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都市艦の日常  作者: North west color DELTA
空母編
19/26

対艦戦と空中給油

色々あり、遅くなって申し訳ありません。

今後ともよろしくお願いいたします。

日和は準鷹CDC(戦闘指揮所)からのふざけているとしか思えないメッセージと共に送られてきた任務(ミッション)を開始した。


①―MFDに映していたデータをHMDに映し出し、攻撃目標(ターゲット)までの航路(ルート)をプロットする。


②―攻撃目標をセットしたら、最適な速度と高度を稼ぐため手動操縦(マニュアル)から自動操縦(オートパイロット)に切り替える。


③―兵器(ウエポン)を“G()U()N()”から“AGM-158(JASSM)”に変更する。


④―一応全機電波妨害(オールジャミング)を仕掛けておく。


これで一通りの準備は整った。後は今回の攻撃目標であるEACUの空母、広東に向かうだけになった。

(確かAGM-158はスタンドオフ・ミサイルだからある程度の距離から撃てるわね。)

そして―

データリンクにより表示された航路を辿り、何とかAGM-158の射程内に空母を押さえた。

(ここなら安全に発射、離脱可能空域なはずだけど…)

日和は空母をロックオンした。

安全装置(マスターアーム)ON、兵装AGM-158、問題無し。)

「フォックスワン!」

サイド・スティックのボタンを押した。

前を見ると、小さな飛行機のようなものが飛翔していく。

(お願いだから当たって。)

そう願いながら日和は戦線を離脱した。


〈同時刻〉


ヒウラ③ 〔七波 亜久留〕

(何だ?)

亜久留はその時丁度MFDのデータリンク画面を見ていた。

(EACUの空母が撃沈された…)

その事実を本当かと見極められずにいた。

(取り敢えず無事に帰還(RTB)出来れば良いからそこまで重要な案件じゃないな。)

その時―

『ヒウラ隊、ジュオだ。只今より全機帰還(RTB)開始を指示する。全機ポイントTAKOへと直行せよ。』

了解(ウィルコ)」『了解(ウィルコ)

『ヒウラ、ジュオ。オールエアクラフツ、クライム、エンジェルス25、アンド、フォローデータリンク。』

同時に各自のHMDには、ポイントまでの航路(ルート)が表示された。

(早く戻って風呂にでも入りたい…)

亜久留はデータリンクの指示に従って飛行を始めた。


〈数分後〉


ポイントTAKOにはヒウラ隊4()()が集合していた。

(おいおいちょっと待て、何故ヒウラ④が居るんだ?って言うかまだ生きていたのは嬉しいけどさ。)


ヒウラ④〔佐久間日和〕

戦線を離脱した後、日和は電波妨害を解除し、データリンクを受け取れるようになった。

(どれどれ、えっと指示はっと。)

丁度その時データリンクにはヒウラ隊に対する指示が入っていた。

(うんうん、なるほど、TAKOに向かえば良いのね。)

データリンクには巡航高度(クルーズレベル)で表示していたが、隠密(ステルス)性を高めるため低高度を飛んでいた。


だから亜久留のレーダーには日和の機影が映っていなかったのだ。

ポイントTAKOで合流したヒウラ隊の機体達はそのまま隊列を組み、帰還ルートを巡航高度で飛んでいた。

太陽の光に照らされて、海と機体がキレイに反射している。


そんなこんなで飛行していたヒウラ隊の機体達は、遂に〔準鷹〕CATCCの管制圏内に進入した。

『ヒウラ隊、CATCCだ。現在、ラッシュのため着艦許可は直ぐに出せない。今のうちに給油が必要な機体は進入経路(アプローチコース)02へと直行せよ。』

この時点で給油が必要だったのはヒウラ④だけだった。

よって亜久留達は通常の空中待機場所へと向かい、日和は進入経路02に向かった。


進入経路02には、空中給油機(タンカー)であるKC-4が旋回待機している。

昔の米軍等では戦闘攻撃機(F/A-18E/F)が空中給油機の代わりを勤めていたが、今では専用機が待機するようになった。


日和は進入経路02への進入(アプローチ)を開始した。

「タホ、タホ、ヒウラ④。リクエスト、アプローチトゥタホ。」

『ラジャー、フライトゥポイントYankee』

日和はポイントYankeeの座標を入力し、そこへと向かう。すると―

『ヒウラ④、ウィファインドトゥユー。リドューススピードトゥ200』

日和は機体速度を200ノットに落とし、機首にあるプロープを展開した。

その時、目の前にKC-4の姿が見えた。

主翼のポット付近から延びている円錐状の物体(バスケット)があるのだが、そこにこのプロープを差し込まなくてはならない。

(これを失敗すると、大変な事になるわね…)

着艦も緊張するが、空中給油も中々緊張するものだ。何故なら、誤ってこのバスケットをエンジンに吸い込ませよう物なら、どんな事が起こるか分かったものではないのだ。

(慎重に、落ち着いてやれば問題無いはず。)

日和は機体を近づけながらプロープとバスケットの位置を合わせるそして―

(やった!成功した!)

見事、プロープをバスケットに差し込むことが出来た。

そのまま少しの間、必要最低限の給油を済ませ、進入経路01へと飛行を開始した。

(はぁ…まだ着艦が残っているわね…)

日和は憂鬱な気分になった。

プロープアンドドローク方式…主に海軍等で採用されている空中給油方式。

空中給油機から延びているバスケットに航空機自らのプロープを差し込む為、パイロットは高い技術を必要とする。

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