第153話「空気界王降臨!!」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』
大好評発売中!!
新刊です!
書店様で、ぜひお手にお取りください。
※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、
『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。
『駄猫めが、……この私をそこまで悪しざまに言うとは、死ぬ覚悟が出来ているのであろうな?』
凄まじい殺気、そして淡々とした言葉と共に……
凍り付くような一陣の風が、「びゅっ」と吹いた。
そして!!
どおおおおおおおおおおおおお~~~んんんんんんっっっ!!!!!!!!
間を置かず鳴り響く、凄まじい衝撃波。
大量の魔力波が空間から放出される。
『わわわっ!』
『むう!』
『うっ!』
『にゃう!』
いつのまにか……
ディーノ達の目の前に……
薄絹のような衣服をまとった細身の少女がひとり、宙に浮いていた。
幸い……ディーノ達が居るのは原野である。
周囲に人は皆無だった。
何だ? 何事だ?
と駆け付けて来る者は居ない。
少女の出現に伴う大音響により、動物達は、肉食獣でさえ怯え逃亡していた……
ちなみに馬車を牽引する為、借用した馬は……完全に失神していた。
さてさて!
細面の少女は意思の強さを示すが如く、
眉を吊り上げ、固く腕を組み、鋭い視線で、ジャンを見据える。
『駄猫! いい気になるでない!』
『ひやっ!』
『天空に在りて、黙って聞いておれば、堪えがたい悪口三昧……』
『うわう……』
『私を侮辱したその大罪、死をもって償うが良い!』
少女の顔を見やったジャンが更に驚き、叫ぶ。
『う、うわっ! オ、オ、オリエンスぅ!!』
ジャンの叫びを聞き、ディーノも改めて、少女――オリエンスを見る。
『えええっ! こ、この人が? く、空気界王! オ、オリエンス……様!?』
そう、まさに!
ディーノ達の斜め上空、10mほどの高さに浮かんでいるのは、
高貴なる4界王のひとり、空気界王オリエンス……
彼女は風はもとより……全ての天候さえ司る。
そして、颯々たる風の精霊達の支配者でもある。
目の前のオリエンスは金髪で碧眼、端麗な顔立ち。
たき火に照らされた肌は抜けるように白く輝き、優美で透明感に溢れている。
その容姿は見る者を引き込まずにはいられない。
4界王のうち最も敏捷な彼女の性格はジャンが告げたように、快活だ。
しかし、気侭にして奔放、
はっきり言って超が付くマイペースなのである。
オリエンスは獲物を「ロックオン」した鷹のような目で、
悪戯っぽく且つ残酷に笑う。
『さあて……我が風の刃で、口の悪い駄猫をどう切り刻んでやろうか』
『う、うにゃ~っ!?』
『ひと思いにか、じわじわか……駄猫! どちらでも好きな方を選べっ!』
いろいろ聞いた話では、オリエンスはけして気長な性格ではない。
彼女は短気に違いない。
ディーノには「ピン!」と来た。
今の言葉が、ジャンに対する『最後通告』だと。
瞬間!
身体が自然に動いた。
ディーノは素早く、ジャンとオリエンスの間に割って入る。
「守る!」という意思を示し、両手を左右に大きく広げる。
同時に自分以外の者達も動く気配がした。
「ちら」と見やれば……
ディーノのすぐ傍らに、ケルベロスとオルトロスが同様に『盾』となり、
立ちふさがっていた。
『ふ、面白い事をする……』
いきなり、ジャンの盾となったディーノ達3人を、オリエンスは訝し気に睨む。
『くだらん悪ふざけか? それとも余興なのか?』
オリエンスの問いかけに対し、呆然としたジャンをかばいながら、
ディーノ達は無言である。
『『『『…………』』』』
『私の風を剣と化し使う小僧、そして、犬2匹……その駄猫をかばうとは……どういうつもりだ?』
再び問いかけられたディーノは、大きく息を吐いた。
生まれていた恐怖が、だんだんと消えて行く……
今度は息を思い切り吸い込み、きっぱりと言い放つ。
『オリエンス様!! 暴言を吐いた事を心からお詫び致します!! こいつを……ジャンをどうか許してやってください!!』
しかしディーノの懇願も、誇りを傷つけられた、オリエンスには届かない、通じない。
『許さぬ!』
『どうか! お願い致します!』
『駄目だ!』
『では! この通り、お詫び致しますっ!』
ディーノは言い、地べたにはいずり、土下座した。
ケルベロス達も、ディーノの両脇に寄り添うように座った。
驚いたのは呆然としていたジャンである。
『お、おいっ! ディ、ディーノ!! ケルベロス! オルトロス!』
しかし!
ディーノがいくら土下座をしても、オリエンスの態度は変わらなかった。
『許さぬ! いくら、私の力を使う者とて、駄目だ!』
『…………』
ディーノは無言である。
どうしたら、このピンチを打開出来るのか、懸命に考えていた。
だが、オリエンスの言葉は断固としたものである。
『名も無き人間の少年が一匹、そのように詫びたとて、何の価値もない! 駄猫の犯した大罪は許されぬ!』
『…………』
ダメだ!
何も……考えが浮かんで来ない!
最後の手段……オリエンス様と戦うしかないの、か!?
だが……
唇を噛み締めたディーノが、剣の柄に手を伸ばそうとした瞬間!
『待ちなさいっ!』
凛とした声が全員の心に響き渡った。
『え? ヴィヴィ……様!?』
思わずディーノが見やれば、宙に浮かぶオリエンスのわずか後方に、
いつの間にか、地界王の娘ヴィヴィが浮かんでいる。
当然、オリエンスもすぐヴィヴィに気が付いた。
『む? そなたはヴィヴィ……』
『その少年、ディーノ・ジェラルディは! 既に我が父アマイモンの使徒! 価値がないとは言わせません! オリエンス様!』
鋭い視線で、オリエンスを睨むヴィヴィは、憤怒の空気界王に対し、
全く臆していなかったのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』
大好評発売中!!
新刊です!
書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。
第1巻~2巻も大好評発売中!
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
☆『7月18日発売』の月刊Gファンタジー8月号に最新話が掲載されております。
一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」
「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」
も宜しくお願い致します。




