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第148話「想定外の訪問者」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

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※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

『どうせ俺は、最低のひとでなしで、ダブスタだよ』


 3人が遊ぶ気配を感じ、苦笑したディーノは大袈裟に肩をすくめる。


 そんなこんなで、話は弾んだ?

 だが……

 夜もふけてきたので、「いいかげんもう寝よう」という話になった。


 実は魔族に人間ほど睡眠は必要ではない。

 加えて、ディーノも、ルイ・サレオンの指輪&ペンタグラム、

 ふたつの至宝の加護で、最低、数時間睡眠を取れば、支障を感じない。

 まあ少し仮眠を取れば、日常生活にはOKというところ。


 そして当然だが、全員が一度には眠らない。

 ふたりづつ、交代で寝る事となる。


 ひとりで見張りをするのはNGだ。

 唯一の見張りが眠ってしまったら……

 もし敵襲などあれば、全員が戦闘不能状態の上、すぐ対処が出来ない。

 ……という万が一の場合のリスクを回避する為である。


 もしも、ふたりで起きていれば、

 話し相手が居て、単調な見張りの間、気が緩まず、

 更に時間も潰せるというメリットがある。


 そして、誰と誰が組むのかは……

 『ジャンケン』で決める事となった。


 数回ジャンケンが交わされて……

 まずはディーノとケルベロスが組んで、見張りをする事となる。

 

 オルトロスとジャンが「ぶうぶう」言うが、公平に勝負した結果なので、

 結局は愚痴に終わる。

 実はふたりとも、本音はディーノと組みたいのだ。


 「わいわい」言いながら、

 やがてオルトロスとジャンは眠ってしまった……


 こうして……

 最初の見張り役となった、ディーノとケルベロスは仲良く並んで座っていた。

 

 しばらくして先に口を開いたのは、ケルベロスである。

 ちなみに、口を開いたと言っても会話は心同士の会話、

 お約束の念話である。


『はっ、ようやく静かになったか』


『だな』


『ふっ……思い出すな、ディーノとは、以前にもこうして見張りをした』


 たき火に照らされるケルベロスの目が遠い……

 過ぎ去った時間を振り返っているらしい。


 ディーノも同じく懐かしい。


『だなっ!』


『相変わらず、短すぎる返事だ。いつも思うが……お前は基本的には変わらんな、ディーノ』


『そうか』


 そうこうして、時間が過ぎて行く……

 3時間交代という約束である。


 ……その3時間がまもなく来る。

 という時に異変が起こった。


 突然、100m先に『誰か』が現れたのだ。


 まずケルベロスが、そしてディーノも『誰かの気配』に気付いた。

 いきなりの、この現れ方は……何となく、分かる。

 ディーノは『転移門を使った移動』を経験していたから。


 つまり誰かが、転移門か、転移魔法を使い、現れたのである。


 まさか!?

 またも悪魔?


 ディーノとケルベロスがそう思うほど、現れた者は巨大な魔力を有していた。


『おい、ヤバそうな奴だな』

『まったくにゃ!』


 気が付けば、オルトロスとジャンも起きていた。

 さすが百戦錬磨の猛者である。

 眠っていても、意識が大きすぎる危険を察知したのだ。


 しかし!

 現れたのは、巨大な魔力からすれば、想定外ともいえる相手であった。

 普通なら、このような真夜中の原野にひとりで歩くはずのない者でもある。


「はぁ~い!」


 何と!

 たき火に照らされ、ディーノ達へ、手を「ひらひら」と振っていたのは、

 年の頃10歳を少し超えたくらいの、小柄で可憐な人間族の少女だったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 突如現れた少女は、手を振りながら、ゆっくりと無防備に近付いて来た。


 ディーノが、改めて『たき火』に照らされた少女を見やれば……

 身長は150㎝に遠く及ばない。

 130㎝前半といったところ。

 

 年齢は12,3歳だろうか。

 褐色の肌をしたブラウン髪のショートカット。

 複雑な刺繍ししゅうが施された、茶色の革鎧をまとう、

 愛くるしい顔立ちの少女であった。


 しかしそのような可憐な外見は……偽りの風体らしい。

 ディーノが感じる凄まじい波動も、ケルベロス達が感じる底知れない気配も、

 『とんでもない答え』を出していたのだ。


 その『とんでもない答え』とは、

 「可憐な少女は、やはり人間ではない!」という、

 恐るべきファイナルアンサーであった。


「おい、そこで止まれ!」


 がうがう!

 がうがう!

 にゃう!


 ディーノ達4人は鋭く警告を発した。

 何の恐れもなく、大胆に近付いて来る『魔族』の少女に、

 大いに不気味さを感じた為である。


 しかし少女には全く臆したところがない。

 「ずかずか!」という擬音がピッタリな雰囲気で、どんどん近付いて来る。


 ただ、はっきりした事があった。

 少女には殺意を感じない。

 いわゆる殺気というモノが皆無なのだ。


 また彼女の表情を見れば、ディーノ達が絶対に自分を害さないと、

 確信に満ちている事が分かる。


 でもこれ以上、魔族たる少女の接近を許すわけにはいかない。

 ディーノは、最終通告だというように大声で叫ぶ。


「スタ~~ップゥ!!」


 すると、ようやく少女の足は止まった。

 腕を組み、ディーノ達を「ぎろり」とにらみ付ける。


 指輪の加護で、視力と夜目が著しく良くなったディーノには、

 はっきりと分かった。

 

 少女の眉間には深く『しわ』が寄っており、

 瞳には、はっきりと怒りの色を浮かべている事が。


 間を置かず、少女の口からは抗議の声が発せられた。


「ストップって、何よぉ! あんた! 偉そうにぃ!」


「だって……君は魔族だろう?」


「はあ? 私が魔族ぅ?」


「違うのか?」


「違うわよ! ふざけないで! そこの犬っころ、2匹に聞いてみなさいよぉ!」


「え? 聞くって?」


「私はちんけな魔族とは全く違う! 今、気配のガードを解除したからね!」


「気配のガード?」


「その犬どもには分かるはずよ、高貴なるこの私が一体、誰なのかっ! さあ、犬ころども、答えてごらん! はっきりとねっ!!」


「高貴なる私?」


 まるで既視感デジャヴュ

 ……少女の早口な物言いと高圧的な態度は、ステファニーそのものである。


『お、おい! ケルベロス! オルトロス! あの子は一体何者だ!?』


 即座にディーノが、念話で聞けば、

 いつの間にか、ふたりは緊張のあまり完全に固まっていた。

 発する言葉も、とんでもなく噛んでいる。


『あ、あいつ! い、いや! あ、あ、あのお方はっ! ヴィ、ヴィ、ヴィヴィ様だっ!』

『お、お、お姿を! ノーミードに!? か、か、変えていらっしゃるがっ! ま、ま、ま、間違いないぞっ! あ、兄貴ぃっ!!』


『え? ヴィヴィ? おいおい、ふたりとも、どうした?』


『…………』

『…………』


『なあ、あの子の名はヴィヴィっていうのか? 本当に知り合いなのかい?』


『…………』

『…………』


 しかしディーノの問いかけに対し、ケルベロス達は一切答えなかった。

 無言となってしまう。

 

 代わりに答えたのは……意外にもジャンであった。

 何と!

 驚きのあまり、ケルベロス達同様、噛んでいる。


『さ、さ、さすがの俺様もびっくりしたにゃ! まさか地界王の娘が現れるとは!!』


『え? ち、地界王!? 地界王って! もしかして凄い精霊!?』


 ……どうやら、少女――ヴィヴィにはディーノ達の念話も聞こえていたらしい。

 腕組みをしたまま、鋭い視線を飛ばし、

 

『その通り! 私はヴィヴィ! 最上級精霊、高貴なる4界王のひとり! 地界王アマイモンの娘ヴィヴィよっ!』


 はっきりと、そう言い放っていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


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