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都市艦の日常  作者: North west color DELTA
空母編
16/26

Let's発艦!

今回もよろしくお願いいたします。

「あ~暇だわ~」

亜久留はそんな呟きを無意識に放っていた。

空母【準鷹】のカタパルトNo.2手前の待機場所に今まさに亜久留はいる。

(それにしても兵装(吊るしもの)が対空ミサイル×4、対艦ミサイル×2、増曹×2か。フルだな。)

あれこれ考えている内にプレーン・ディレクターの指示でJBDの後ろに誘導され、折り畳まれた羽根を展開する。そろそろ発艦する事を実感した。

(いよいよ次か、地味に緊張するなぁ。)

前で発艦準備をしていた機体がエンジンを吹かし、カタパルト・オフィサーが最後の確認を行っている。

全て安全が確認されたのか、カタパルト・オフィサーが方膝をつき、人差し指と中指を艦首方向へと伸ばし、発艦許可を出す。

その直後、勢い良く機体が空中へと打ち出された。


甲板から機体が居なくなると、クルーが次(亜久留)の発艦準備のため、元の位置に戻し始めた。

亜久留の機体の前にプレーン・ディレクターが現れ、カタパルトの方へと誘導を始めた。

所定の位置に着くと、ウエイト・ボード・オペレーターが発艦する機体の重量を確認するため、数字の書かれたボードを掲げている。


亜久留は事前に伝えられた機体重量と合っているかを確認、問題無かったので頷き〔肯定〕という意志を表す。


すると、その重量表示をセンター・デッキ・オペレーターに見せ、その下にあるカタパルト・ルームに伝えられ適正な出力にセットする。

その間に飛行隊整備課スコードロン・プレーン・インスペクターやオードナンス・クオリティー・アシュアランス等が兵器(ウエポン)の安全確認を行い、オレンジ色の安全(セーフティー)ピンが付いていれば外す作業を行っている。

ほぼ同時にJBDジェット・ブラスト・ディフィレクターオペレーターの指示でJBDを立ち上げ始めた。

各自の作業が終わると、発艦前の機体は危険な為ワラワラと離れていくが、機首ではホールド・バックバーと呼ばれる装置を取り付ける係であるトップサイド・セーフティー・ペティ・オフィサーがプレーン・ディレクターに対し機体を少し前進させるように指示を送る。


亜久留は前にいるプレーン・ディレクターが〔前進〕の合図を送って来たのでエンジンの出力を少し上げ、機体を前に出す。直後、「ガチャン」という金属音と共に前輪(ノーズギア)がきっちりとカタパルトと接続された。


先程のトップサイド・セーフティー・ペティ・オフィサーはカタパルトと前輪がきっちり連結されていることを確認、サムズアップを送った後、機体から離れていく。

カタパルト・オフィサーが最終確認をカタパルト・セーフティー・オブザーバー等が〔安全〕サインを出している事を確認する。


一方亜久留の方はエンジン出力を最大にし、前輪を縮小させ、何時でも発艦出来る様にした後敬礼を行い、その手を艦首に向けて〔発艦可能〕の意志を示す。


カタパルト・オフィサーは全て安全が確認されたので、方膝をつき人差し指と中指を艦首方向へと突き出してカタパルトのボタンを押す役割のデッキ・エッジ・オペレーターへ〔GO〕サインを出した。

カタパルト・オフィサーの〔GO〕サインを確認したデッキ・エッジ・オペレーターはカタパルトの〔射出〕ボタンを押した。

直後、亜久留の乗ったF-12はA/B(アフターバーナー)を炊きながら勢い良く射出し、赤い閃光を残して甲板から消えた。


亜久留は〔発艦可能〕の表示をして数秒後には猛烈なG(重力加速度)と共に打ち出された。

その時、亜久留は何が起きたか何もわからなかった。気付いたら海の上で飛んでいるのだ、そして慌てて車輪(ギア)と機首を上げた。

「何だ?この感覚。結構怖いな。」

『何が恐いだって?』

「おっと。」

亜久留は知らず知らずの内にマイクのスイッチを入れたままにしていたようだった。

「すみませんでした。」

『まあいい、こちらは【準鷹】CDC(作戦指揮所)だ。

今から訓練ポイントまでレーダーベクター(レーダー誘導)を行う。』

『ヒュラ、ジュオ。ターンヘディング(機首方位)0-9-0、クライム、エンジェルス25、アンド、フォローデータリンクス。』

了解(ウィルコ)

(いきなりデータリンク(情報共有網)任せとか、テキトーだな。)

亜久留は発艦後、準鷹のCDCから『機首方位90゜に変更し、25000フィートまで上昇せよ。又、データリンクに従え。』という事を言われたのだ。

実際にF-12のMFD画面にはデータリンクによって取得した情報が地図上に表示されている。

さらには、HMDにもポイントまでの航路が表示されている。

(まぁ、昔はこんな装備は無かったから全て無線通信で苦労しただろうなぁ。)

ふと、亜久留はそんなことを考えていたその時だった。

〔Warning〕とHMDに急に表示された。

(何だ?)

『ヒウラ隊、ホークだ。国籍不明機(アンノウン)が確認された。これは訓練ではない、繰り返す、これは訓練ではない。』

ホークとは現在任務に当たっているE-4AWACSの呼称(コールサイン)だ。

『ジュオ、ヒウラリーダーだ。アンノウンが確認されたとの事だが迎撃許可を乞う。』

『ヒウラリーダー、ジュオだ。了解、迎撃を許可する。但し指揮はAWACSが行うものとする。以上。』

『了解』

(マジかよ…面倒くせえな。)

『ヒウラ、ホーク、ボギー、トゥグループス。ブルズアイ2-7-0、フオー0-6-0、ウエストターゲット、エンジェルス30、イーストターゲット、エンジェルス28』

MFDの画面には赤い点が2つ光っていた。これは敵味方不明機(ボギー)と呼ばれていた反応だ。

(何でこのタイミングかねぇ…多少は空気読もうよEACUさんよぉ。)


ヒウラ隊は刻一刻と敵機に近づいて行った。




F-12…T-11とは全くの別物で機関砲は無く、対空、対地、対艦、対レーダーミサイルを使用出来る。

E-4…AEW&CではなくAWACSである。

(AEW&CとAWACSはどちらも早期警戒管制機と言われるが、前者よりも後者の方が指揮できる機体の数が多い。)

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