表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/337

第144話「超!危機回避の旅立ち②」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

大好評発売中!!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 北の地へ向かうという、ディーノのプランを聞き、

 キャルヴィンは満足そうに頷いた。


「成る程、良いかもしれん、ロドニアは力を信奉する国だ。今のお前なら、赴いても問題はなかろう」


「そうですか」


 ディーノが答えると、何故かキャルヴィンは「にやっ」と笑う。


「だがディーノ、ロドニアは男も女も熱い! とても熱いぞ!」


「ロドニアが? 熱い?」


「うむ、はっきり言って、ロドニアは我が王国より遥かに激しい国民性だ。おどおどなよなよしていると、完全に舐められるぞ」


 亡き父からも、ロドニア王国に関しては、同じような話を聞いた事がある。

 ディーノは少し緊張し、噛みながらも返事をした。


「りょ、了解です」


「ロドニアへ行くのなら、我が王国騎士隊の食客というよりも、ランクAの若き才長けた冒険者、という肩書きで行く方がベストだ。国絡みとか、ややこしくなくて良い!」


「はい」


「お前は亡き父から聞いて知っているだろうが、冒険者ギルドの支部は世界各国の主要都市には必ずある」


「確かに……」


「ロドニアの王都ロフスキの支部でランクAの登録証を見せれば、お前には、すぐオファーがあるだろう」


「お話、いちいち参考になります」


「はは、気を付けて行って来い!」


「はい!」


 と話が終わりかけたところで、ディーノはまだ気になる事があった。

 ステファニーの現状である。


「あ、あの……」


「何だ?」


「あれから2週間経ちましたが、ステファニー様はどうなりました? 公爵閣下に謁見するとの事でしたが」


「む、ステフィか?」


「はい」


 と、ディーノが答えれば、キャルヴィンは破顔した。


「おお! 気になるか? そうかそうか、ふふふ、愛する婚約者だものなっ!」


 キャルヴィンは悪戯っぽく笑っている。

 最初に話した時と違い、ディーノとステファニーの微妙な関係を認識しているからだろう。


「いや! 違いますって! ステファニー様が、公爵閣下へお願いした結果が知りたいだけですよ」


 キャルヴィンは完全に面白がっていると、ディーノは感じる。

 まあ、良い。

 もうステファニーへは2回目の「ざまぁ」をして、縁切りしたのだから。


 さあ、伯爵の話を聞こう。

 それで、全ては終わりだ!


「ははははは! 安心しろ、ディーノ。カルパンティエ公爵閣下は基本、ステフィの願いをご了承された」


「おお! 公爵閣下がOKされましたか? 良かったですね」


「うむ、お前のお陰だぞ」


「俺のお陰……ですか?」


「ああ、お前の思惑通り、今回の了承は楓村における功績が大きかった。閣下も、とてもお喜びになっていたぞ」


「やっぱり……という感じですね」


「うむ! そもそも辺境伯は王国の外敵と戦う頻度が高い。父クロードより遥かに強いステフィなら文句なしだと仰られた」


「な、成る程!」


「……後は、宰相のフィリップ殿下がOKされると正式決定だ。まあいろいろと準備に時間を要するから、正式にステフィが跡を継ぐのは3年後くらいにはなるがな」


「おお、それは、良かったです! ……じゃあ、伯爵! ステファニー様は、決定が出たら、大人しくエモシオンへ帰りますよね?」


「うむ、決定が下りればさっさと帰るだろう。だが……」


「え? だがって……」


「うむ、ステフィはこうも言った」


「え? ステファニー様が、い、一体! な、何を言ったのですか?」


「ああ、こう言ったぞ! 絶対、ディーノ・ジェラルディを自分のムコにすると!」


「な!?」


「そう公爵閣下の前で、息巻いきまいた」


「げげっ! 息巻いた? 公爵閣下の前で!?」


「おお! 公爵閣下も怒らず笑顔で了解されたぞ。楓村でのお前の大活躍を、私やステフィからお聞きになったからだ。それほどの強者なら、平民でもぜひオベール家のムコに取れと仰った」


「なななななっ!? お、俺をオベール家のムコに!? ス、ステファニー様の!?」


「そうだ! 他に誰が居るというのだ」


「…………」


「残念だが、公爵閣下のOKがあれば、私は介入出来ない。父親のクロードもお前とステフィの結婚に反対出来ないだろうよ」


「えええええっ!?」


 やはりステファニーは、超が付く負けず嫌いだった。

 「カルおじさんが駄目」ならばと、上席の公爵へ直訴したのだ。

 そして、いろいろな約束をなし崩しにして、寝技へと持ち込む。

 超が付く策士である。 


「とまあ、このような話の流れにはなったが……公爵閣下は、ステフィのムコは絶対にディーノだと厳命はしておらぬ、そこだけは安心しろ」


 え?

 俺指定じゃなく?

 他の誰かでもOKって事?


 ディーノは、安堵した。

 それならば、何とかなると!


 大きな喜びが、ディーノの心身に満ちあふれる。


「よ、良かったぁ~」


「だが!」


「え? また、だがですか?」


「うむ! また、だがだ! 安心するのはまだ早いぞ」


「え? 安心するのはまだ早いって? どういう事ですか、伯爵!」


「お前、相変わらず、この話は察しが悪いな」


「えええっ? 察しが悪い?」


「おう! 以上の話でさすがに分かるだろう? ステフィはお前をあきらめてはおらぬ。かえって真逆まぎゃくなのだ」


「か、却って、真逆う!?」


「例えれば! ステフィのお前への恋心は、まるでマグマのように! ますます、どろどろと煮えたぎっておる!」


「うっわ!! マ、マ、マグマのように、ますますどろどろとぉ!? そ、その表現は怨念みたいで、すっごく嫌です!」


「うむ! このままお前が王都に居れば、許可が下り次第、必ず捕獲ほかくしに来る!」


「か、必ず!? ほ、ほ、捕獲う!? お、俺をですかっ!?」


「ああ! 100%間違いない!」


「100%……間違いない!?」


「うむ! ステフィは某商会へ、大至急作れと命じ、発注していた」


「大至急作れって? な、な、何をですか?」


「大型オーガが大暴れしたって、びくともしない、壊れない、超頑丈な特製魔法檻(とくせいまほうおり)をさ!」


「げっ、ま、まさか!」


「おう、そのまさかだ! この特製魔法檻とくせいまほうおりは間違いなく、ディーノ、お前用だぞ」


「お、お、俺用!?」


「お前をその檻に入れ、絶対に逃げられないよう閉じ込め、エモシオンへ連れ帰ると笑っていたぞ」


「げげげっ!」


「だから! ステフィに捕まらないうちに、早く旅立った方が良い! ははははははっ」


 はあ!?

 大型オーガ用の特製魔法檻とくせいまほうおり!!

 それに入れられて、エモシオンまで、ドナドナ!?


 ヤバイ!!

 じょ、冗談じゃないっ!!

 さっさと旅立とう!!!


 ディーノは盛大に噛みながら、大声で挨拶する。


「じゃ、じゃ、じゃあ、俺!! そ、そ、そろそろ!! ししし、失礼しま~っす!!!」


「おう、もう逝くのかじゃなくて、行くのか?」


「は、はいっ、行きますっ! は、伯爵! もうひとつだけお願いします」


「もうひとつだけ? 何だい?」


「お、俺の行き先は! ステファニー様には、ぜ、絶対内緒にしてくださ~いっ!」


「OK! あはははは、達者でな~~っ!」


 そのような、やりとりがあり……

 超が付く危険な情報をゲットしたディーノは、

 命からがら回避し、その日のうちにすぐ王都を脱出したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

大好評発売中!!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

第1巻~2巻も大好評発売中!


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆『7月18日発売』の月刊Gファンタジー8月号に最新話が掲載されております。

一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」

も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ