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第156話「新たな加護①」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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 翌朝5時過ぎ……


 毛布にくるまり……

 いつの間にか眠り込んでしまったディーノは……

 「ぱっ」と目が覚めた。


 朝の陽射しが「さんさん」と降り注いでいる。

 寝ぼけまなこで、「ちら」と見やれば既に太陽が地平線から昇っている。


「ヤバイ!」


 思わず跳ね起きた。

 大寝坊したと後悔した。

 とっくに起きて、ダレンについて、市場へ仕込みに行かなくてはならないのに……


 傍らを見れば……

 ケルベロスとオルトロスが、そしてジャンも眠っていた。

 離れた場所には馬がつながれ、レンタルした馬車も停められていた


 戦友達を見て、思い出した。

 自分は英雄亭を、そして王都を出て旅に出ていた事を……


「はあ……なんだよ。焦って損した。習慣って怖いなあ……」


 ディーノが大きなため息をついた、その時。

 目の前にいきなりふたりの女子が現れた。


 何と!

 ディーノの目の前で宙に浮いている。


「う、うっわ~~っっ!!」


 叫んだディーノが、改めて見やれば……

 女子達は昨夜現れたふたりの精霊である。

 

 ひとりは手を振り、微笑むヴィヴィ。

 もうひとりは肩をそびやかし、冷たく笑うオリエンスだ。

 ふたりは『朝駆け』を仕掛けて来たらしい。


『おっは!』

『ふむ、ようやく目が覚めたか』


『はあ……あ、朝一番で、お、脅かさないでくださいよ……』


『何よ、そんなに驚かなくても良いじゃない』

『そうだぞ、すぐ絶叫する、肝の小さい男め』


『ええっと……俺……どうしたんでしたっけ』


『ディーノ、あんた、私達と話している最中に、いきなり寝ちゃったのよ』

『そのまま爆睡だぞ。不謹慎な愚か者め』


『はあ……そうだったんですか……すんません』


『まあ、いいわよ。あんたが寝てくれて、逆に願ったり叶ったりだったから』

『うむ、 かえって好都合だったな』


『な、何ですか、それ? 全くイミフなんですが……』


『うん! ディーノが寝てる間にいろいろ肉体改造しちゃったよ~ん!』

『うむ、あそこやここ、恥ずかしい場所へもいろいろとな!』


『げっ!』


『あはっ、冗談冗談。おとなしくあんたが寝てる間に、私達から、凄い加護を与えたから』

『ふっ! そうさ! 私達の加護は、ふたつとも使用頻度が多く重宝する大魔法だぞ。これでお前は私達以外の属性へ寄る事はない』


『か、加護を与えたぁ? 使用頻度が高い大魔法! な、何ですか、それぇ!?』


『おい、ヴィヴィ、論より証拠だ、お前から行け!』

『合点!』


 瞬間!

 ディーノは身体が垂直へ落ちるような不思議な感覚に囚われた。


 気が付けば、周囲の景色が変わっていた。

 一面が緑濃い芝生となっていて、少し離れた場所に小さめだが、

 3階建てのお洒落な建物が見てとれる。


 ……何か、既視感デジャヴュがある。

 すぐに気付く。


『こ、ここは!? ま、まさか……』


 そう、ここは……

 以前ディーノがこっそり調べた、王都でステファニーが賃貸している屋敷だったのだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ちょうどその時……ステファニーはカルメンと朝の訓練を行っていた。

 正対して、剣を打ち合っている。


 無心に剣を振る、ふたりであったが……

 野生の本能で、現れたディーノに、先に気付いたのは、カルメンである。


 すかさず、ふたりの叫ぶ声が……

 ルイ・サレオン魔法指輪の力により、聴力が人間離れしたディーノの耳へ入って来る。


「あああっ!! ステファニー様ぁ!! 大変ですっ!! 不審者です!! 侵入者で~す!!」

「何ぃっ!」


 ふたりは頷き合うと、スタートダッシュ!!


「よりによって、ステファニー様の屋敷へ忍び込むとは不届き千万! 成敗してくれるっ!」

「だめよ、カルメン! 私が思い切り、ぐ~で、ぶっ殺してやるからっ!」


 ステファニーは持っていた剣を思い切り投げ捨て、拳をぶんぶん回し、

 カルメンも愛用の大剣を振りかざして、ディーノへ向かい、

 ふたりとも脱兎の如く、駆けて来る。


 ステファニーとカルメンはあっという間に、ディーノへ肉薄した。

 ディーノほどではないが、視力抜群の彼女達は、

 目指す『不審者』の正体が誰なのか、はっきりと認識する。


「あああっ!! ディーノ!! まだ王都に居たのね~~っ!!!」

「ごらああっ、ディーノ!! 何が冷却期間だああっ!! 何が金貨100枚だああっ!! ステファニー様に手切れ金なんてふざけやがってぇ、ぶっ殺してやるううっ!!!」


 このままでは、ディーノに待つのは『死』!!

 無抵抗ならば、確実になぶり殺しであろう。


「うっわ~~~っ!!!!」


 念の為、今のディーノなら、戦おうと思えば戦える。

 

 しかし、出来ればディーノはそうしたくなかった。

 早朝の王都貴族街での大乱闘。

 衛兵が駆けつけ、大騒ぎとなるのは間違いない。


 そもそも今の状況が意味不明だ。

 旅に出て、北へ結構進んだのに、何故王都に居るのかが分からない。


 そうこうしているうちに、ステファニーとカルメンは、ディーノからわずか5mの距離にまで近付いた。


 オークを瞬殺する必殺の拳が!

 オーガをあっさり粉砕する大剣が!

 ディーノに迫る!!


 後方へ飛び退って、ディーノが避けようとした瞬間!

 彼の姿は現れた時同様、いきなり、かき消えていた。


「あ! 何だ!? き、消えたわっ!?」

「ス、ステファニー様! ディーノの奴め、また怪しい魔法を使ったに決まってます!」


 拳を握りしめ、歯ぎしりして悔しがるふたりは……

 ディーノが消えた辺りを、怖ろしい殺気を込め、見つめていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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