第120話「さあ! 反撃はこれからだ!②」
⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
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「全員、そのまま。絶対に動くなよ、すぐ済む」
ディーノは抜剣し、ゆっくり迫るゴブリンゾンビどもへ、
狙いをつけ剣先を合わせた。
風の力を帯びた魔法剣の発動である。
ぼっしゅっ!
魔力を帯びた剣先から、重い音を立て、固い空気の塊が勢いよく放出された!
ぶっしゃ!!!!
撃ち出された『風』は生ける死体と化したゴブリンどもへ見事に命中。
再び動き出した全ての個体を、あっさりと粉々にしていた。
先ほどカルメン達は、凄まじい風の音だけは聞いていた。
ゴブリンを殲滅する為、ディーノが何かしたらしいという事も分かっていた。
しかし初めて、風の魔法剣を目の当たりにし、受けた印象は、驚愕以外、何もない。
やはり、最初に口を開いたのはカルメンである。
「お、おい!! ディーノ!! な、な、何だ、あれはっ!」
「何だと言われても、魔法剣さ」
「魔法剣!? あのような魔法剣があるかっ!」
「あるかっ! と言われても実際、俺が使ってる。お前の目の前で」
「確かにそうだが! むむむ……納得いかない!」
カルメンが納得しないのは理由がある。
これまで彼女が見聞きして来た魔法剣とディーノが行使したモノとは、
見た目も威力も根本的に違うのだ。
『風の魔法剣』とは……付呪魔法の一種。
つまり剣士が風魔法の力で、剣の切れ味と攻撃力を向上させるくらいのイメージしかない。
「まあ、細かい事は良いじゃないか。念の為、俺の使う力に関しては以降、一切ノーコメントだ」
「…………」
「お前が敬愛するステファニー様は、覚醒のひと言で済ませてくれた。カルメン、お前も主を見習え」
ステファニーを引き合いに出されたら、カルメンは引き下がるしかなかった。
カルメンは主に対し、そこまで畏敬の念を持っているのだ。
「ステファニー様が? むう! わ、分かった!」
カルメンが同意して引き下がった。
なので、とりあえずこの場で、
他のクランメンバーも言う事は何もない。
「よっし、早速次の作戦だ、皆聞いてくれ」
ディーノから、更なる指示が出る。
全員が気合を入れ直し、身構える。
「クラン鋼鉄の処女団は引き続き、南門の防衛にあたってくれ。通常の襲撃と共に不死化した奴の攻撃にも充分注意してくれ。ジョルジエットさん、対不死者魔法を頼む!」
既に気持ちは通じている。
「打てば響け」とばかりに、ジョルジエットは胸を張る。
「任せてっ!」
「助っ人で、戦友のジャンを残して行く。一騎当千だから、頼りになるはずだ」
ディーノはそう言い、精悍な黒豹に擬態したジャンを見た。
本音はディーノと共に戦いたい。
置いてけぼりは、断固拒否する。
そう言いたいに違いない。
しかし、今は非常時だ。
忠実さに加え、素直さと協調性が求められる。
普段はひと言ありそうなジャンも、文句は一切言って来なかった。
ディーノが発した言葉尻を捉え、マドレーヌが聞いて来る。
「え? じゃあディーノは?」
「ケルベ……いや、ケルと共に、敵のリーダー、ゴブリンシャーマンを倒しに行く」
「そ、そんな!」
マドレーヌが先ほど見た限りでは……
ディーノが帰還した際、相当数を倒したとしても、
ゴブリンの残存は未だ数千は居た。
付き従う狼の如き巨大な犬は、強靭な魔族らしい。
だが、それでも……たったふたりでは多勢に無勢……
彼女の心に不安が黒雲のように湧き上がる。
しかしディーノは先ほどと同じく優しく微笑んだ。
「大丈夫! 俺達は必ず勝つ」
「ディーノ……」
「マドレーヌ」
「はい」
「約束しよう! 俺はお前の下へ必ず帰って来る!」
「は、はいっ!」
ここで異論を唱える者が居た。
タバサである。
「ちょっと! ディーノ」
「おう、タバサ」
「マドレーヌ姉だけじゃない、私の下へも戻って来るんでしょ?」
「あ、ああ、戻るよ」
「宜しい!」
と、ここで何と!
「ストップ! 私も素敵な恋に参戦!」
と挙手をしたのがジョルジエットである。
驚いたのは、マドレーヌとタバサだ。
「ええっ?」
「ジョルジエット姉までぇ?」
ここで場を締める義務があるのはディーノである。
あまり愚図愚図してはいられない。
「ありがとう、少し気障かもしれないけど……お前達の気持ちが俺の戦う力になる。……必ず勝つ!」
「そうよ、ディーノ、絶対に勝利だよっ!」
「死なないで」
「約束だよっ」
3人から改めて励みになる言葉を受け取り、ディーノは気合を入れ直した。
「よっし、ケル、頼む」
以心伝心。
ケル……魔獣ケルベロスは黙って、ディーノへ背を差し出した。
ひらりと、子牛のような巨体に跨ったディーノは、
「行くぞ!」
と出撃の合図を送った。
「うおん!」
ひと声応えたケルベロスは、凄まじい速度で走り出し、跳躍。
5m以上はある楓村の防護柵を軽々と超え、
ディーノと共に村外へ消えて行った。
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