白熱!○○対決!
いつものように遅くなり大変申し訳ありませんでした。
今回も宜しくお願いします。
空母 準鷹某所
「………果たして俺がいる意味あるんですか?」
「…………当然じゃないですか。」
「ちょっと!?何今の間は!絶対どう返答しようか迷ったよねぇ、ねぇ!」
「亜久留君、ちょっと黙ってて貰えるかなぁ?」
「はい……」
(つか、こんな時でも案外賑わってんだな……ここ。)
確かに、亜久留の感じた通り外では結構な数の人で賑わっている。
「あの……」
「どうしたの?亜久留君?」
「何か勝手な予想だったんですけど、もっとハードなものになると思っていたので……」
「これも案外ハードだと思うけど?と言うよりどんなものを想像していたのかしら?」
「いや、てっきりこんなありきたりなものじゃなくてこういうようなものだと思っていたので……」
「えっと……亜久留さん、私はあの歩く金髪ACMバカ娘ではありませんよ?」
「ッ………」
その時、一瞬だけ、見せた笑顔がとても恐ろしく見えた……
「はいそうでしたもう二度と余計な口聞きませんから取り敢えず勝負を始めちゃって下さいどうか宜しくお願いしますはい。」
「……そう、では始めるわよ」
「その前に質問良いですか?」
「はい、何でしょうか、亜久留君。」
「具体的にお二人は何の料理を以て対決するのでしょうか?」
「「………」」
「………おい、ちょっと待て、まさか何も考えて無かったとかそんなふざけた事は無いだろうな……」
「「………」」
「………もし決めていないのであれば、今すぐ話し合って決めろ。
そうでないと俺の命が………」
「料理を提供して頂けると言う立場の癖に文句を付けるとは大層なご身分ですね亜久留さん。」
「え……いや、そんな……」
「何か言いたいことでも?」
「ヒッ………」
「無いようですね、それでは始めましょう。」
(もうやだこんな所……早く帰りたい……)
思わず涙目を浮かべる亜久留だった………
〈数十分後〉
「はい!私の料理完成しましたぁ!」
「ふふふっ、私のも調度完成したわ。」
(さっさと食ってlet's引きこもりだな!)
それぞれの皿に盛られた料理が亜久留の前に置かれた。
(※何の料理かは考えるのが面倒だった為、ご想像にお任せします。)
(見た目は……普通に旨そうだな……)
「ささ、早く食べちゃって下さい!」
「まぁまぁそこまで食べるのを急がなくて良いわよ。」
「じゃ、先に日和さんのを頂きます。」
丁寧に料理を一口大に切り分けると、そのまま切り分けた料理を口に運んだ
「………」
カチャッ、カチャカチャッとただただ食事をする音だけが部屋に響く。
(※実際には周りは結構五月蝿いです。)
「………」
(う~ん……まぁまぁ普通に旨いな………見た目通りと言った所かな。)
「………あの………どうですか?」
と、日和が上目遣いで訊いてくる。
(なにこの典型的な感じ、なに、俺も典型的に答えをかえせと。何その面倒臭いの。)
「うん、普通に旨い気がします。」
「……気がします……ですか。(小声)」
「はい次、頂きます。」
亜久留はこれまた丁寧に料理を…(面倒なため以下略)
「………ッ!」
「ふふっ」
(これは―)
亜久留はその時衝撃を受けた。
(―あの時の味だ…って事は……)
亜久留の視線は無意識の内に『よく分からな(以下略)』に向いていた。
しかし、当の本人に動揺した様子はなく、ただただ微笑んでいるだけだった。
(この味付けの感じは…)
「まゆ……姉……?」
亜久留はそう思わず呟いていたが、本人は全く気付いていない。
(いや……でもそんな馬鹿なことがあるか。あんなにこの手のモノは嫌がっていた筈だ。あくまで当時の記憶が正しければ、だが。)
これまた本人は気付いていないが、その「まゆ姉」らしき人が物凄くニヤニヤ顔を浮かべているのに対し、日和の方は「ナニ言ってるんだコイツてか『まゆ姉』って誰?」的な顔を(って分かるかぁ!)浮かべている。
……尚、つい先程から何か「キラキラッ」と光りながら、何かドス黒いものを連れ添っている"モノ"があるように見えるが、それは幻覚と判断している(2名)、もしくはそもそも視界に入っていない(1名)様なので(ここには現在3人以外にも居るが、その人々はそもそも"何か"によって口出しをできない状況に居るので)、ここでは何も考えなくて(と言うより無視して)良いものとする。
「えっ……本当にまゆ姉……なの……?」
「さあ?どうでしょうか?アクちゃん。」
(アクちゃんって呼び方……やっぱり……)
「あ……アクちゃん?」
日和が呆気にとられた表情を浮かべている。
「まゆ姉なんだね……」
「ふふっ、正解。とでも言いましょうか。」
「でも、どうして―」
「アクちゃん…まぁこれには色々とあったのよ…だけれどアクちゃんが戦闘機乗りかぁ…あの時は夢にも思わなかったなぁ……」
「……で、お二人はどの様なご関係で?」
日和が不意に無機質な声で尋ねた。
そして、不満げな表情を隠そうともしないその態度は何とも人の反感を買いそうだが……
「あ~っと日和、この人は―」
「私は海原真弓よ、まぁアクちゃ…亜久留君とは昔近所に住んでいた関係で、よく遊んだりしたものね。」
「………」
「そうだ、真弓さんは何処の部署に今は所属しているので?」
「アクちゃんったら、別に堅苦しく『真弓さん』ではなくて昔みたいに『まゆ姉』で良いのよ。」
「でも、流石にそれは―」
「別に大丈夫だって言ってるじゃない。あ、もしかして好きな子が近くにいてその呼び方じゃ恥ずかしいとか?」
真弓は趣味の悪い笑顔を浮かべた。
「別にそんなんじゃ無いってば……」
「亜久留さんの……好きな……人……」
一方日和は何故か軽い放心状態になっていた。
「で、アクちゃん。今回の勝負の結果はどうなったのかしら?」
「あ………」
(マズイ、すっかり忘れてた……)
「……ハッそうでしたそうでした、亜久留さん、結果は?」
「………」
亜久留は必死に考えているように見えるのだが…
(ヤベェ、どうやってこの状況から脱出しようか。何でも良いから何か起こらないかな……)
亜久留がそう考えていたその時
『戦闘機班に告ぐ、直ちにブリーフィング・ルームに集合。
繰り返す、戦闘機……』
(よし!『直ちに』行かなくては!)
「日和、直ぐに行こう。」
「はい!」
二人は全速力でブリーフィング・ルームへと向かった。
空母 準鷹 ブリーフィング・ルーム
「中々アップデート完了までに時間かかったわね……」
「それで、新しい隠し武器って何なのかしら?」
「ええ、それなんですが……空対艦ミサイルの改良型が搭載出来るようになったんですよ。」
「成る程。で、その対艦ミサイルっていうのは―」
「失礼します!」
「―後でにするわ。あ、亜久留さんですか。と、取り敢えず席に座って下さい。」
「はい。」
(一応私も居るんですが……)
日和は若干、不満げな表情だ。
その後次々と人が集まってきた。そして
「全員揃ったようですね。それではブリーフィングを始めたいと思います。」
「始めに由奈司令からの挨拶を…」
「はっ、はい。」
「今回、集まって頂いたのは、人工島〔安羅〕の占領が異常な速度で進んでおり、UAVだけでは対処出来る事案では無くなってしまった為、私たちの下へ要請が来たからです。
今回の作戦に関してはとても厳しいものになると予想されます。しかし、皆さんには必ず、ここでまた会えるよう祈っております。以上です。」
「さて、これから作戦内容を説明します―」
最後まで読んで頂き有り難う御座いました。
さて、いよいよ千歳基地航空祭ですね……
Cygnusの747-400もいよいよ残り僅かとなってしまいました……