! ダヴィド! 黙りなさい!」
「え? ノエルさん 黙れって何? どういう意味?」
「あんた! 私の話を聞いてなかったの?」
と、ノエルが言えば、アニエスまでも追随する。
「そうだ! そうだ! 聞いてなかったのかバカダヴィド!」
「は? バカダヴィドって、アニエスぅ! それはないぜ! ルールはルールじゃんかよぉ!」
「シャラップ! 仮にも村を預かる門番なら、杓子定規に物事を見ず、いろいろな角度から全体的に判断しなさい!」
「そうだ! そうだあ! バカダヴィドォ!」
「う! ノエルさん、アニエス……ルールは守らないと、例外は……」
「ダヴィド! そこまでルールというのなら、従いましょう。但し! ディーノさんの武器は私が預かります」
「わ! ママ、ナイスう!」
「ええっ……そんなあ……」
ノエル、アニエス、ダヴィドの大声は、静かな村では良く響いた。
そんなに多くないとはいえ、村民が野次馬的に集まって来る。
何故か、ノエルはニヤッと笑う。
そして!
「みなさ~ん! 私とアニエスは街道で、凶暴なオークの群れに襲われましたあ!」
「「「「「おおおおっ!」」」」」
内容が内容だけに、どよめく村民達。
そう、ノエルは瞬時に機転を利かせ、
村民達へ『よそ者』のディーノをアピールしようと考えたのである。
続いて、ノエルは何と!
「危機一髪! と思いきや、このディーノさんが王子様のように! さっそうと現れて、助けてくれましたあ! この通り、私もアニエスも全然無事で~~っす!!」
歓声をあげ、喜ぶ村民達。
「「「「「おおおおおおお~~っ!」」」」」
ノエルの『告白』に反応した村民達は、更に数を増し、
ディーノに大きな声援を送っていた。
「いいぞ! いいぞ! お・お・じっ!!」
「よくやった~! 王子!!」
「王子かっこいーぞぉ!!」
しかし……
大声援を受けたディーノは恥ずかしくてたまらない。
御者台で顔を伏せ、身体を硬くしている。
「いや、ノエルさん。俺が王子だなんて……勘弁してください」
『王子だってよ、おい!』
『魔人に王子って、すっげぇ!』
『ぷっ! 使徒に、魔人に、今度は王子! ディーノにはいっぱい呼び名があって、素敵だにゃ! 羨ましい限りだにゃ!!』
……荷台で、ケルベロス達が懸命に笑いをこらえていたのは、
言うまでもなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
というわけで、到着したのはノエル、アニエスの自宅。
馬車を留め、馬をハーネスから外してつなぎ、飼い葉と水をやり労わる。
その様子を、ノエル母子は目を細めて見守っている。
「やっぱりディーノさんは優しいのね」
「優しいお兄ちゃわん、大好きぃ!」
頑張ってくれたのは馬だけではない。
ディーノはケルベロス達3人の戦友に視線を投げ、
「ええっと、ノエルさん、アニエス。ケルベ……いえ、ケル達も休ませてあげたいんですけど」
「構わないわ。家の中はダメだけど庭なら、全然OKよ」
「ありがとうございます」
ディーノが礼を言うと、ノエルは、
「すぐに村長の家へ行くわ。報告しないと……」
「成る程」
このポミエ村にも楓村のアンセルム同様に、領主から管理を任されている村長が居る。
現状の確認、今後へ向けての対策検討など、このような事件が発生した場合、
報告、連絡、相談をするのは当然である。
ここでアニエスが、手をぱっと挙げる。
「ママ、私、お留守番してる! 猫ちゃんと家の中で遊んでる!」
「良いわよ、じゃあ、猫ちゃんと一緒に、おとなしくお留守番していてね」
「やったあ!!」
アニエスは動物好きらしい。
特に猫が好きなようだ。
ノエルも猫ならばと、ジャンの室内入りをOKする。
こうなると、収まらないのはケルベロス達である。
現在、ふたりの容貌は、灰色狼の如きであり、獰猛な趣きは隠せない。
ここまで来る道中、害がないのは周知されているはずなのだが、
愛娘ひとりだけになる事もあり、ノエルは一応、用心したのであろう。
ディーノの心に、戦友達の発する悲喜こもごもの声が聞こえて来る。
『にゃはっ! やっぱ俺様達、猫は最強! 女子ナンバーワンのお気に入りアニマルにゃぜ!!』
『くっそぉ! 別に家の中へ入る事にはこだわらない。しかし! 駄猫に負けた感が半端ない! 悔しいぜっ!』
『畜生、兄貴! ラブリーな第一形態になっときゃ良かった!』
『ええっと……ノエルさんと一緒に、村長のとこへ行って来ま~っす』
こうして……
ディーノは、これ以上ケルベロス達を刺激しないよう、
「そ~っ」とノエルと出かけたのである。
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