表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

149/337

第149話「地界王の愛娘」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

大好評発売中!!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

『え? ち、地界王!? 地界王って! もしかして凄い精霊!?』


 ……どうやら、少女――ヴィヴィには、

 ディーノ達の念話も聞こえていたらしい。

 

 腕組みをしたまま、鋭い視線を飛ばし、

 

『その通り! 私はヴィヴィ! 最上級精霊、高貴なる4界王のひとり! 地界王アマイモンの娘ヴィヴィよっ!』


 はっきりと、そう言い放っていた。


 高貴なる4界王のひとり、地界王アマイモン……

 

 ディーノはアルドワンから、究極たる地の魔法を受け継いだ時、

 言霊にあった名が気になり、魔法王ルイ・サレオンの至宝と共に、

 王都でいろいろと調べ学んでいた。


 王立図書館、冒険者ギルドの資料室、書店等々……

 各所でディーノが得た知識によれば……

 『高貴なる4界王』とは、4人の最上級精霊をまとめて呼ぶ尊称である。

 

 この世界には創世神による、ことわりの根幹を為す、

 4種の精霊達が存在する。

 

 地・水・風・火の4大元素にひもづく、精霊達である。

 

 地、すなわちノーム。

 水、すなわちウンディーネ。

 風、すなわちシルフ。

 そして火、すなわちサラマンダー。

 

 ちなみに、オルトロスが言ったノーミードとは、

 地の精霊ノームの女性型である。

 目の前に居るヴィヴィは仮初かりそめの姿として、ノーミードに擬態しているらしい。


 閑話休題。

 話を元に戻そう。


 この4精霊をそれぞれ支配し、統括する存在が高貴なる4界王なのだ。

  

 地の支配者、地界王アマイモン。

 水の支配者、水界王アリトン。

 風の支配者、空気界王オリエンス。

 そして火の支配者、火界王パイモンの4人である。


 今、ディーノ達の目の前に現れたのは……

 高貴なる4界王のひとり、地界王アマイモンの娘と名乗る、

 『ヴィヴィ』という名の少女であったのだ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ディーノが記憶を手繰たぐり、頷くと……


『ふん! やっと私の高貴さが分かったみたいねっ!』


 ヴィヴィは鼻を鳴らし、また歩き出した。


 苦笑したディーノが改めて戦友達を見やれば……

 パニックに陥るとか、逃げるとか等の様子は全くなかった。

 「単に」というのも変だが、驚愕しているだけである。


 「すたすた」とヴィヴィは歩き、あっという間に、

 ディーノのすぐ近くにまで接近した。


 そして、またも腕組みして、ディーノを睨みつける。

 機嫌があまりよくないのだろうか……


 まあ、このような、超が付く上から目線のお嬢様女子に関しては、

 ステファニーとのやりとりから得た経験が活きるはず。


 皮肉なものだ……

 思わず苦笑したディーノは、ヴィヴィに尋ねる。


『ヴィヴィ様は俺に、どのような御用なのですか?』


『こら! あんたも名乗りなさい! 私はもう名乗っているのよ!』


『あ、すいません。俺、ディーノです、ディーノ・ジェラルディと申します』


『ディーノ? ふん! 名前だけはカッコ良いじゃない』


『はあ、それでヴィヴィ様は俺にどのような御用なのですか?』


『そんなの決まってるじゃない!』


『はあ、決まってる? ……のですか?』


『こら! はあはあ、間の抜けた返事をしないの!』


『はい、すみません。教えて頂けますか?』


『宜しい! 地の魔法を使うあんたが、私の眷属けんぞく相応ふさわしいかどうか見に来たのよ!』


『眷属?』


『そう、眷属! もし眷属と呼ばれるのが嫌なら、従者、もしくは、しもべでもOKよ。私がテストして、あんたを気に入ったなら召し抱えてあげる!』


 ステファニーに続き、またか!

 という感じである。


 「一難去ってまた一難」という言葉がぴったりだ。


『いや……それは、ちょっと』


『何よ? ちょっとって!』


『はあ……』


『何よ! 不満なの? パパの加護を受けて、地の魔法を使う貴方が拒否るわけ?』 


『確かに……俺は、ヴィヴィ様のお父上の加護を受けていますねぇ……』


 ディーノは、アルドワンから託された地の究極魔法の言霊ことだまを思い浮かべた。

 既に無詠唱で行使出来るレベルに到達しているが……

 言霊の中には、確かにアマイモンの名があった。


『でも……ようやくそういう環境から脱出が叶ったので、申しわけありませんが、お断りしますよ』


 ようやくそういう環境から脱出が叶った……

 当然、ステファニーの暴力的支配から抜け出した事である。


 しかしヴィヴィはディーノの返事を聞き、驚愕している。


『な!? 断るっ!? どどど、どうしてっ!?』


『あの……そんなに驚く事ですか?』


『驚くわよ! 高貴で美しい私に仕えるのは、とってもとっても栄誉えいよなのよっ!』


 どうやら……

 ヴィヴィは断られると思っていなかったらしい。

 

 どんだけ、自分に自信があるんだ?

 と、ディーノは思う。

 

 しかし返す『答え』は既に決まっていた。


『いや、栄誉より、俺は自由を優先しますので』


 するとヴィヴィは、離れて控えている、ケルベロス達を、

 「びっ!」と指さした。


『何よ、ディーノ! あんただってあの犬や猫を従属させているじゃない!』


 この指摘は想定内である。

 ディーノはゆっくりと、首を横に振った。


『いや、違いますよ。従属じゃありません、彼等は戦友です。俺とは対等な関係ですよ』


『嘘!』


 やはりと思う。

 ヴィヴィの話し方はステファニーに良~く似ている。

 高圧的なお嬢様は皆同じだと、ディーノは思う。


 と、ここでヴィヴィが反撃する。


『断るんだったら、ペナルティを課すわよ!』


『ペナルティ?』


『そうよ! あんたが習得した地の魔法を使えなくしてやるわ』


 アルドワンから継承した魔法は、地の精霊から力を得ている。

 それがアマイモンの愛娘ヴィヴィによりシャットアウトされる。

 ゴーレムを使役する魔法が……使えなくなる。


 ディーノの表情が少し曇った。


『それは……困りますね』


『すっごく困るでしょ! だったら、私に従いなさい!』


『いやあ、難しい問題ですね』


『何が難しいのよ! 大体、ろくに魔法の素養もなく、さえないあんたが、何故、地の大魔法を使えるのよ! 経緯いきさつを教えなさい!』


 地の魔法習得の経緯を教えろ?

 

 いろいろと内緒にしている事も多々ある。

 普通は教えたりしない。

 

 だが……

 この場合は相手が相手、理由も含め、仕方がない。


『はあ……じゃあ、ヴィヴィ様、とりあえず座ってください。実はこんな経緯いきさつなんですが……』


 というわけで、

 ディーノは持っていたハンカチを敷き、ヴィヴィを座らせると、

 自分は直に地面に座って、地の魔法を習得した経緯を、話し始めたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

大好評発売中!!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

第1巻~2巻も大好評発売中!


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆『7月18日発売』の月刊Gファンタジー8月号に最新話が掲載されております。

一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」

も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ