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第118話「勝利のキス」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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 ふたりの女子は見た。

 累々(るいるい)としたゴブリンどもの死骸しがいの向こうに、

 ひとりの少年が忽然こつぜんと立っている姿を。

 子牛ほどもある狼のような風貌の猛犬を二頭、

 そしてしなやかな動きをする黒豹、『ジャンが化身した姿』を引き連れて。


 立っていた少年は、ディーノであった。


 不敵に笑うディーノは、ステファニーとエミリーの無事を確認し、

 剣を持った手を思い切り打ち振った。


 ステファニーが走る。

 エミリーも走る。


 ディーノは納剣し、歓迎するように改めて手を打ち振った。

 今度は両手で、左右に思い切り広げて。


 ステファニーとエミリーは思い切りジャンプ!

 ディーノへ「ひし!」と抱き着いた。


 対して、ディーノもふたりを優しく抱き締めた。


「ディーノっ!!」

「ディーノっ!!」


「ふたりとも、良く頑張ったな。まだ油断は出来ないが……とりあえず大丈夫だ」


 ディーノの言葉を聞き、ステファニーは顔を上げ、


「ふん! 何よ! 偉そうに! ……でも、そっちこそよ! 周りが敵だらけの中、良く戻って来てくれたわっ!」


 鼻を鳴らし、毒づいたが……嬉しそうに二ッと笑った。

 

 片やエミリーは、生と死の狭間から救い出され、


「ディーノぉ! ディーノぉ! あうううううううう~~っ!」


 ただただディーノの名を呼び、感極まり号泣してしまった。


 その様子を見た、ステファニーは二ッと笑う。

 

「ふふっ、良かったじゃない、両手に花だなんて! あんたの人生で一番ハッピーな瞬間じゃないっ!」


 相変わらず毒舌を発揮するステファニーの顔を、

 ディーノは見て驚いた。

 

 まさに「鬼の目にも涙」

 いつもはディーノを睨みつけるきつい表情のステファニーが、

 わずかに涙ぐみ、まるで『聖女』のように優しく微笑んでいたのである。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ディーノへの抱擁を解いた後……

 ステファニーはじっくりと考える。

 この戦いを収束させる。

 当然勝つ!

 その為にはどうしたら良いのかと。

 しかしすぐに答えは出た。

 

 確信する。

 

 数多あまたのゴブリンをあっという間にたおした、

 ディーノの驚異的な力を目の当たりにして……

 

 巻き起こされた猛き豪風の破壊力。

 未知の力で動き出した、ブレーズの石像の圧倒的な強さ……

 そして付き従う『戦友』と呼ばれる魔族らしき3者。


 一時は絶望的と思われた、この戦いを収束し、勝利するには、

 覚醒したらしいディーノの底知れぬ力に頼るしかない、と。


「ディーノ」


「はい、ステファニー様」


「今回に関しては、あんたを主力として、対ゴブリンの作戦を立てて行くべきね。私達はあんたの指示に従うわ」


「ありがとうございます。助かります」


 ディーノは一礼し、


「俺は急ぎ南門へ向かい、カルメン達と合流します。ステファニー様はアンセルム村長、エミリーと共に、村民達をとりまとめ、北門の防衛にあたってください」


「了解!」


「ステファニー様には、戦友をひとり残して行きます。漆黒の犬の方です。名はオルト、……いや、オルです。それに『ブレーズ様』も敵を排除してくれるはずです」


 ディーノがそう言うと、

 ブレーズの石像が再び動き出し、ゆっくりと北門の方へ歩き出した。

 風貌が狼のような、オルという名の巨大且つ漆黒の犬も、

 ステファニーの傍らへ座る。


「エミリー」


「は、はい」


 ここでステファニーがエミリーへ目くばせした。

 意味ありげなアイコンタクトである。


「良い? こいつへのご褒美、お先に行くわよ」


「え? ご褒美? お先にって?」


 何と!

 ステファニーはまたも電光のように動き、ディーノの頬へキスをした。


「わわわっ」


 慌てるディーノ。


「あ!?」


 驚いたエミリーだが……

 すぐに大きく頷くと、ステファニーがキスした反対側、

 同じくディーノの頬に気持ちがこもったキスをした。


「ディーノ! 麗しき美女神ふたりのあっついキスを受けたら、もう勝利は確定よ! カルメン達を頼むわねっ!」


 珍しいステファニーの軽口。

 しかし彼女の眼差しは真剣だ。


 対して、ディーノも真剣な顔つきで頷いた。


「了解! じゃあ行きます! 後を頼みます!」


「任せといてっ!」

「ディーノ! 頑張って!」


 ふたりの美少女……女神ふたりからのキスをしっかりと受け取り、

 ディーノは北門へ向かい、思い切り駆け出したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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