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第102話「激戦②」

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス)

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何卒宜しくお願い致します。

『バッカヤロォ!! 肝心な時にドジ踏みやがって!」


『わ、わりぃっ! 兄貴っ!』


 ケルベロスの罵声と、オルトロスが素直に謝るやりとりが響いた。

 どうやらオルトロスが、『勢子』の役目を上手く果たせなかったらしい。


 と、なれば、『ゴブどもの援軍』が続々来るって事だ!


 瞬時に判断したディーノは納剣すると、思い切り大地を蹴り、

 襲いかかるゴブリンどもの中で、未だ奮戦するステファニー達の下へ向かった。


 ディーノが走った方向には投げ捨てられたカルメンの大剣があった。

 素早く拾ったディーノはそのまま振りかざし、ゴブリンの群れに突っ込む。


 今迄のディーノなら使うどころか、持ちあげるだけでも難儀した巨大な剣である。

 さすがにカルメン愛用の剣、切れ味は抜群どころか、半端なかった。


 無防備に背中をさらしていたゴブリンどもは、あっさりと「なます」のように切り刻まれる。


 ディーノの圧倒的な強さを目の当たりにし、ステファニーとカルメンも気合を入れ直し、周囲のゴブリンどもを全て倒した。


 軽々と片手で大剣を掲げたディーノは、ステファニーとカルメンへ、

 『勝利』をしっかりとアピールした。


「ふ、ディーノったら、さすが私が見込んだだけある! まあまあ、やるじゃない!」


 満足そうに笑ったステファニー。

 片や、悪い夢から覚めたという顔付きで


「な!?」


 驚いたのは剣の持ち主カルメンである。


「ディ、ディーノっ! どうしてっ!?」


「はは、カルメン、夢中になり過ぎたな。戦いの中で戦いを忘れるなよ」


 ディーノはゴブリンのしかばねが折り重なる中をゆっくり歩いて行った。

 唖然としているカルメンに大剣を渡す。


「聞け、カルメン! 悪いが俺の戦友が下手打へたうった。これから、想定以上な数のゴブリンが来る」


 剣を受け取って、カルメンはようやく『正気』に戻ったらしい。 

 と、ここですかさずステファニーが胸を張る。


「ふっ、ノープロブレム! 全然平気! ダメおっとの致命的な失策をしっかりとカバーするのが、出来た妻というものよ」


「俺がダメおっと? いやいや全く違いますから」


「何で違うのよ! 聞いてないわ!」


「いやいや何度も何度も言ってますって。そもそも俺、ステファニー様とは結婚しませんから」


「ダメ! あんたの意思など関係ないって言ったでしょ! 第一、私から逃げられるわけない!」


「逃げられない? 何故ですか?」


「ラスボスからは絶対に逃げられないわ! 必ず回り込むから!」


「はあ、何ですか、それ? 意味が分からないですよ」


「分からないの、馬鹿ね! じゃあ私は大口を開けた蛇、あんたは、にらまれた蛙。この例えならよ~く分かるでしょ?」


「うっわ! 勘弁してください」


「はは、ダメおっとに出来た妻ですか、お似合いですよ、ステファニー様」


「サンキュ! カルメン!」


 カルメンは普通ならば、絶対に口にしない言葉を告げた。

 大器と称えるステファニーと凡人と蔑むディーノがお似合いなどと。


 だが……

 カルメンは遂に目の当たりにしたのだ。

 ゴブリンの群れを瞬時に倒したディーノの恐るべき実力を……

 さすがに……認めざるをえない。


 ステファニーの言う事はほぼ信じるカルメンではあったが……

 ディーノの強さに関してだけは、単なるノロケ話として信じてはいなかった。

 カルメンとは旧知の間柄である、ギルドマスター、ミンミ・アウティオの証言があったとしても。


 主ステファニーの決めゼリフではないが、まさに『論より証拠』である。


 と、ここでディーノが提案する。


「申しわけない、今回やらかした戦友のミスは俺の責任だ」


「へぇ、だから何?」と、ステファニー。

「どう責任を取ると言うのだ?」と、カルメン


「今度は俺が盾役となる! だから、ふたりは少し下がってフォローしてくれ」


 と、ディーノは前衛で戦う事を申し出たが……


「はあ? 嫌よ、下がるなんて! 私の主義に反する!」


「でも、疲れたんじゃないですか?」


「全然大丈夫! それにダメおっとを見捨てて死なせたら、目覚めが悪いわ」

 

 と、ステファニーには断固拒否され……


「いや、俺ダメおっとじゃないですし、死にませんから」


 と返したが、更にカルメンからは、


「ディーノ、お前の実力は充分に分かった」


「はあ……」


「だが! 私はステファニー様から、片時たりとも離れる事は出来ないっ!」


 と、きっぱりと断られてしまった。


 そうこうしている間に……

 街道には新手のゴブリンどもが現れた。

 やはりオルトロスが失策したらしい。

 数は……先ほどの倍、200頭近いようだ。


 少し離れた場所で、3人はそのような『やりとり』をしたのだが……

 マドレーヌ達後衛組は、しっかりと結末を予想していたようだ。

 3人が一緒に戦うという結末を……


 カルメンが「にやっ」と笑い、迫るゴブリン達を指さし、

 大きく手を打ち振った。

 

 すると!

 「待ってました!」とばかりに、 後方で待機していたタバサの炎弾が放たれ、

 ちょうどゴブリンどもの『ど真ん中』でさく裂したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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