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猫雛物語  作者: 猫子
7/10

8話 ◆◆誤解◆◆

◆◆誤解◆◆

僕の友達に、僕以上のドSがいる。


言葉だけでは飽き足らず

手を出してくる。

その子は「孤華」《koka》という。

僕はその子にどうしても反撃ができない。


無論、怖すぎるからだ。



僕は孤華の前では

Sを発揮しない…

というか、できないのだ。


そしてこれはある日の学校でのこと…



狐「ねー、祢子〜」


猫「はいなんでしょう…」


いつにも増して

冷静な顔の孤華さん。


この人が近くにいると

心拍数が上がる。

僕は落ち着くために持参したお茶を口に含んだ。


そして孤華が一言。

孤「祢子って本当陽菜の事大好きだよね〜」


ぶっ。

噴き出してしまった。


猫「はは…孤華さん、何を言ってるんですか…」


狐「いやだってさ〜、休み時間なると

  いっつも陽菜のクラス行ってるじゃん?」


猫「そ、れは…違う人に会いに行ってるんだよ…。」


孤「話してないでしょ」


猫「み…水を飲みに…!!」


孤「お茶あんじゃん」


鋭く、突っ込まれる。

やはりこの人は苦手だ…!


孤「汗かいてるけど大丈夫?」


猫「ああ…うん…。あ、もしかしてさ…僕が

  ピヨのクラス行っちゃうと寂しかったりするの…?」


僕がそう言い終わるか終らないかの間に

胸倉を一気に引っ張られ、

孤華の顔が息がかかるくらいに近づいた。


孤「あれ、なんか言った?聞き取れなかった」


猫「あッ…う゛…!?なにも…!!?」



息が


止まるかと思った。




たまに一緒にピヨのクラスに行くときがある。

僕とピヨが2人で話す。


孤「…」


それは、最大の禁忌。


じっと、見られているのがわかる。

僕はあえて目は合わせないが、

視野に入ってくるから嫌でもわかる。


孤華が、監視しているのだ。



猫『何か、話しかけた方がいいんだろうか…』


真面目に考える、僕。

そんなときピヨが話しかけてきて、


雛「ねえ〜!今日公園でしない??」


これは、僕たちの中で

『放課後公園でお話しない?』

という事だ。


猫「あ…?いいよ。でも寒くないか?」


雛「あったかくするから大丈夫だよ〜」


訳『でも公園じゃ寒くない?』

 『あ、うち防寒具持ってるから

  大丈夫だよ!猫にも貸してあげるし〜』


そんな短縮された会話だ。


僕らの中ではそれが普通の会話なのだが、

孤華はそうは訳さなかった。



そして、急に会話に入ってきて、

ぽつりと言った。


孤「する…あたたかく…公園…」


にやっ、と、孤華の顔が歪んだ。

僕は嫌な予感がした。


孤「仲良すぎて怪しいとは思ってたんだよ…」


猫「…孤華…?あの、どうし…」


しかし孤華の妄想は終わらない。


孤「公園か…なかなかオープンだね…

  2人とも…おめでとう!

  …で?どっちが攻め?受け?」


ピヨは普通の顔で

なにそれ〜やだぁ〜とか言ってたが

僕は気が気ではない。


猫「孤華…あの、意味分かんな…」


孤「あ、祢子が受けかな?なーんかそんな感じするわ〜

  すぐ赤くなるしね!いじめたくなる」


雛「わかる!それはすごくわかる!!」


猫「んなっ…!!?」


わかるな!!!


孤「よく暖めてあげるんだよ陽菜…」


雛「うん?わかった!」


わかるな!!!


しかし孤華がいる前で

そんな暴言は許されないので


とりあえず僕は黙って

笑っていることにした。



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