何気ない始まり
こんな訳の解らなそうな作品を読んでいただけるのであれば幸いです。
2055年4月1日太平洋上空
「当機は間もなく目的地に到着致します。」
その機体はILSに従いゆっくりと降下していく。
パイロット達が見ている滑走路は…陸地でもなく埋め立て地でもない巨大な船の甲板にあった。
人類は海水面上昇そして謎の陸地の沈降により陸地を奪われ、海や空はたまた宇宙へと避難していた。
都市型航空母艦「信濃」日本が保有しており今の日本人の住居である。
幾つかの区画に分かれており、それぞれで担当が分かれている。
そんな都市艦に住む七波亜久留は第1区画にある港谷高校(通称コタ校)に通っている高校1年生だ。
港谷高校は都市艦1,2を争う有名校であり、又、第1区画唯一の高校だ。
「ふわぁ…今日もかったりぃなぁ。
何でこの日に限ってACMの試験が在るんだよ。」
「仕方ないじゃないですか、この信濃を防衛する義務があるのですから。 それに航空科を選んだのは兄さんじゃないですか。」
そう言うのは彼の義妹の飛来友梨である。
彼女はそこそこの美少女であり、まぁまぁモテる。
「確かにそうだけどさ、T-10であそこまでしなくても良いじゃないか。」
「そうですけど、この試験を乗り切らないと陸上部隊に回されますよ。」
「でも現代戦の主流はドローンと自動人形じゃん。 わざわざT-10に乗る必要があるか?」
「民航機に乗るにせよ、ドローンパイロットになるにせよこの試験は空中での感覚を養う為に在るんですよ?
それをもう忘れましたか。 本当にダメな兄さんですね。」
「そう言えばそうだったな。ていうか何でそんなこと管制科のお前が知ってるんだ?」
「うぅ…それは…」
「うん、それは?」
「何だって良いじゃありませんかぁ~!」
急に走り出す友梨。
「あっ おい待てコノ!ちゃんと説明してからいけー!!」
こうして2人の1日が始まった。
一通り読んで頂き有り難うございました。
又読みたいと思って頂けたら大変有り難いです。