表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

122/337

第122話「背中を任せる親友」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手にお取りください。


※6月29日付けの活動報告に『書影公開』『発売記念フェア開催のお知らせ』等、

『魔法女子』のコミックス第3巻の情報をまとめて掲載しましたので、宜しければご覧くださいませ。

 凄まじい憎悪と殺意の波動がディーノを襲った。

 同時に人間の声ではない念話も伝わって来る。


『ユ、ユルサンゾォッ! クソナマイキナコゾウメッ! コロシテヤルゥゥゥ!!』


『な!?』


『カナラズ、コロスッ! ワガコタチノカタキハ、ゼッタイニトルゾォッ!!!』 


 一旦は驚いたディーノであったが……

 すぐに落着き、冷静さが戻って来た。

 

 そして確信する。

 不敵な笑みを浮かべる。


 ふっ、探す手間が省けたぜ。

 あっちから、のこのこ気配をさらけ出してくれやがった!

 この独特な波動は……間違いない!


 ディーノは見つけた。

 奴らの本拠、迷宮の最奥では会えなかった、今回起こった大過タイカの元凶をとうとう見つける事が出来た。


 その存在を遂に補足したのだ。

 すなわち最大の標的『ゴブリンシャーマン』を!


『おい! ゴブリンシャーマン! その言葉、そっくりお前に返してやる、薄汚い捕食者め!』


 しかしゴブリンシャーマンは勝ち誇り、嘲笑する。


『ハハハハハハハハッ!!!!』


『何が可笑しい?』


『オロカナコゾウメ! オマエニ、ワタシハコロセヌ!』


『何!』


『オマエノ、マホウハキカヌ!』


『何? 俺の魔法が効かないだと?』


『ワガ、ケッカイハ、ソンナ、ヤワイカゼハ、イッサイウケツケヌワッ!』


『結界?』


 ディーノのつぶやきを聞き、顔をしかめケルベロスが同意する。


『おいディーノっ! 悔しいが奴の言う通りだ!』


『な? ケルベロス!』


 奴の言う通り?

 どういう意味だ?


『俺も索敵して波動をキャッチした。この村から約1㎞の位置に居る。奴め、森の中に潜んでいやがる』


『ここから1㎞先の森の中か……』


『おう! 自慢する通りだよ』


『自慢する通りだと?』


『ああ、奴は自分の周囲に強力な魔法障壁を張り巡らせている』


『自分の周囲に強力な魔法障壁……』


『ああ、その魔法障壁が、奴が自慢する結界なんだろう』


『成る程……』


『どうする? 難儀しそうだぞ。お前の魔法剣も、物理攻撃さえも弾かれる可能性が大だ』


 しかしディーノは何故か落胆の色を見せない。


『ふっ、大丈夫さ、手はまだまだある。さあ行こう、ケルベロス! 奴の下へ!』


 ディーノはそう言うと、またも不敵に笑った。


 釣られてケルベロスも二ッと笑う。


 まるで相当先まで読みきるチェスプレイヤーのように、

 ディーノは様々なケースを想定し、対応して来る。


 人間にしては底が知れない、

 ケルベロスはそう思う。


 敵に回したらとんでもなく脅威だ。

 でも味方にしたら……これほど頼もしい存在はない。

 

 予感がする。 

 ディーノの行く手行く手には、このような事件が、

 今後も頻繁に巻き起こるだろう。

 

 しかしケルベロスはワクワクする。

 共に冒険すると思うと心が躍って来る。


『よし! ディーノ、首魁しゅかいゴブリンシャーマンを必ず倒そう!』


 ケルベロスはそう言うと、先ほどと同じく自然に背を差し出した。

 ディーノの『馬』になるぞというアピールだ。


 不思議だった。

 ケルベロスは誇り高い魔獣なのに、その行為が全く嫌ではない。

 むしろディーノに尽くしたいと思うのだ。

 かつて旧アルドワン邸でジャンと共に身を挺してディーノを守ったように。  


『ありがとう!』


 ディーノは簡潔に、だがはっきりと礼を言い、

 素早くケルベロスにまたがった。


 ケルベロスは、今のディーノの心情を察している。


『ディーノ! 相手は強敵だが、俺達はぐずぐず出来んのだろう?』


『おう! 楓村が……ステファニー様達が心配だ!』


『なら、全速で行くぜっ! しっかり掴まってろよっ!』


『おうっ!』


 応えるディーノの声が発せられたと同時に、ケルベロスが走り出した。

 

 たくましい足が大地を蹴る。

 しなやかな四肢が原野に躍動する。


 ケルベロスは瞬時に!

 馬の駆ける何倍もの速度に達している。

 周囲の景色があっという間に後方へ飛び去って行く。

 まさに飛ぶように走っていた。


 この分なら、すぐにゴブリンシャーマンと相まみえる事となるだろう。


 ディーノは感じる。

 遂にこの戦いが「決着する」と。


 それはケルベロスも全く同じ。

 当然、ディーノの劇的な勝利を信じている。


 少し前までは、ディーノとは何の縁もゆかりもなかった人外の魔獣は……

 今や心をひとつにし、戦友、否!

 文字通り『背中を任せる親友』として新たな戦場へと駆けていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説版第1巻~7巻

(ホビージャパン様HJノベルス)

大好評発売中!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

☆最新刊『第3巻』

6月27日発売!

ほやほやの新刊です!

書店様で、ぜひお手に取ってご覧ください。

第1巻~2巻も大好評発売中!


※月刊Gファンタジー大好評連載中《作画;藤本桜先生》

☆来週『7月18日発売』の月刊Gファンタジー8月号に最新話が掲載されます。

一見超ドライでも本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をお楽しみください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」

「幼馴染と永遠に別れた俺は、辺境小国の王子に転生! 戦い、開拓、恋愛、信長スキルで何でもござれ!」

も宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ