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第133話「幻の剣技を求めて」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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「念を押させて頂きます。俺は『結婚する意思が全くなし』と間違いなく伝えて頂き、しっかりとステファニー様からあきらめるようご了解を取って頂ければありがたいのですっ!」


「わ、分かった……了解した」


「ご厚意、心から感謝致しますっ、伯爵!」


 良かった……

 切り返す事が……出来た。


 キャルヴィンへ、元気よく礼を述べたディーノは、

 笑顔で平静を装っていたが……

 心の中ではどっと疲れ、安堵のため息を、大きくついていた。


 そんなこんなで……

 ステファニー絡みの話が終了すると……

 後はもう他愛のない話となった。


 剛直な武人であるキャルヴィンは、意外に話好きでもあった。

 彼は、旧き友オベール辺境伯から、ディーノ生い立ち等を話を聞いていたらしい。

 

 また……

 父が死に、少し前にオベール家を出された事も知っていた。

 だからなのか、ステファニーとの結婚をきっぱり断っても、ディーノに対してはおおむね好意的である。


「ディーノ、お前の父クレメンテとは数回会った事がある。とても気持ちの良い男だった」


「そうだったんですか」


「うむ、裏表のない誠実な男だった。だが、そのクレメンテの息子が既に父を超えた冒険者になろうとは思わなかった」


「え? 俺が父を超える? まだまだですよ」


「いや、論より証拠。今回の戦いで、お前はもうランクBの器ではない事を証明した」


「俺が……もうランクBの器ではない……ですか?」


「うむ! 我が騎士隊に入らず、冒険者としてやって行くのであれば、更なる上を目指せ。お前ならランクSに届くやもしれぬ」


 ランクS……雲の上の超上級ランカー

 ディーノが「ぱっ」と思い浮かべるのは、ギルドマスターのミンミである。


「ランクS……アールヴのミンミさんみたいな……ですか?」


「うむ、私は、ギルドマスターのミンミ・アウティオとは騎士隊長という職務上、普段いろいろとやりとりしている」


「へぇ、そうなんですか?」


「彼女とは、剣の鍛錬を通じ、しのぎを削るライバルというか、会えば皮肉を言い合う悪友という表現の方がピッタリくるが……今回の件は私からも良く話しておこう」


「え? 話すってどういう事ですか?」


「うむ、お前がかかわったこの事件は、ギルドからの正式な依頼を完遂したものではない」


「は、はい……まあ、そうですね」


「だが! 己の利害を全く考えず、難儀する人々を救った崇高な行為だと私は思っている」


「いえ、そんな大した事は……」


「いやいや大したものだよ」


「は、はい。ありがとうございます」


「まあ、あまり期待はしないで欲しいが……私の口利きがあれば、お前のランクアップに少しは反映されるはずだ」


「感謝致します」


 やはり、情けは人の為ならずだ。

 キャルヴィンの言う通り、楓村の一件はギルドの依頼ではなく、

 ギルドのランクアップとは一切関係がない。

 但し、例外はあり、最終決定はギルドマスターの判断によるところが大きい。


「ディーノ、お前が使う魔法剣同様、ミンミの使う炎の飛燕ひえんも凄まじい魔法剣だ。私は、一回だけ彼女が炎の飛燕を使うのを見た事がある」


「凄まじい魔法剣……それが炎の飛燕……ですか」


「うむ! 凄かった! まるで目の前に、伝説の不死鳥が出現したようだった」


「伝説の不死鳥……」


「しかし残念ながら、私はミンミやお前と違って、魔法を使えぬ。魔法剣を会得する事は不可能だ」


「…………」


「それゆえ、魔法剣の代わりに剣技の神髄を極めるべく、日々鍛錬し、最終的には剣聖を目指している」


 キャルヴィンの言う剣聖とは……

 剣技の達人なのは勿論、奥義を極める存在をそう呼ぶ。

 この世界では、東方の剣士を特にサムライマスターとも呼ぶ。


「剣聖? 凄いですね、それ」


「ああ、でも言うは易く行うは難し。剣聖への道は遥かに遠い」


「成る程……」


「これは、はかない夢なのだが……」


「はかない……夢」


「おう! もしも叶うのなら……我がヴァレンタインから遥か東方……ヤマト皇国のリシン流をぜひ学びたい! 幼かった子供の頃から憧れている」


「リ、リシン流? 聞いた事がないですね。剣技の名前ですか?」


「ああ、知る人ぞ知る究極の剣技さ。わずかな文献が古文書にはあった。リシン流最後の後継者、ヤマト皇国の天才剣士、サムライマスターのオキタ……彼の死と共に絶えてしまったと伝えられる幻の剣技なのだ」


「幻の……剣技……確かに憧れますね」


「おお、ディーノ! お前にも分かるか?」


「はい!」


「ああ、一度でも良い! オキタが使う無敵の三段突きを学んでみたかった!」


 こうして……

 ディーノと、キャルヴィン、帰還の車中は大いに盛り上がったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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