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第146話「息、ぴったり!」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

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「とりあえず、早めに良い場所を確保し、キャンプを張ろうかな」


 荷馬車の御者台で、馬を巧みに導きながら、

 ディーノはそう決めていた。


 そんなディーノのつぶやきを耳にし、すかさず反応したのはオルトロスである。


『よっし! じゃあ俺が、今夜メシ食うのと寝るのに、一番ベストな場所を見つけて来てやる!』


『おお、悪いな、オルトロス』


『構わないぜ! ノープロブレム! お安い御用だ、良いって事よ!』


 元気良く応えたオルトロスは荷台から飛び降り、脱兎の如く走りだし、

 あっという間に姿が見えなくなる。


 弟が走り去った後……その様子を見た兄ケルベロスがふっと笑う。


『あいつ、完全に変わったな……』


『へぇ、オルトロス……そんなに変わったんだ?』


『おうよ、ディーノ! 会った当初と比べてみろ!』


『確かに……』


『あいつがミスした際の、気遣きづかいが嬉しかったんだろ。それに加え、お前の戦いぶりを見て、強さも認めていたからな』


『そ、そうか!』


『うむ! あとは、個の力ではなく、チームとして勝つ喜びって奴も知ったんだろうよ』


 と、ここでジャンも会話へ乱入する。


『ふん! あのわがままガキンチョ犬も、チームには協調性が最も大事だと、ようやく理解したって事かにゃ』


 皮肉っぽく笑うジャンを見て、さすがに弟の援護をすべく、兄がチクリ。


『お前こそ、もっと成長しろ。わがまま超マイペースのバカネコめが』


『あんだとぉ! 俺はわがまま超マイペースなんかじゃねぇ、気品に満ちた優雅な自然体なんだ! くそったれの駄犬めぇ!!』


『はっ、何が気品に満ちた優雅な自然体だ! わけがわからん! どっちでも変わらんわぁ!!』


『スタップ! どうどうどう!』


 またもや『犬と猫の不毛なケンカ』になりかける。

 なので、ディーノはストップをかけた。

 ついでにというか、ディーノは気になっていた事をジャンに問う。


『そういえば……思い出したぞ、ジャン』


『何がだにゃ?』


『お前……妖精猫ケット・シーの王、ファザーガット……なんだって?』


 そう……ファザーガットは、

 対峙した悪魔メフィストフェレスの口から出たジャンの称号である。

 確か、妖精猫の王だと……ケルベロスも認めていた。


 しかしジャンは今更! という感じで鼻を鳴らす。


『ふん! それがどうかしたかにゃ?』


 ジャンが猫の王ならば……

 少しは敬いを持ち、接した方が良いと思い、ディーノは一応謝罪する。


『申しわけない! 知らんかった! ジャン、すまん!』


『構わん! お前に聞かれなかったから、言わなかったまでにゃ! そもそも俺様は王族らしく奥ゆかしいにゃ!』


 ジャンが?

 王族らしく奥ゆかしい?


 それは……全く違う!

 ……と思う。


 ディーノとケルベロスは同意して頷き合い、無言となる。


『…………』

『…………』


『何にゃ! ディーノも駄犬もっ! その息が合った、否定的な無言とジト目のメッセージはっ!』


『…………』

『…………』


『ファザーガットの俺様に! その反応は! ぶ、ぶ、無礼にゃぞ!』


 こうして、荷馬車の中には……

 微妙な沈黙が満ちていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 そんなこんなで、約10分後……

 オルトロスが戻って来た。


 まだ微妙な沈黙が続く3人を見て、


『何だ? なんかあったのかよ?』


 オルトロスは、訝し気な表情で尋ねる。

 しかしディーノは、何事もなかったかのように首を振った。


『いや、別に……それより、探索お疲れ様。キャンプを張れそうな良い場所はあったかな?』


 ディーノが聞くと、オルトロスは晴れがましい表情で胸を張る。


『バッチリだ! あったぞ!』


『やったな』


『おお、街道からちょっち入った場所に、どっかの商隊が、キャンプを張った跡らしき場所があったんだ』


『へぇ!』


『ざっと一周したが、草を刈って、きれいに整地してあった。再び使うつもりでそうしたんだろう』


『成る程』


『付近には魔物の気配もない。身を隠すような林とか、やぶもないし、俺と兄貴が見張ってればOK! 誰かが接近すれば、すぐ分かるぜ!』


『よっし! じゃあ早速そこへ行って、キャンプを設営しよう! 着いたらすぐに夕食の準備だ』


 3人共、ディーノが料理上手なのを知っている。

 元々結構な腕をしていたのが、王都へ来て、

 英雄亭の厨房で経験を積んでいたから、更にビルドアップしたのである。


『『『やったぜ!』』』 


 いつもは、超が付くマイペースな3人は……

 先の戦いの時同様、珍しく息の合った歓声をあげたのだった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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