表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都市艦の日常  作者: North west color DELTA
空母編
24/26

Order

今回もよろしくお願いいたします。

空母 準鷹 無人航空機管制室


「発艦準備完了しました。」

「よし、任務(オペレーション)を開始する。UAVNo.7,8は発艦後情報共有網(データリンク)を元に安羅へと急行せよ。」

了解(ラジャー)

そして2機のQA-2はカタパルトNo.1,2から発艦した。

「発艦完了しました。このまま安羅へと急行します。」

そう報告すると、操縦要員(オペレーター)達はスラストレバーを前に倒し推力を上げ、安羅へ向かう。

しかし所詮攻撃機のためそこまで速度が上がらない。

攻撃隊が着くまでは時間の問題だった。


都市艦 信濃 官邸地下作戦室


「空母準鷹艦隊は今どうなっている?」

「はい、project artificialの人工島〔安羅〕―ではなく―ATF01付近にてEACUと交戦中です。」

「そうか……そろそろ()()()()を指示してくれ。」

「ハッ」

(EACUめ……掛かったな。)


空母 準鷹 亜久留の寝室


「ピロロロ、ピロロロ、ピロロロ」

「…スースー」

「ピロロロ、ピロロロ、ピロロロ」

「スースー」

「ピロロロ、ピロッ『只今電話に出ることが出来ません。伝言を残される方はピーという音に続けてお話しください。ピー』」

『あ、亜久留さん。今朝早くにすみません。あっ、司令の由奈です。緊急招集が掛かっているのでなるべく早めに来てください。ちょっとキャシーさん。何やってるんですか!ああっ、日和さんまで!待って下さいよぉ~あ、またかけ直します。では!』

「ん……スースー」


その時、廊下から何やら「ドタドタドタッ」という音がしてきた。


やがてその音は亜久留の部屋の前で突然止み、「ハァ…ハァ…」という声が聞こえてきた。


しばらくして(と言っても数十秒の出来事である。)、「ガタン!」と部屋のドアを壊す勢いで開けながらどこぞのイカツいヤンキーだよ、と言いたくなる歩き方で歩く金髪ACMバカ娘(キャシー)が入室してきた。


「おはようアク。貴方ちょ~っと起きる時間遅すぎやしな~い?」

「……ん、おはよう。その声は…歩く金髪ACM(空中機動)バカじゃなくて―金のACM野郎でもなくて―キャシーか。……ん?キャシー?ってえ!」

寝惚けていた亜久留の脳が起動(スタート)すると、今の状況がやっと理解出来るようになってきた。

「……誰が金髪ACMバカ野郎ですって?」

キャシーの顔は笑顔だったがその頬は引き吊っていた。

「あ……」

亜久留はこの時、無意識とは言え(むしろその方が酷い。)自らの失言を悟った。

「あ~っといや~そのぉ~」

「ん?」

亜久留は冷や汗でだくだくになり、キャシーの笑顔はもう頬を引き吊らせているものでは無かった為、もはや恐怖そのものだった。

「……スミマセンでした。」

キャシーは溜め息をつくと、「もういいわ。」と呆れ顔で言った。

「アク、早く支度しなさい。司令が呼んでいるわよ―って留守電聞いて無かったでしょ。もう!」

「あ~寝てたから聞いてなかったわ。じゃあ一旦部屋を出てってくれないか?」

「どうして―っていうのも野暮ってものね。では廊下で待っているわ。」

キャシーはそう言うと、部屋から出ていった。


「さて、と。」

亜久留はドアの鍵を閉め(勿論静かに。)、部屋から周辺にかけてノイズキャンセリング(NC)を起動させ、全体的に電子攻撃機にも劣らないと言われている強力な電波攻撃(ECM)とレーダーによる索敵を行った。

(もうこれで何かを聞かれることも誰かに入られる事もないな。)

亜久留の隠蔽(ステルス)技術(スキル)はほぼ完璧に出来ており、異常があればセンサーが感知し侵入出来ないようになっているのだが―

「んで、何故ここに日和と司令が居るのですかね?」


―しかし、この2人は違った。


「あの、えっと、いや、その、余り他の人には聞かれたくない内容を話しに来たんです。」

「私も由奈司令に誘われて―と言うより補佐役で来ました。」


亜久留は不思議に思い、ド直球に質問した。


「何ですか、ハッキングでもしましたか。」

「「………」」


結果は―黒だった。


そう、完璧と思われた亜久留の装備(センサー)は事前にハッキングされていたのだ。


「はぁ……で、一体何の任務(ミッション)ですか?」

「えっと、とにかくこれを見てください。」


そう言うと、由奈はある一通の封筒を取り出した。


「?」

(何だ?異動命令でも下ったか?そりゃそうか、訓練生の癖に撃墜してしまったからな。)

亜久留はおそるおそる封筒を開けると、2通の通知書(プリント)が入っていた。

(はぁ……さて、何処に異動だ?信濃区画(セクション)2,3?それとも潜水艦?)


一応港谷高校のパイロット達は全員垂直離着陸機(VTOL)の操縦訓練を受けている。


「え~と、どれどれ?」

亜久留は早速、通知書を読み始めた。

「………」

「「………」」

亜久留の紙をめくる「ペリッ」という音だけが部屋に響く。

「………」

「「………」」

「……っ」

亜久留の今まで真剣だった眼差しが一瞬、曇った。

「……その通知の通りです。」

由奈は目を伏せながら言った。

「……作戦実行日は何時ですか?」

そう言う亜久留の声は少し震えていた。

「……明日の05:00A.M.に打ち合わせ(ブリーフィング)開始予定です。」

「そうですか……了解しました。」

(クソッ、信濃司令部もどうかしている。)


EACU所属空母 山東(シャントン)艦内 強襲作戦司令室


浙江(チュウチャング)強襲揚陸作戦部隊の様子はどうだ?」

「どうやら展開完了したようです。」

「ふむ、では本隊に上陸指示を。」

(シー)


EACU所属 強襲揚陸挺艦内 上陸作戦本隊


「只今、司令部より上陸指示が入った。各自準備しろ。」

「「是」」

直後、軽い衝撃と共に揚陸挺が人工島に着岸した。

艦首にあるドアが前に倒れ、揚陸挺と人工島を繋ぐ橋の様になった。

その橋の上を武装した上陸部隊が小走りに渡っていく。

「よし第一(ティイー)第二(ディアー)小隊は島東(ダオドンファン)第三(ディサンクゥア)第四(ディスゥ)小隊は島西(ダオシィフアング)に展開しろ!」

本格的な占領作戦が始まった―


空母 準鷹艦内 亜久留の部屋


「………ハァ」

亜久留はさっきの出来事を思い返していた。


『一応打ち合わせ(ブリーフィング)の時にもお話ししますが、使用する機体は前回同様F-12。兵装(ウエポン)対空ミサイル(AIM-9)×2,対艦ミサイル(AGM-158)×2,滑空誘導爆弾(AGM-154)×2の計6発。

任務内容としては、先程の通知書(プリント)の通りです。』

『はい。』

『その他に何か質問はありますか?』

『……いえ、特には。』

『そうですか……では、また明後日打ち合わせの時に。』

『………』


そして、もう何度目だろうか。渡された通知書を読み返していた。

(EACUだけならまだしも……)

因みに通知書の内容はこんなものだった。


1、現在建設中の人工島にEACUの艦船が接近していること。

2、恐らく艦船の種類からして揚陸部隊であること。

3、揚陸部隊が上陸していようがしていまいが人工島を沈める(サック)させること。

4、人工島にはまだ人が残っている可能性があるが、構わず沈めることを最優先すること。

5、EACU所属の艦船を発見した場合、民間だろうが軍艦だろうが構わず沈めること。


等、さまざまなな事が書かれていた。

(……っ民間人には何も罪は無いのにっ……)

「亜久留さん……」

現在、亜久留の部屋の男女比は1:1―つまり亜久留が一人、誰か女子が一人と言うことになる。

亜久留の隣に座っている夕日の光に当たって髪が()()()()()()()()様にみえるが……果たして―

「亜久留さん、()()、使って下さい。」

その女子(ヒト)は少し恥じらいで頬を赤く染めながら自分のフトモモ(絶対領域)を指しながら言った。

「あ、いいですそういうの。」

「……まぁそうだよね。いきなり押し掛けてきてこう言われたら誰だってそうなるよね。」

「大半のひとはそうなると思いますけど…一部の―と言うより命知らず(スケベ主人公)を除いて。」

「……デスヨネ―」

「はい。」

「―って普通に会話してましたけど誰ですか貴女(あなた)は?」

「今更だね~亜久留君よ。この私を忘れたか。」

「本当に誰ですか?」


その女性(ヒト)は何か含んでいるような笑みを浮かべている―


空母 準鷹 無人航空機管制室


「UAV7,8〔安羅〕上空に到達しました!」

「了解、状況は?」

「映像では先程と()()()()()()()()()()。」

「そうか……」

その時だった―

『Warning,warning.Network disconnected.』

と、ディスプレイに表示された。

「え……」


管制室内の時間が停止した―

潜水艦とパイロットの関係…皆さんお気付きだと思いますが、一応言いますと、潜水艦の後方にSTOVL機専用の滑走路があるため、空母から潜水艦への異動もあります。(本当に数少ない例ですが。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ