第139話「二度目の認定試験②」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』
6月27日発売!
ほやほやの新刊です!
書店様で、ぜひお手にお取りください。
※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、
『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。
「ふっ」
今度は不敵に笑ったミンミが剣を頭上にかざすと、
剣の刀身からは、凄まじい炎が5mもの高さに吹き上がった。
「ディーノ君、私が何故、炎の飛燕と呼ばれているか、教えてあげる」
「…………」
「最初はほんの小手調べよ!」
ミンミはディーノを軽く睨むと裂ぱくの気合を発する。
「とあっ!」
すると1体、続いて2体と、分離した鳥の形状をした直径1mほどの炎が、
鋭くディーノへ向かったと思うと……
剣を構えた彼のすぐ傍らを飛び抜けた。
炎はディーノの背後にある闘技場の壁に当たって四散する。
……ブランシュの制止する声が少しだけ届いていたのか、
さすがにミンミは手加減をしたのだ。
炎の飛燕の威力を若干弱め、わざと外したのである。
「ディーノ君、どう? 私の技は? 貴方の動体視力で見切れたかしら?」
「…………」
先ほどからディーノは動かずに無言、答えなかった。
しかし肯定の証に小さく頷いてみせた。
ディーノから「OKの意思」を受け取り、満足げにミンミも頷く。
「へぇ! じゃあ、少しだけ威力をアップするわ、そして……今度は必ず当てる」
「…………」
「言っとくけど……避けても逃げても無駄よ……飛燕は貴方の後を追いかけ、そして追い詰める」
「マスター!!」
ブランシュが再度、制止するが……
「ノープロブレム、大丈夫だって! ディーノ君はそう言ってるわ。……多分、魔法剣で対抗して来る」
ミンミの言葉を聞いて、ディーノも承知とばかりに「ふっ」と笑ったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ディーノとミンミ、ふたりは改めて対峙した。
ミンミの『手』は決まっている。
彼女の性格上、またはこの状況下で裏をかき、別の手を使って来ると、
ディーノには思えない。
予想通り……
再びミンミは剣を頭上にかざすと、
剣の刀身からは、凄まじい炎が今度は先ほどの倍、10mもの高さに吹き上がった。
「ふふっ、大けがはするかもしれないけど……まあ、命までは取らないわ」
再び不敵に笑ったミンミはディーノを軽く睨むと裂ぱくの気合を発する。
「とあっ!」
すると1体、2体、続いて3体と、先ほどより3倍近く大きい、
鳥の形状をした猛炎が、ディーノへ向かって、一直線に突き進んだ。
ミンミの技『炎の飛燕』は攻撃対象を追尾する、特殊な仕様を持つ炎の魔法剣。
炎は打ち砕けない。
避けても、どこまでも追って来る。
終いには確実に攻撃対象を仕留める。
それが必殺の魔法剣と言われる由縁である。
しかし!
ディーノは『飛燕』を避けない。
剣を構えたまま、微動だにしないのだ。
何ら、対応もせず!
「ええっ!? 動かないって!? ど、どうしてっ! ディーノ君!!」
ブランシュがもどかしそうに、ディーノの名を呼んだ。
でも、相変わらずディーノは動かない。
だが、想定外の現象が起きた!
何と!
ディーノの構えた剣に、飛来して来た猛炎――
彼を焼き尽くそうとした飛燕の全てが、音もなく吸い込まれてしまったのだ。
「えええええええっ!? な、な、なに~~っ!」
驚愕して、大きく目を見開き、絶叫するブランシュ……
今、目の前で一体何が起きたのか?
分からない!
わけが分からない!
ただひとつはっきりしているのは、無敵を誇るギルドマスターの魔法剣
『炎の飛燕』が敗れ去ったという厳然たる事実である。
一方、見事に剣技を破られ……
百戦錬磨で猛者のミンミも、驚きを隠せない。
「……さ、さすがね」
とディーノを称え、仕方ないとばかりに苦笑する。
「というか……呆れたわ、ディーノ君」
ミンミは、ディーノの使った『技』をすぐに見抜いたようである。
深く深呼吸すると、達観したように明るく笑った。
そんなミンミの態度を見て、ブランシュの驚きは、即座に好奇心へと変わって行く。
「マスター! いいい、一体!! な、何が起こったのですかぁ!?」
ブランシュの問いに対し、ミンミは答えずに、納剣した。
表情は笑顔のまま……
「勝負はついた」という意思表示であろう。
ミンミの納剣を見たディーノも同じく納剣。
これで、ランクAの認定試験は終了したという意味になる。
「うふふ、この私をどこまで驚かせるの? まさか魔法剣の究極奥義、吸収の剣を使うとはね」
「ま、ま、魔法剣の究極奥義!? 吸収の剣っ!?」
「うん、ブランシュ。この技は私でさえ会得出来ない秘奥義よ、名だけしか知らない……何故ならば、使う者が絶えてしまい、伝承されていない魔法剣なの」
「ひ、秘奥義? 伝承されていない魔法剣……」
「ええ、残念ながら私の飛燕は……見事に吸収されちゃった。つまり無効化ね」
「むむ、無効化~~っ!?」
「うふふ、本当はライアン伯爵が言っていた、凄まじい風の魔法剣とやらも見たかった。でも、さすがにお腹い~っぱいになっちゃったわ」
「お、お腹いっぱいって!? マスタ~~っ!!」
この試合で、何度絶叫した事だろうか……
しかしディーノの使った魔法剣の技が、究極の秘奥義と聞き、
ブランシュはまたも絶叫せざるを得なかったのである。
いつもご愛読頂きありがとうございます。
※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。
宜しければ、下方にあるブックマーク及び、
☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。
東導号の各作品を宜しくお願い致します。
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
(ホビージャパン様HJノベルス)
大好評発売中!
◎コミカライズ版コミックス
(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)
☆最新刊『第3巻』
6月27日発売!
ほやほやの新刊です!
書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。
第1巻~2巻も大好評発売中!
※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》
☆『7月18日発売』の月刊Gファンタジー8月号に最新話が掲載されております。
一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。
毎週月曜日更新予定です。
お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。
最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」
「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」
も宜しくお願い致します。




