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第153話「空気界王降臨!!」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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『駄猫めが、……この私をそこまで悪しざまに言うとは、死ぬ覚悟が出来ているのであろうな?』


 凄まじい殺気、そして淡々とした言葉と共に……

 凍り付くような一陣の風が、「びゅっ」と吹いた。


 そして!!


 どおおおおおおおおおおおおお~~~んんんんんんっっっ!!!!!!!!

 

 間を置かず鳴り響く、凄まじい衝撃波。

 大量の魔力波オーラが空間から放出される。


『わわわっ!』


『むう!』

『うっ!』

『にゃう!』


 いつのまにか……

 ディーノ達の目の前に……

 薄絹のような衣服をまとった細身の少女がひとり、宙に浮いていた。


 幸い……ディーノ達が居るのは原野である。

 周囲に人は皆無だった。

 

 何だ? 何事だ? 

 と駆け付けて来る者は居ない。

 

 少女の出現に伴う大音響により、動物達は、肉食獣でさえ怯え逃亡していた……

 ちなみに馬車を牽引する為、借用した馬は……完全に失神していた。


 さてさて!

 細面の少女は意思の強さを示すが如く、

 眉を吊り上げ、固く腕を組み、鋭い視線で、ジャンを見据える。


『駄猫! いい気になるでない!』


『ひやっ!』


『天空に在りて、黙って聞いておれば、堪えがたい悪口三昧……』


『うわう……』


『私を侮辱したその大罪、死をもって償うが良い!』


 少女の顔を見やったジャンが更に驚き、叫ぶ。


『う、うわっ! オ、オ、オリエンスぅ!!』


 ジャンの叫びを聞き、ディーノも改めて、少女――オリエンスを見る。


『えええっ! こ、この人が? く、空気界王! オ、オリエンス……様!?』


 そう、まさに!

 ディーノ達の斜め上空、10mほどの高さに浮かんでいるのは、

 高貴なる4界王のひとり、空気界王オリエンス……

 

 彼女は風はもとより……全ての天候さえ司る。

 そして、颯々たる風の精霊(シルフ)達の支配者でもある。

 

 目の前のオリエンスは金髪で碧眼、端麗な顔立ち。

 たき火に照らされた肌は抜けるように白く輝き、優美で透明感に溢れている。

 その容姿は見る者を引き込まずにはいられない。


 4界王のうち最も敏捷な彼女の性格はジャンが告げたように、快活だ。

 しかし、気侭きままにして奔放ほんぽう

 はっきり言って超が付くマイペースなのである。


 オリエンスは獲物を「ロックオン」した鷹のような目で、

 悪戯っぽく且つ残酷に笑う。


『さあて……我が風のやいばで、口の悪い駄猫をどう切り刻んでやろうか』


『う、うにゃ~っ!?』


『ひと思いにか、じわじわか……駄猫! どちらでも好きな方を選べっ!』


 いろいろ聞いた話では、オリエンスはけして気長な性格ではない。

 彼女は短気に違いない。


 ディーノには「ピン!」と来た。

 今の言葉が、ジャンに対する『最後通告』だと。


 瞬間!

 身体が自然に動いた。


 ディーノは素早く、ジャンとオリエンスの間に割って入る。

 「守る!」という意思を示し、両手を左右に大きく広げる。


 同時に自分以外の者達も動く気配がした。


 「ちら」と見やれば……

 ディーノのすぐ傍らに、ケルベロスとオルトロスが同様に『盾』となり、

 立ちふさがっていた。


『ふ、面白い事をする……』


 いきなり、ジャンの盾となったディーノ達3人を、オリエンスは訝し気に睨む。


『くだらん悪ふざけか? それとも余興なのか?』


 オリエンスの問いかけに対し、呆然としたジャンをかばいながら、

 ディーノ達は無言である。


『『『『…………』』』』


『私の風を剣と化し使う小僧、そして、犬2匹……その駄猫をかばうとは……どういうつもりだ?』


 再び問いかけられたディーノは、大きく息を吐いた。

 生まれていた恐怖が、だんだんと消えて行く……


 今度は息を思い切り吸い込み、きっぱりと言い放つ。 


『オリエンス様!! 暴言を吐いた事を心からお詫び致します!! こいつを……ジャンをどうか許してやってください!!』


 しかしディーノの懇願も、誇りを傷つけられた、オリエンスには届かない、通じない。


『許さぬ!』


『どうか! お願い致します!』


『駄目だ!』


『では! この通り、お詫び致しますっ!』


 ディーノは言い、地べたにはいずり、土下座した。

 ケルベロス達も、ディーノの両脇に寄り添うように座った。

 驚いたのは呆然としていたジャンである。


『お、おいっ! ディ、ディーノ!! ケルベロス! オルトロス!』


 しかし!

 ディーノがいくら土下座をしても、オリエンスの態度は変わらなかった。


『許さぬ! いくら、私の力を使う者とて、駄目だ!』


『…………』


 ディーノは無言である。

 どうしたら、このピンチを打開出来るのか、懸命に考えていた。


 だが、オリエンスの言葉は断固としたものである。


『名も無き人間の少年が一匹、そのように詫びたとて、何の価値もない! 駄猫の犯した大罪は許されぬ!』


『…………』


 ダメだ!

 何も……考えが浮かんで来ない!


 最後の手段……オリエンス様と戦うしかないの、か!?


 だが……

 唇を噛み締めたディーノが、剣の柄に手を伸ばそうとした瞬間!


『待ちなさいっ!』


 凛とした声が全員の心に響き渡った。


『え? ヴィヴィ……様!?』


 思わずディーノが見やれば、宙に浮かぶオリエンスのわずか後方に、

 いつの間にか、地界王の娘ヴィヴィが浮かんでいる。


 当然、オリエンスもすぐヴィヴィに気が付いた。


『む? そなたはヴィヴィ……』


『その少年、ディーノ・ジェラルディは! 既に我が父アマイモンの使徒! 価値がないとは言わせません! オリエンス様!』


 鋭い視線で、オリエンスを睨むヴィヴィは、憤怒の空気界王に対し、

 全く臆していなかったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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