表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都市艦の日常  作者: North west color DELTA
空母編
17/26

空中戦

遅くなりましたが今回もよろしくお願いいたします。

『あー、ヒウラ、ヒウラ、ホーク。敵機(バンディット)、4シップス、オールエアクラフトJ-22。』

了解(ウィルコ)

その時―

データリンク表示していたMFDに何か白い点が隊長機から発射された。

(何だこれ?)

『ヒウラ、ホーク。(デコイ)の発射を確認、状況により交戦を開始せよ。』

(あ~なるほどね、こいつ(デコイ)を撃墜すればそれを口実に落とせる訳か。)

数分後―

(は?マジで撃ち落としちゃったよこの人達。何?このまま交戦するのか?)

その時、亜久留は何故か艦長室で話された言葉を思い出した。


「今、我々がこんな所に派遣されているのには理由があります。」

「はあ。」

「私達はこれからも信濃で過ごしていくのは不可能だというデータが出たのです。そこで上層部は新たに人工島の建設を始めました。

しかし、EACUはその事を知るや()()を奪取しようと考えたのです。」

「要するにEACUから人工島を護る為に我々は派遣されているのです。」


『ヒウラ、ホーク。デコイの撃墜を確認、()()物の使用を許可する。』

『ヒウラ03、ヒウラ04、ヒウラリーダーだ。我々は前方のJ-22を撃墜する。03、04は後方2機をやってくれ。』

「了解」『了解』

『アク、ジュオだ。君はF-12の隠し武器コンシリアル・ウエポンについては知ってるか?』

「いえ、何も。」

『そうか…まあ無理もない。いいか、そのF-12にはAIM-54(フェニックス)Sが積まれてる―』

(え?マジか。)

『―撃ち方はふつうのミサイルと同じだから心配は無い。後はリーダーの指示に従え。以上。』

「了解」

(確か後方のJ-22だったよな。よし!)

亜久留はすぐさま安全装置(マスターアーム)スイッチをONにすると兵装を“AIM-54”に変更、するとレーダーが作動し、3機目を

ロックオンする。


敵機からすると、今まで4機だった機体が急に5機になった上に、その1機が突っ込んで来たから撃ち落としたら、まさかのデコイで、その直後にロックオンされるという事態になっていた。


(照準よし、兵装問題なし、安全装置ON、よし。)

「フォックスワン!」

その瞬間、亜久留はサイド・スティックのボタンを押した。

直後、機体の下から「ガチャン」と音がしてAIM-54が切り離された。


機体から切り離されたAIM-54は、自らミサイルのレーダーを起動、自ら目標(ターゲット)に向かっていく。


亜久留は機体の下から延びていく白い煙を見て本当に発射されたのだと実感した。

このままだとこちらも撃墜されてしまう為、一旦戦線から離脱する。

MFDに映し出されたデータリンクの画像にはどんどんと敵機に迫っていくミサイルの姿がある、そして―

『ヒウラ、ヒウラ、ホーク。全機体の消失(ロスト)を確認。撃墜したものと思われる。』

(ふぅ、何とか撃墜したけど…)

MFDに3機の機影が不意に現れた。

『ヒウラ、ヒウラ、ホーク。ニューボギー、スリーシップス、エアクラフトJ-31!』

『J-31!?…了解』

(J-31だと!?嘘だろ!?そんなことがあるわけ―)

『―ボギー、ブルズアイ0-9-0、エンジェルス20』

散開(ブレイク)!)

亜久留は隊長機から送られて来た指示に従って左に機体を傾けた。

今まで水平だった景色が右に流されていく。

その時だった。

(クソッ!ロックオンされた!)

亜久留のMFDには〔warning,LOCKED ON〕と表示されている。

直ぐ兵装を“AIM-120(アムラーム)”に変更、ロックオンし返す。そのまま―

「フォックス、ワン!」

とミサイルを放っていた。

機体をドン、と揺らした後、白い煙が延びていく。

相手も放ったらしく、小さな赤い点が自機に向かって来ている。

(まずい!EP(電子戦)モードにしなきゃ!)

サイド・スティックのスイッチを上にずらし、EPモードにする。

(間に合わない!)

亜久留にミサイルが迫って来ており、シーカーを破壊することは最早不可能だ。

「グッ」

いきなり亜久留は機体を右に大きく傾け―ギリギリの所で回避した。

「ハァハァ」

しかし、相手もミサイルを回避したらしく又正対する位置に来ている。

(兵装をAIM-9(サイドワインダー)に変更、最悪()()を使わないとな。)

ミサイルを“AIM-120”から“AIM-9”に変更、ほぼほぼACM(空中機動)戦に入ろうとしていた。

(よし、そのまま向かって来い!)

亜久留は敵機が射程に入るのを待っていた。

(掛かった!)

レーダーが敵機をロックオン、もう準備はほとんど整っている。

亜久留は機体を180°ロールさせて、主翼の前縁(スラット)を下ろし、前縁の吹き出しを強くした。すると―

「ぐっ」

―勢い良く下に吹き飛び、高度を案外失ったが、相手の機体を目視出来た。

機体をまた180°ロールさせ、前縁と吹き出しの強さを元に戻す。

(よし、このままインメルマンターンを決める!)

亜久留はエンジンのA/B(アフターバーナー)を全開にし、機首を引き上げ、180°ターン、又180°ロールを行い、相手機の後ろに着いた。

レーダーがまたロックオンした。しかし今回はシックス・オクロック・ハイ―つまり、相手の真後ろ上方から狙っているのだ!

(ここなら確実に仕留められる。いくぞ!)

AIM-9の赤外線追尾レーダーも作動、そして

「フォックスツー!」

機体の右から白い煙が延び、発射されたミサイルが吸い込まれるように近ずき、そして、命中(スプラッシュ)、前にいたJ-31が炎と共に爆散した。

同時にレーダーからも2機消えていた。




AIM-54S…昔、アメリカ軍が開発したF-14トムキャット専用の超長距離ミサイルの小型版。

性能はさほど変わらないとされている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ